過酷な状態の中でパフォーマンスを発揮する【フロー状態】どうすれば作れる?臨床心理士が解説
東京オリンピックはコロナ禍での開催になり、無観客試合を余儀なくされ、さらには感染に気をつけなければならないなど、いつもよりも様々な条件が加わり、選手たちは心身ともにしんどいはず。ところが、日本代表はじめ、各国の選手の活躍はすばらしいものがあります。こうした過酷とも呼べる状態の中で、自分のパフォーマンスを発揮できるのに関係しているのが【フロー状態】と呼ばれるもの。スポーツ選手だけでなく、私たちの身近にも生かすことができる概念です。フロー状態とは何か、どうしたらその状態を作ることができるのかを臨床心理士が解説します。
フロー状態とは?
フロー状態とは、ある活動に完全に没頭し、集中できる心理状態のこと。似たような言い方で、『ゾーンに入る』という言葉がありますが、そちらの方がしっくりくる人が多いかもしれませんね。フロー状態という言葉は、ハンガリー系アメリカ人の心理学者、ミハイ・チクセントミハイ氏が、芸術家やアーティスト、スポーツ選手の心理状態を研究する中で生まれた概念です。彼は研究の中で、人は物事に没頭している時に時間の流れや疲労感を感じずに、継続的な満足感を得られることを発見しました。。例えば、楽しいことをしている時に『もうこんな時間?』と感じた経験はありませんか?それがまさにフロー状態です。フロー状態は一部の人に与えられたものではなく、条件が揃えば誰にでも起こすことができると言われています。
フロー状態が私たちにもたらしてくれるもの
集中力が高まる
フロー状態に入る機会が多いほど、物事に集中している機会も増えます。集中できることで、ミスが減ったり、退屈を感じづらくなります。
創造性が高まる
フロー状態に入っている間は自分の世界に入りやすくなるため、『他人からどう思われるか』といった他者からの視線が気にならなくなります。普段はそうした他者の目や世の中の常識に囚われて封印していたり、狭まっている視野が解放されることで、クリエイティブな発想が生まれやすくなるのでしょう。
人間関係が良好になる
アメリカの心理学者のNatalie Faria氏は、フロー状態と人間関係の良好さには、密接な関わりがあることを明らかにしています。人間関係の中におけるフロー状態とは、『相手を深く理解するために、相手と接する時間に意識を集中している』ということです。普段見えてこなかった相手の表情や、言葉の表現など、気づかなかった部分に気づけるようになると、より充実した人間関係が気付けるようになりますよね。
フロー状態になるために必要なことは?
フロー状態を作り出すために私たちができることを、いくつかご紹介します。
明確な目標を立てる
例えば、『○日の○時までにこれをやる』『これが終わったら△△をする』など、目標は具体的であればあるほど、イメージが湧きやすく集中力が高まります。
環境を整える
私たちの周りは様々な情報に溢れています。そうした情報によって集中力を妨げられるというのはよくある話です。例えば、スマホの通知はオフにしておく、テレビは切る、デスクの周りにものを置かないなど、集中できる環境になるうよう工夫するのも大切なことです。
スキルと難易度のバランスが大切
フロー状態を作る前に、自分が挑戦しようとしていることと、今の自分のスキルとのバランスを見直してみましょう。最もフロー状態になりやすいのは、自分のスキルよりも、挑戦しようとしていることや目標が少し高い状態にあることです。スキルより目標が低いとすぐに空きますし、逆に高すぎると挫折体験になりかねません。『頑張ればクリアできそう』という塩梅を見つけましょう。
ヨガがフロー状態を作ってくれる?
フロー状態を作る上で、ヨガはとても有効なツールだと筆者は感じます。なぜなら、フロー状態を作るためには、心を今ここに集中させる【マインドフルネス状態】を持っていることが肝になるからです。また、自己コントロールが可能であることもフロー状態の大切な要素になりますが、呼吸法を意識的に行ったり、自分の骨格に合わせてアーサナを調整できるなど、ヨガにはそういった要素も含まれています。『フロー状態って難しそう』と感じる方は、まずはヨガを試してみてはどうでしょうか?今は教室だけでなく、オンラインや動画など、ヨガに触れる機会がたくさんあります。ヨガの練習を通してフロー状態を味わってみてください。
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