もしもモラハラ被害に遭ってしまったら|臨床心理士が教えるモラハラ対処法

 もしもモラハラ被害に遭ってしまったら|臨床心理士が教えるモラハラ対処法
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南 舞
南 舞
2020-06-03

家庭・職場・ SNSなど、私たちの周りでは知らず知らずのうちに【モラルハラスメント】が行われています。今回は、『もしもあなたがモラルハラスメントに遭ってしまったら』という視点で、知っておきたいことを臨床心理士がお伝えします。

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モラルハラスメントとは?

セクシャルハラスメント、パワーハラスメントなど、【○○ハラスメント】と呼ばれるものが増えましたね。その中のひとつに【モラルハラスメント】と呼ばれるものがあるのを聞いたことがありますか?モラルハラスメントとは、フランスの精神科医であるマリー・F・イルゴイエンヌが提唱したもので、言葉によって相手に暴力を振るう、支配することを示します。家族で言えば夫婦が主ですが、中には親子間でというのもあります。パートナーや職場、最近ではSNS上でもモラルハラスメントの問題が取り上げられていますね。

モラルハラスメントで起きることは?

被害者が深く傷つく

モラルハラスメントは、加害者側が一方的に被害者を責め、ささいなことでも暴言を浴びせることによって、相手を支配しようとします。攻撃を受けた被害者は心に深い傷を負うことに。

振り回される

モラルハラスメントをする人は、その時の気分次第で基準を変えるのも特徴。同じ事でも昨日と今日で言っている事が違うと戸惑ってしまいますね。こうしたことが続くと、何が相手の逆鱗に触れるのかがわからなくて強い不安や混乱、怯え、過度の緊張感と常に向き合うことになるのです。

心身への影響

モラルハラスメントによって強いストレスを受け、頭痛や腹痛、腰痛、不眠など身体症状や、抑うつ状態、適応障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神症状を引き起こす可能性も。辛い状況であるのに、そういった症状すらも責められることの原因になるため、辛さを訴えられないというのもモラルハラスメントの危険なところです。

自分が悪いと思う

モラルハラスメントが継続していくと、『こういった状況になるのは自分が悪いから』と思い込むようになって抵抗することさえもやめるように。そして、過剰適応と言って相手に併せた言動・行動をとることが当たり前になってしまいます。この状態では『自分がモラルハラスメントを受けている』という自覚さえも薄くなってしまうのです。

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