誰でもなる可能性がある【適応障害】うつ病と違う?今日からできる予防法とは?心の専門家が解説

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誰でもなる可能性がある【適応障害】うつ病と違う?今日からできる予防法とは?心の専門家が解説

南 舞
南 舞
2021-06-01

有名人が診断される機会も増え、その名が世間に浸透しつつある【適応障害】。一体どんなもの?チェックするポイントや予防法は?心の専門家である臨床心理士が解説します。

適応障害とは

適応障害とは、ある特定のストレスが引き金となって引き起こされる感情や行動の症状によって、日常生活支障をきたしている状態のことを言います。ストレスの要因となるものは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、いわゆるトラウマになるような大きな出来事である必要はありません。例えば、これまでに経験したことがない自分にとって新しい環境(失業、転勤、入学、結婚、出産など)や人間関係なども当てはまります。また、ストレスの出来事の大きさに関わらず、個人のストレスに対する感じ方やストレスへの耐性も適応障害の発症に関係します。

適応障害、どんな症状が起こる?

アメリカ精神医学学会が出版している精神疾患の基準マニュアル・DSM-5によると、適応障害は、ストレスとなる要因にさらされてから3ヶ月以内に発症すると言われています。以下のような症状が当てはまるようであれば、要注意。しかし、ストレスの原因となるものがなくなると約6ヶ月以内に症状が改善するとも言われているので、早期発見・早期治療がカギ!心療内科など最寄りの医療機関への受診をお勧めします。

精神症状

抑うつ気分/不安/焦り/怒り/緊張 など

身体症状

眠れない/食欲不振/だるい/疲れやすくなった/腹痛/頭痛/めまい など

問題行動

仕事や学校を休みがち、遅刻や早退が増える/過度な量の食事をする/飲酒や喫煙の量が増える/イライラして攻撃的になる など

適応障害とうつ病、どう違う?そしてどんなケアが必要?

症状を見ると、うつ病に似た症状も見られるので、『うつ病と何が違うんだろう?』と感じる方もいるかもしれません。うつ病との大きな違いは、ストレスの原因がはっきりしていることです。そのため、適応障害へのケアとして最初に行われるのは、ストレス要因を取り除くこと。分かりやすいのが環境調整です。例えば職場で強いストレスを感じているのであれば、一度お休みをとり、ストレスとなっている職場環境から離れるなどがこれにあたります。しかし、環境調整が難しいこともありますよね。例えば、家族など同居している人との関係がストレス要因になっているのだとしたら、離れて暮らすということが難しい場合の方が多いと思います。そうした環境調整が難しい場合に有効なのが、心理療法などのカウンセリングです。心理療法やカウンセリングによって、自分の意思で変えることが難しいものに直面した時、相手や周囲を変えようとするのではなく、本人が周囲に合わせて行動や考えを修正して適応する力を高めていくことを促していきます。また、抑うつ症状や不安の強さ、不眠などが見られる場合は、薬の処方を行うことで症状が改善することがあります。

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南 舞

南 舞

岩手県出身。多感な思春期時代に、臨床心理学の存在を知り、人の心に丁寧に寄り添っていくカウンセラーの仕事に憧れを抱く。臨床心理学、心理カウンセリングを学ぶために、大学院まで進み、「臨床心理士」資格を取得。現在は教育、企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとは学生時代にヨガスタジオの受付のアルバイトをしていた時に出会う。ヨガを始めたことで、身体が自由になっていく感覚に楽しさを感じたこと、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。普段のクラスでは、呼吸と身体を繋げ、人と比べず、自分らしくいれるようなヨガの時間を提供できるよう心がけている。

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