「頑張りたいのにやる気が出ない」臨床心理士がすすめる4つの対処法
臨床心理士が勧める、やる気を取り戻すためにできること4つ
ストレスを感じた時に対処する方法を心理学では【ストレスコーピング】と呼びます。やる気が出ない時は、何らかのストレスが影響していることが多いので、ストレスコーピングをいくつか持ち、場面に応じて使い分けると良いでしょう。実際にカウンセリングの中でオススメしている、ストレスコーピングをいくつかご紹介します。
アクティベーション
アクティベーションとは、体を動かして交感神経(高める役割)を高めることでやる気を引き出す方法のこと。やる気が出ない時は、副交感神経(鎮める役割)が優位になっていることが多いので、まずは体に働きかけることで心を動かしていきましょう。ヨガでいえば、いつもよりも呼吸のペースを早くしてみたり、交感神経を高める効果があると言われている胸式呼吸を取り入れる、いつもより少し強度の高いアーサナを取り入れてみるのも良いです。他にも、声を出す、体を軽く叩いて刺激する、歌を歌う、人と話すなどもアクティベーションでは効果的と言われています。
回避
自分にとって困難なことが目の前に現れた時、人は【接近】か【回避】のどちらかの方法を取ると言われています。問題に直接働きかけて乗り越えようとする【接近】も大切ですが、オススメしたいのが【回避】の方法を取ること。一時的に問題から遠ざかり、心と体にゆとりができたら改めて取り組むという姿勢が、長く頑張り続けるコツです。
ふせんやノートに書き出して整理
頭の中にやるべきことがバラバラと散らばっていては、頭の中がパンクしてしまいますよね。例えば、やるべきことを付箋一枚一枚に書き出して貼りだす、ノートなどに書き出してみましょう。全体像が見えやすくなり、今後の見通しを持ちやすくなるので、焦りからの無気力感が少し緩和されるかも。
休む
ストレスのケアで見落とされがちなのが、ただ【休む】こと。うつ病の治療でも『とにかく休みましょう』と言われるくらい、休むことが一番の薬だったりします。動くことさえもしんどい時は、布団やソファでゴロゴロする、 SNSやネットなど社会とのつながりを一旦シャットアウトする、1日家で過ごしてみるなどゆっくり休む時間を作ってみるのもオススメです。
立ち止まるのも大事
頑張り屋な人ほど、知らないうちに心身の疲れが溜まり「やる気が出ない」という状態に陥りやすいもの。頭では「頑張らなきゃ」と思っていても体は正直なもの。「休みたい!」とSOSを出しているのかもしれません。やる気が出ない時は無理に頑張ろうとせず、普段から頑張っている自分を労ってみて。自然と「また頑張ろう」という気持ちが湧いてくるのを待ってあげましょう。
AUTHOR
南 舞
公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。
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