「心を鍛える」どうやって?不安に負けないメンタルを作る6つの習慣|臨床心理士が解説
日々の生活の中で、「緊張しなかったら、もっと良い結果が出せたはずなのに」「不安に負けない強い心が欲しい」などと感じたことはありませんか?今回は、メンタルトレーニングについてご紹介します。
メンタルトレーニングは、精神面を鍛える方法のことです。メンタルトレーニングで得たものを、スポーツだけではなく、プレゼンや試験、商談や交渉など、仕事から日常生活まで様々な場面で活用していけるでしょう。
基本的なことを大切にする
メンタルトレーニングでは、まずは基本的なことから見直しましょう。1番大切なことは「睡眠」です。私たちは睡眠によって脳や身体を休息・回復させます。規則正しい睡眠リズムを保ち、バランスの良い食事を取ることが大切です。そして、メンタル面も筋トレと一緒です。メンタルトレーニングを1回試みただけでは、ほとんど効果がないでしょう。コツコツと継続することでメンタルが鍛えられていくのです。
目標を設定する
まずは大きな目標を設定し、大きな目標をいつ達成したいのか明確にします。そして、現時点から大きな目標に辿り着くために必要なステップを中間的な目標、小さな目標と小分けにします。例えば、大きな目標が12月末に資格試験に合格することだとしたら、中間的な目標は10月末に過去問で8割以上取ること、今月までの小さな目標はテキストを全て読み返すことと分けていきます。いつまでに何をどうすると、具体的で実現可能な目標を設定します。さらに細かくできるなら月ごと、週ごと、1日ごとの目標と分けても良いでしょう。ゴールを明確にすることはとても大切です。現時点を確認し、ゴールを明確化することで、ゴールまでの道筋が見えてきます。そして小さなステップに分けることで、無理なく成長していくことができるのです。
記録をつける
日々の取り組み、良かった点や改善点や感じたことをノートに書き出すなど、記録をつけましょう。書き出すことで、気持ちを整理して客観的に見つめることができます。また、過去の記録を振り返ることで成長の経過を把握できます。もし余裕があれば、記録の中に、毎日目標を書き出してみましょう。ゴールがより意識され、やる気につながるでしょう。
呼吸法を実践する
呼吸法によって自律神経のバランスを調整しましょう。私たち現代人はストレスや不安・緊張により自律神経の交感神経系が活性化していることが多いでしょう。交感神経ではなく、副交感神経を活性化させるために、吸うよりも吐く呼吸を長くし気持ちを落ち着かせましょう。もし落ち着きすぎているぼんやりしていると感じる場合は、吸う呼吸を長くするよりも、吸う呼吸と吐く呼吸を等しくしたり、軽い筋トレなど身体を動かすことで活性化させてみましょう。
マインドフルネス瞑想を実践する
マインドフルネスとは、何かに注意を向けて気づき、ありのまま受け入れることです。自分自身の心の状態や身体の状態にしっかりと気づき、気づいたものは「良い」「悪い」と判断せずにありのまま受け入れます。メンタル面を鍛えるためには、現在の状態をありのまま見つめ、ありのまま認めることが必要です。良い面にだけ目を向けていたら、自分の欠点や改善点に気づけず成長できません。マインドフルネスを実践することで、ありのままの自分の気持ちや身体の状態にも気づくことができるようになります。マインドフルネスは、集中力や記憶力の向上、ストレス軽減などの効果があり、メンタルトレーニングにはおすすめの方法になります。
セルフトークする
セルフトークとは、自分に対する心の中の独り言です。何か失敗した時に、「私はダメだな!」「次はうまくいくよ!」など、独り言を言っていませんか?セルフトークの内容を、批判的な言葉ではなく、思いやりのある言葉に変えてみましょう。心の中の独り言は、私たちの感情に影響を与えます。批判的な言葉は悲しさや不安などネガティブな感情に、思いやりのある言葉は安心や自信などポジティブな感情につながります。やる気を継続させるためにも、思いやりのある言葉を選びましょう。また、自分に許可を出すことも大切です。もし誰かに遠慮したり、自分に成功は相応しくないなど、どこかでブレーキをかけているのなら、目標が達成することを自分に「いいんだよ」と呟き許可を出しましょう。
メンタルトレーニングには様々な方法があります。そして、どのような方法が合っているかは人それぞれです。様々な方法を試して自分に合った方法を見つけ、日々実践することで目標に近づいていきましょう。
AUTHOR
石上友梨
大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。
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