無理なポジティブ思考が仇に【慢性化する心の疲れ】どう対処すべきか|精神科医・川野泰周さんに聞いた

 無理なポジティブ思考が仇に【慢性化する心の疲れ】どう対処すべきか|精神科医・川野泰周さんに聞いた
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コロナ禍においては、ポジティブな感情をどうやって引き出せばよいのか、全然イメージできないと感じている方が少なくありません。そういった方は、まず今の自分の在り方、大変だったり、苦しかったりするのであれば、苦しいという状況をまずはそっくりそのまま認めてあげることが手掛かりになります。

でも、それは「人生苦しくてもいい」というわけではないんです。あるがままを認めるというと、「じゃあ、つらい人はつらいままでいいのか」と反論する方がいますが、そうではなく「今はつらいんだ」という状況を無視せずに、ありのまま見る、観察するということが、苦しみを手放すための第一ステップとして欠かせないということなんです。

――今、自分がどんな状況なのかということを把握することが、なにごとにおいても大切なんだなと感じます。

川野さん:そこは、マインドフルネスの定義と合致するものですね。目の前のことに注意を向けて、思考の働き過ぎをいったん鎮めて、心を穏やかにすること。この心がけが、あるがままの自分を受け入れることに繋がります。もちろん最初は見たくなかったものを見なくてはいけないないので、つらいこともあると思います。トラウマなどでフラッシュバックが頻繁に出てしまう状態の方には、基本的にマインドフルネスはおすすめしません。

そういう方は今の自分をあるがままに観察するタイプの瞑想ではなく、自分に優しさを向ける練習、「セルフコンパッション」のワークを取り入れた瞑想が良いと考えています。感謝の気持ちを自分に伝えたいといった、ポジティブな芽を育てていくんです。時間はかかりますが、だんだん自分自身に対するネガティブな感情が、思いやりや慈しみの心に置き換えられて、昔のトラウマ体験も冷静に見られるようになったというケースも少なくありません。いきなり集中型のマインドフルネスに入るというのも一長一短があるように感じます。

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Text by Mitsue Yoshida

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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