誰でもなる可能性がある【適応障害】うつ病と違う?今日からできる予防法とは?心の専門家が解説
適応障害にならないために
早期の治療をすれば治る病気とはいえ、適応障害になることで、肉体的にも精神的にも辛い思いをするのは正直しんどいもの。そういった状況を防ぐために、普段からストレスの対処法を知り、予防していくことが大切です。臨床心理士の視点から、日常的にできるストレスへの対処法をいくつかご紹介します。
完璧主義を柔軟に
『こうすべきなのに!』『〇〇しなければいけない』と言った考え方は、【白黒思考】【0か100か思考】と呼ばれたりしますが、この思考になりやすい方は、相手の言動や行動が許せなくて常にイライラ、ストレスを溜めやすかったり、自分に課すハードルが高くて、首を締めることになりがち。全てを完璧に行うことは難しいので、グレーゾーンを作る、あるいは『こんなこともあるかもしれない』と思うように心がけてみて。少し心と体の力が抜けてきますよ。
ストレスを感じた時に行う方法をいくつも持っておく
ストレスへの対処法のことを心理学では【ストレスコーピング】と呼びます。ストレスに強い人は、ストレスコーピングをたくさん持っている場合が多いとされていますが、筆者が相談にきた方とカウンセリングをしていても同じことを感じます。ストレスに対処する方法は多ければ多いほど自分の助けになります。オススメなのがストレスコーピングになりそうなものを書き出して、【コーピングリスト】を作ること。目に見える形にすることで、自分のストレス対処法をより理解しやすくなります。目標は100個書き出すことですが、難しい場合は半分の50個を目標にしてみましょう。ストレスを解消してくれそうな物、人、事柄、言葉など、自分の気持ちを明るくスッキリさせてくれるものであればなんでもOKです。あまり深く考えずに書き出してみましょう。
マインドフルネスな状態になる習慣を身につける
マインドフルネスとは『“今ここ”に意図的に意識を向け、価値などジャッジをせずに、ありのままを受け入れている状態』のことです。誰でも、目の前で起きている出来事や事実よりも、思考で頭の中がいっぱいになってしまうことがあります。それがネガティブなことばかりだと、必要以上に不安や怒りなどのマイナス感情を感じやすくなってしまいます。“今ここ“に集中することは、感じる必要のないストレスで心の中が汚染されることを防いでくれますよ。マインドフルネスと言われると難しく考えがちですが、実はそんなに難しいものではありません。例えば、ヨガを通して呼吸と自分の体に意識を向けるということ自体がマインドフルネスですし、野菜のみじん切りや火を使って調理をしている時はいつもよりも集中しますよね?そういった行為もマインドフルネスにあたります。瞑想=マインドフルネスというわけではないので、日常生活の中で“今という瞬間”に意識が向けられることを探し、実践してみましょう。
AUTHOR
南 舞
公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。
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