「私が本当に欲しいものは手に入らない…」その諦め思考、自己犠牲が原因かも?臨床心理士に聞く対処法

 「私が本当に欲しいものは手に入らない…」その諦め思考、自己犠牲が原因かも?臨床心理士に聞く対処法
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石上友梨
石上友梨
2021-05-30

前回から自己犠牲への対処法についてお伝えしています。前回の記事では、まず「自己犠牲してしまう場面をリスト化してパターンに気づくこと」、そして、「自己犠牲のルーツを探すこと」「怒りや罪悪感の感情に気づくこと」をお話しました。パターンを変えるためには、自分自身が繰り返すパターンにしっかりと気づき、受け入れることが大切です。私たちは気づいていないもの、認めていないものは変えることができないからです。

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自己犠牲的なパターンを持っている人の周りには、自分の欲求や要求を押し付ける人が集まりやすくなります。もしかしたら、なんでも思い通りにしようという、あなたの想いを大切にしない恋人ばかり選んでしまう人もいるでしょう。自己犠牲を繰り返すあまりに、自分が本当に欲しいものは手に入らないと諦めてしまっていませんか?私たちは本来、みんな平等に同じ権利を持っています。そして、私たちは、自ら変化する力があります。奇跡が起きて、全部解決することを望んでいても、それがいつになるのか分かりません。生きづらさを感じているのなら、自分の自己犠牲的なパターンに目を向け、変化するために自ら少しずつ取り組んでいきましょう。

自分の好きな物に気づく

今まで自分の欲求を抑えてきた方は、安全だと思えるところから少しずつ自分の気持ちに目を向けてみましょう。あなたは、どのような物や活動が好きでしょうか。嬉しさ、楽しさ、心地よさ、幸福や満足感など、自分の気持ちが動くのはどのような時でしょうか。はじめは上手に感じられないかもしれません。少しでも心が動くもの、少しでも「悪くない」と思える物を探してみましょう。例えば、好きな紅茶を飲む、好きな音楽を聴くなど、自分の想いを大切にした行動を取ってみましょう。

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石上友梨

石上友梨

大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。



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