臨床心理士ヨガ講師が考える、学校にヨガが必要な理由とは【学校教育にヨガを】前編

 臨床心理士ヨガ講師が考える、学校にヨガが必要な理由とは【学校教育にヨガを】前編
南 舞
南 舞
2021-02-21
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普段大人しくできない生徒たちがヨガの時間だけ静かになる

学校でヨガを初めて行ったのが、受験前の時期にある中学校3年生向けのストレスマネジメントの授業でした。スクールカウンセラーとして勤務していた先の学校で、先生たちから依頼を頂いたのがきっかけです。その時は座学なしのヨガのクラスをしました。これがすごく良かったんです!「うちのクラス、うるさいからご迷惑かけるかも…」と担任の先生が心配するクラスが全部(笑)の学年だったのですが、その心配はいりませんでした。最後のシャヴァーサナの時間はとても穏やかで、いわゆる非行少年と呼ばれるグループの子供たちが一番楽しんでいました。普段どれだけ注意されても静かにならない子どもたちなのに、ヨガの時間は静かになるなんて、「何なんだ、これは!」と思いました。でも、これがヨガの効果なんだなということを体感した瞬間だったんですよね。

その後は、不登校の子どもたちとチェアヨガをしたり、呼吸法をするなど、カウンセリングルームの中でできるヨガをし始めました。不登校だと外に出る機会が減る分運動不足になりがちなので、アーサナ自体が健康面のフォローに役立ったり、呼吸に意識を向けることがリラクゼーションをもたらすなど、良いことも多いなと実感しています。

【がっこうヨガ】がもたらす、思いがけない効果

子どもたちにとってももちろんですが、意外と一緒にヨガをしている先生たちが一番リラックスしているような気がします(笑)。学校の先生たちって、授業や生徒指導、部活指導、事務的なことなど仕事の範囲が多岐に渡るし、出勤は朝早くて退勤は夜遅い、運動部などの顧問になると土日も関係ないハードな生活をしているんです。だからこそ、先生たちが心身ともに健康であることが、子どもたちへの教育のためにとても大切。ヨガは先生たちのメンタルケアにも使えるなと思いました。また、こうしてヨガ講師やスクールカウンセラーなど、普段授業を行わない人が授業に入ることで、先生たちが子どもたちを客観的な視点から見ることができます。普段の授業ではあまり見えてこない、子どもたちのポジティブな面、新たな一面が発見できたり。アーサナや呼吸法の効果はもちろんあるけれど、「ヨガという空間」を通して良いエネルギーが生まれるのも同じぐらいヨガの魅力だと思うのですが、それが学校でも可能だということを実感しました。

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太田千瑞先生