頭が真っ白、震え、息苦しい…etc.パニック状態を落ち着かせる5つの対処法|臨床心理士が解説
不安が強くなってパニックを起こしてしまった時、自分で心と体を落ち着ける方法をご紹介します。
はじめての場面、プレッシャーがかかる場面などで不安を感じることは当たり前です。しかし、人によっては、不安が強くなりすぎて、頭が真っ白になったり、身体がフリーズしたり、息を吸い過ぎて苦しくなってしまったりするかもしれません。自分ではコントロールできなくなり、日常生活に支障をきたす場合もあるでしょう。不安は「回避」することでどんどん大きくなり、持続します。そして、不安が強くなる場面を避けることで、次回への不安がさらに強まり、再び避けてしまうでしょう。これを繰り返していると、いつまでも避け続けることになり、強くなった不安は他のことにも広がります。不安は回避することで、収まるどころから悪化してしまうのです。不安のやっかいなところは、「頭の中のもの」に対しても起こることです。つまり、実際に不安の種が目の前になくても、将来起こるかもしれないこと、過去の出来事など頭の中で考えていることに対しても身体が反応してしまうのです。
不安が強くなりパニックになると、身体が震え、めまいや吐き気、呼吸困難などの身体症状が強くなるかもしれません。このような時は、私たちの神経系がバランスを崩している状態です。例えば、自律神経の交感神経が活性化や、背側迷走神経系の過活性が起きている可能性があります。
不安な時、パニックが強くなりそうな時の対処法についてご紹介します。
苦しい時に息を吸わない
まず大切なことは、不安が強くなるなど息苦しさを感じた時は、はじめに息を吐くことです。吸う呼吸と吐く呼吸のバランスが乱れている時に、息を吸おうとすればするほど余計に苦しくなってしまいます。まずは息をはーっとゆっくり吐き切り、そこからゆったりと呼吸を続けましょう。なるべく吐く呼吸に意識を向け、無理のない範囲でゆったりと呼吸します。また、呼吸に意識を向けることは慣れないうちは難しいと感じるかもしれません。日頃からゆったりと深く呼吸する練習をしておきましょう。
AUTHOR
石上友梨
大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。
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