背筋が強くなり、姿勢改善にも!体を反る動き「後屈」が上達する練習法【苦手度チェック付き】
体をダイナミックに反らせる後屈ポーズは、ついつい息を止めてしまい苦しくなりがち。勢いで反るのではなく、ポーズに必要な筋肉や柔軟性を整えながら後屈ポーズを深めるコツを、鈴木まゆみ先生が教えてくれました!
背骨や筋肉のこわばりをひとつずつ解放しよう
デスクワークなどで常に体が前向きに丸まっていることが多い私たち。縮こまった体のまま後屈ポーズを行うと前面を開けず、身体的にも心理的にも苦しさが伴う、と鈴木まゆみ先生。
「後屈ポーズは〝背面を反る〞ことに意識が向きがちですが、実は前面、胸を開くことが目的。背骨全体が均等なカーブを描くことで胸を開きます。背骨は上から頸椎、胸椎、腰椎と大きく3つに分かれますが、肋骨が覆う胸部は動かしづらい部分。胸が硬いと動きやすい腰椎と首(頸椎)を鋭角に曲げて反ろうとするため、苦しくなります。体を反るという日常にない動きは恐怖心を抱かせ、苦しさの要因に」
ストローの蛇腹は伸ばしてから曲げるように、背骨は椎骨の間を広げ、均等に伸展していくことが大切。体の中に空間をつくるとともに、コアや太腿の筋力も大きな鍵。
「まずは腹筋や内転筋、腸腰筋のワークで背中やお尻をしっかり使えるように。また、胸を開くために胸や肩、太腿まわりをほぐし、動きを統合して攻略しましょう」
腰だけで反っていませんか?|後屈の「苦しい」原因をCHECK!
後屈が苦しい理由は、肩や胸まわりが硬く閉じている、前腿が硬くて伸ばせない、腹筋が弱くて反り腰になる...など。それは硬い部 位の代わりに反らせやすい腰だけで補っているから。まずは左の2つの動きで、腰で反っていないか確認!
腕を上げてみよう
肩が柔軟な人は真上にバンザイできますが、肩が硬いと腕は斜め45度しか上がらないのに、腰を反ることで真上に上げたつもりに。
NG
OK
膝立ちで反ってみよう
膝立ちから後屈に入るとき、骨盤は膝の真上にホールドしたいところ。腿の内側を寄せる力が弱く、腹筋に力が入らないと代わりに骨盤を前に押し出し、腰に負担がかかる。
NG
OK
後屈は「胸を開く」ポーズです。だからほぐしワークからスタート!
腰で反ることなく、胸を開く効果を心地よく味わうために、胸や肩、太腿をほぐすワークから始めましょう。
WORK①:胸をほぐす
胸が硬いとコブラのポーズが苦しい...
重力にゆだねながら胸と肩をじんわり解放
胸椎や肩関節が硬いと胸が開かず、首がすくみ呼吸がしづらく後屈が苦しくなりがち。ブロックを利用して、胸椎や胸の筋肉、肩を開きましょう。
魚のポーズアレンジ
1. ブロックを2つ用意し、1つは横置きでみぞおちの真後ろに、1つは縦置きで後頭部の枕に。長座になる。
2. ブロックの上に仰向けに。両足裏を合わせ、頭上で両肘を掴んで肩と胸を開く。
WORK②:肩をほぐす
肩が硬いと車輪のポーズが苦しい...
肘で壁を押しながら肩の可動域を広げる
車輪のポーズなど腕を上げるポーズは肩関節と肩甲骨の柔軟性が鍵。上腕の内側を伸ばして肩の可動域を広げ、腕で押し胸を広げる力も養います。
ドルフィンポーズアレンジ
1. 壁につけたブロックを横向きに持って手幅を固定する。
2. 肘を壁につけて、肘で壁を押しながら胸を下に下げ、二の腕を内側に向ける。腰と背中は90度に。
WORK③:太腿をほぐす
太腿が硬いとラクダのポーズが苦しい...
前腿を伸ばして骨盤を安定
体の前面が硬いと、しなるように反らせないので、このワークで前腿や腸腰筋のこわばりをゆるませて。反り腰を防ぐ骨盤の使い方も練習でき、後屈ポーズが快適に!
仰向けの英雄のポーズアレンジ
1. 長座で骨盤が真っすぐ立つようにし、左脚の膝を折り曲げる。足先をお尻の横におき、割り座になる。
左膝が床から浮かない程度に少しずつ上体を後ろに倒し、前腿を伸ばす。膝などが痛い人は坐骨の下にブロックを敷いて。15〜20 呼吸し、反対も。
2. できる人は上体を床まで下ろす。腰が浮くようなら尾骨を内側にたくし込んで骨盤を後傾させ、腰が反らないように。
3. さらにできる人は、反対の右脚の膝を両手で掴んで、右脚を胸に抱える。両脚でストレッチを深めて。
慣れてきたら、右脚を天井に伸ばし上げる。このとき、ハイヒールを履くイメージで右脚の親指で天井を押すように突き出すと◎。反対も。
WORK④:腸腰筋をほぐす
腸腰筋が硬いと弓のポーズが苦しい...
手で足先を掴めるよう股関節の前面を伸ばす
腸腰筋が縮んで硬いと前面を伸ばすことができず、弓のポーズで腿が上がらず苦しくなります。横隔膜ともつながる腸腰筋がゆるめば呼吸もラクに。
橋のポーズアレンジ
仰向けになって膝を立て、かかとの真上に膝をセットしたら、仙骨の下にブロックを横向きに置く。
左手で左足の甲を掴んだら、左の前腿をじっくりストレッチ。腰は反らないよう注意して。右脚も同様に。
WORK⑤:内転筋を使う
内転筋が弱いと橋のポーズが苦しい...
内腿を寄せる力が背骨の伸びをサポート
背骨が詰まっていると腰で反り、橋のポーズなど脚が開いてしまうと仙骨が圧迫されて危険。内腿を寄せると背骨が引き上がるので、内転筋を鍛えて。
山のポーズのアレンジ
内腿にブロックを挟み、足先は平行にする。ブロックを強く腿で挟むようにぎゅーっと内腿を閉じて、ゆるめる、を5回繰り返す。
横から見ると
内腿を締めると腹筋も入り背骨が立ち上がり、ゆるめるとダランと力が抜ける。
NG
OK
教えてくれたのは...鈴木まゆみ先生
OM yoga正式指導者。長くシンディー・リー氏に師事し、現在もアメリカと日本を行き来しながら学びを深めている。トラムヨガスタジオ主宰。https://tramyogastudio.jp
モデル...池田莉子さん
モデル・ヨガインストラクター。アロマアドバイザー。19歳で指導資格を取得。雑誌や広告、CM、ファッションショーなどで多岐に活躍中。イベントや自身のインスタライブなどでヨガの魅力を伝えている。
莉子さん:ブラトップ¥5,500、ピンクのタイツ¥6,500/すべてナイキ(NIKE カスタマーサービス☎0120-6453-77)
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