熟練ロッククライマーヨギが教える「体幹・バランス・柔軟性」を養う6つのポーズ
ザモラノが考案したこのシークエンスは、運動能力を高めるだけでなく、独創性や自分の体、自分の限界への貴重な洞察をもたらしてくれる。
プラクティスの効果
このシークエンスでは、強い体幹、股関節の柔軟性、バランスのとれた上肢帯(鎖骨と肩甲骨)、さらに安心感が得られる。少なくとも週に3回、クライミングの前後はもちろん、ヨガの練習に変化がほしいときにもやってみよう。
プラクティスを始める前に
準備としてスーリヤ・ナマスカーラ(太陽礼拝) を2〜5回行い、ダウンドッグに入る。
1.板のポーズで体幹を鍛えよう
ダウンドッグから、前に体重を移してプランクポーズに入る。くるぶしの骨から頭蓋骨の中心まで一直線に長く伸ばす。手と足で均等に床を押す。体が左右に傾いていたり、骨盤が前後に傾斜していないだろうか。骨盤をニュートラルに保とう。安定したら、背骨を曲げないようにして長く伸ばし、左右の骨盤の前側を中央に寄せる。この動きによって腹横筋がアクティブになり、腰椎部が安定する。ホールドして長い呼吸を5回。ダウンドッグに戻る。
2.横向きの板のポーズで両腕と肩を調整しよう
ダウンドッグから、右手をやや左にずらして中心線あたりに置く。体の向きを横にして右足の外側で立ち、両足首を重ねる。腰を左に開き、下がらないようにキープ。左腕を空に向かって伸ばす。両脚の内側同士が磁石のようにくっつく様子をイメー ジしよう。この動きが背骨をサポートする。脊柱と肩帯を安定させる外腹斜筋と鋸筋(きょきん。頸椎と胸椎から肋骨に走る上鋸筋と胸椎と腰椎から肋骨に走る後鋸筋から成る) をアクティブにするために、左側の寛骨(骨盤)の前側に向かって右の胸郭で体を巻くようにイメージしよう。肩甲骨の間にスペースをつくるようにし、肩甲骨と鎖骨を広げてキープし、5回呼吸。体重を移動させ、プランクポーズからダウンドッグに戻り、反対側でも同様に行う。
3.立位の前屈でハムストリングをゆるめよう
マットの上で横向きになり、両足を大きく広げて立つ。太腿と親指をやや内側に向ける。仙骨の上で指を組み、両手首をつけずに離しておく。足の四隅で均等に床を押しながら、腰から前屈し、両腕を頭上に伸ばして床のほうへ近づける。手のひらを背中のほうに向けるようにすると、肩の表層筋や筋膜が伸びる。あるいは手のひらを外側に向けて、肩を外旋させてみよう。このポーズでは、こわばった背面(ふくらはぎ、ハムストリング、仙骨まわり、背筋)を開き、筋肉を引っ張ることで緊張を解くことができる。ホールドして5回呼吸したら、ゆっくり上体を起こして立ち、両足をそろえる。
4.片脚の鳩の王のポーズで腰の外側と太腿をストレッチ
ダウンドッグから左脚を上に伸ばす。脚を曲げて前に出し、膝を左の手首の近くに置く。左のすねは太腿とほぼ直角になるように。右の足指を立てて腰を持ち上げ、均等に床に下ろしながら腰の位置を少し後ろにずらす。両肘か額を床につけ、左のすねの上に体を倒してリラックスする。左の腰まわりの筋肉の力を抜くと、後ろに伸ばしている脚の股関節屈筋がゆるむ(これによって登るときに、より高い位置に足を踏み出せるようになる)。少なくとも1分から最大5分までホールドする。ポーズからはなれたら、反対側でも行う。
5.バランス感覚を養う木のポーズ
山のポーズから体重を右脚に移し、ゆっくりと左足を床から浮かせていく。体の中心を意識するために、力んでいたらリラックスしよう。左の足裏を右太腿の内側のできるだけ高い位置につけ(膝より上)、左の腰を外側に開く。足裏と太腿で互いに押し合う。中心軸を見つけ、落ち着いた状態で、片脚でグラウンディングする。ちょうどロッククライミングで、足にしっかりと体重をのせながら登っていくように。力に頼ったり、腕の力で登ろうとすると、くたくたに疲れてしまうだろう。大地に根づいてバランスを見つけよう。ホールドして深い呼吸を5 回。ポーズからはなれて、反対側でも行う。
6.疲れた脚をストレッチする雷のポーズ
例えばロッククライマーの足は、足先を使って登り、さらに足先が細い靴を履くために硬くなりがちだが、このポーズはそれを和らげてくれる。つま先を床に立てて(小指までしっかりと)、かかとの上に座る。5 回呼吸しながら、徐々に体重をあずけていく。ゆっくりと深めていこう。これを毎日3 分間行う。感覚が強すぎたら、前傾して両手を床について、かかとにかかる体重を軽減する。このポーズでは硬くなった足底筋膜と、さらにふくらはぎまわりの結合組織や筋肉をストレッチできる。
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