感染症の流行によるストレスに自分で対処できることとは|臨床心理士が解説
日に日に感染が拡大しているコロナウイルス肺炎。政府からの指示も日を追うごとにめまぐるしく変わり、こういった状況に不安や焦りを感じる方もいるのではないでしょうか。こうした避けられない状況の中だからこそ、自分を守りケアしていくことが今後さらに求められていくでしょう。そんな時に意識しておくとよいことを臨床心理士の視点からまとめました。
生活のリズムを整え、免疫力を落とさないくらしを
ストレスへの抵抗力・免疫力を高めるためには、まずは衣・食・住を整えること。カウンセリングの中でも「悩みや問題と向き合うためには、まずは生活環境を整えることが大切」と考えます。睡眠時間を確保する、バランスのよい食事を心がける、体温調節ができる服装を意識するなど、できるところから始めましょう。
嗜好品への依存に注意
こういった先の見えない状況になると、不安や焦りを対処したいという思いから、いつも以上に飲酒・喫煙・お菓子などに意識が向きやすくなることがあります。適度に取るには良いと思いますが、不安や焦りを嗜好品以外の方法で解消できると良いですね。
ストレスを感じるのは当然のこと
聞き的な状況に置かれた時、私たちは不安・混乱・悲しみ・怒り・恐怖などの様々なストレスを感じやすくなりますが、それは悪いことではありません。むしろ自然な反応なのです。気持ちが沈む、不安に感じる時は、信頼できる周囲の人と話すのもひとつ。「誰に話したらよいか分からない」という人は、厚生労働省が【SNS心の相談】を行っていますし、私設のカウンセリング機関でもオンライン、SNSでの相談できるところなども増えています。まずは気軽に相談してみて。
情報の取捨選択を
テレビやSNS上でも、コロナウイルスに関するニュースが毎日流れており、それを目にすることでの気分の落ち込み、不安や焦りの増幅などがあるでしょう。そういった時はあえて情報を収集する時間を制限し、情報から少し離れる時間を持つのも必要です。精神的なストレスを与えるものから離れるのも、自分を守ることに繋がります。
大変だった時、どう乗り切ってきたか思い出そう
これまでも人生の中で大変だったことは様々あったかと思います。そういった時にどう乗り切ってきたかを思い出してみましょう。その時の経験が今回のストレスとの乗り越え方のヒントになったり「あの時も乗り切ったから今回も頑張ろう」という自分自身への励ましになるかもしれません。
呼吸法やヨガを積極的に取り入れよう
頭の中でぐるぐる考えていても、答えや先行きはなかなか見えづらいもの。そんな時こそ身体を動かすことをオススメします。本格的なものでなくても、家の中でできる範囲のことで大丈夫。例えば、ヨガや呼吸法であれば、ヨガマットがなくてもベッドの上・カーペットの上・イスでなど場所を選ばずにできますし、身体の動き、呼吸の流れに意識を向けていると、その間は不安や焦りと距離を置くことができるでしょう。これを機にヨガをライフスタイルに取り入れてみては?
感染症の流行に対しては、何か特別なことをするよりも「できる範囲の中で上手く付き合っていく」ことが大切なのかもしれません。今後も状況の変化が考えられると思いますが、一緒に乗り切っていきましょう!
ライター/南 舞
臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。
Instagram: @maiminami831
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