なぜあの人は私に意地悪をするのか|意地悪な人の心理と意地悪された時の対処法
あなたの周りに意地悪な人はいますか?
意地悪な人は、なぜ意地悪なのでしょうか。意地悪をして何か得られるものがあるのでしょうか。相手の反応を見て喜んでいるのでしょうか。それとも、意地悪をしたい訳ではないのに、何故かそうしてしまうのでしょうか。
意地悪な人に対して「なんでこんなひどいこと言うんだろう?」と思う一方で、何か悩みがあるのかなと気になっているかもしれません。今回は、意地悪な人の心理について考えてみましょう。
意地悪なことをされた側の話
意地悪なことをされた時、意地悪をした側は、意地悪なことをしていると認識しているのか、認識していないか、自覚の有無があります。そして、意地悪をされた側は、相手の行動に対して「意地悪をされた」と受け手側の解釈が入ります。意地悪という「行動」に対して、どう捉えるかは人それぞれです。例えば、あなたが職場でゴミ捨て当番をうっかり忘れてしまったとします。それを同僚から「あなたが忘れていたゴミ捨てをやっておいたから」と言われた場合、「代わりにやってくれるなんて優しい人だ」と受け取る場合もあれば「いちいち指摘するなんて意地悪だ」と受け取る場合もあるでしょう。このように、行為に対する解釈には、受け取る側の「考え方、捉え方のクセ」が影響します。悲観的に受け取る、被害的に受け取るクセがある方は、些細なことを意地悪だと受け取ってしまう場合があるでしょう。
第三者に相談することで、客観的な意見を聞いて参考にしても良いでしょう。「それは意地悪だね」という意見を得られるのならば、あなたの捉え方のクセだけではないかもしれません。相談する際は、自分と似た性格、似た考えを持つ人ではなく、異なる性格の人、より客観的な視点に立てる人を選びましょう。相談した結果、他者にとっては意地悪ではないと受け取られるものだったり、些細な意地悪を日常的に何度も感じたりする場合は、あなたの捉え方のクセが関係しているかもしれません。捉え方のクセが強い場合は、人生を損してしまっている可能性があります。相手の行為を意地悪だと受け取ることで、あなたの態度も変化し、実際に人間関係が悪化することがあるからです。
意地悪なことをする側の話
それでは、意地悪をする側には、どのような心理が関係しているのでしょうか。
まずは、意地悪な行動に対して、それが意地悪だと気づいていない場合、他者の気持ちを想像できない場合があるでしょう。また、怒りの感情が強くなりやすく、上手にコントロールできないため、怒りのまま意地悪をしてしまうことがあるかもしれません。意地悪によって他者を操作・支配しようとしている場合もあるでしょう。その人自身、捉え方のクセがあって、あなたの何かしらの行動を意地悪だと受け取り、意地悪をされた仕返しをしているのかもしれません。疑心暗鬼になり、あなたの反応を確かめるための試し行動をしている場合もあるでしょう。相手の反応に敏感であったり、自分に自信がない場合は、「この人には欠点がない」「この人は自分の欠点を見抜くだろう」と感じた相手に対して、自分の欠点がバレないように意地悪な態度を取っているのかもしれません。
意地悪をする理由は、一つに絞れないことがほとんどだと思います。様々な要因が絡み合い、そのような態度になっている場合がほとんどでしょう。そして、要因を辿っていくと、その人が苦労して生きてきた歴史にたどり着くかもしれません。日常的に意地悪な行動を繰り返している人は、「現在」の悩みだけではなく、「過去」から続く悩みが現在の対人関係にも影響を与えている場合が多いでしょう。そうなると、すぐに相手が変わるのは難しいかもしれません。
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AUTHOR
石上友梨
大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。
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