規則正しく生活するのは難しい?「心地よく暮らす」ための2つのヒント

 規則正しく生活するのは難しい?「心地よく暮らす」ための2つのヒント
Maiko Kuwako

「幸せなライフスタイルを送りたいなら、”規則正しく生活”をしましょう」けれど、忙しく毎日を過ごす現代人にとって、”規則正しく生きる”ほど難しいことはないのかもしれません。仕事、家事、育児に加えて、自分の時間だって欲しい!欲張りな女性にとって1日24時間って本当はとても短い。「あれもこれも!」と欲張った結果、今日も外食、今日も夜更かし…今でこそ子どものロールモデルになりたいと思い、なるべくヘルシーな生活を心がてはいます。それでも生活を整えることがこれほどまでに大変なんだと思うことも。試行錯誤する中、何となく初めた東洋医学の勉強が、スボラな私でもできる生活の整え方を教えてくれました。

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“規則正しく生活する”とは

そもそも “規則正しく生活する” というのはどういうことなのでしょうか。

行動様式や配列などが、ある規則にきちんと従っているさま。規則的である。 「 - ・い生活」 「 - ・く並んでいる」

引用:weblio辞書

つまり、生活の中にある一定のルールを決めてそれを守るということ。

〈理想的な規則正しい朝の過ごし方の例〉

7時00分: 起床

7時5分: 白湯を飲む

7時15分: 朝ヨガをする

7時45分: 朝食

8時00分: リラックス

一般的に言う規則正しく生活というのは、こういったルーティーンを繰り返すこと。絵に書いたような素敵な朝の過ごし方です。けれど、こんな過ごし方ができる人って、日本にどれくらいの人がいるのでしょうか。仕事をしている人や子どもの送りがある人は、8時にリラックスなんてできません。

例えば、私の朝8時。あと10分で自転車で娘を幼稚園に送るために必死の顔で準備をしているか、朝ごはんの片付けをしているか、テレビを見たがる娘に制服を着せるか、とにかく朝の中で一番忙しい時間です。

不規則な生活のデメリットって?

毎日夜更かし、食べるのはジャンクフードばかり、運動不足で不規則な生活。こんな毎日を送っていれば私たちにとってデメリットしかないというのは気づくかもしれません。でも具体的にどんなマイナスな影響があるのか考えてみましょう。 

生理不順

私は高校生の頃に無理なダイエットをしていたことで、1年間生理が止まってしまったことがありました。不規則な食生活を続けていた結果です。生理不順の原因は、何も不規則な食生活だけでなく、睡眠や運動不足、ストレスなど様々なことが考えられます。けれど、定期的にくるはずのものが来なければ、もちろん将来に影響します。その一つが「子どもが欲しい」と思った時。今の生活だけでなく、これからの生活にも影響を与えかねません。

太る、冷え性など体質を作る

不規則な食生活や運動不足は、太りやすい、冷え性の体質を作ります。かつての私は、痩せていることが全てと思っていました。筋肉を付けることなんてNG。筋肉=重いから太る。それが間違いだと気づいたのはシンガポールに移住してから。適度な筋肉のついた女性たちが颯爽と歩くシンガポールでは、それがどれだけ健康的で幸せなことかということが分かるようになりました。若い頃から、ダイエットしたり筋肉をつくることを拒んでいた私は、太りやすい体質ではないにしろ、南国の地でも冷え性に悩み、決して健康的な体つきではありません。

東洋医学式の生活の整え方

規則的な生活をすることがどれだけ私たちのライフスタイルにとって大切かということは分かります。けれど前述してきた通り、仕事に家事に育児…マルチタスクな女性だからこそ、毎日同じルーティンを繰り返すことは難しい。「こうしなければ」という考えに縛られれば縛られるほど、ストレスもたまります。

東洋医学で考える養生(ようじょう)という言葉を聞いたことはありますか?

養生 (ようじょう)

健康に注意し、病気にかからず丈夫でいられるようにつとめること。健康を保つこと。摂生。 「 -して長生きして下さい」 「 -法」

引用:weblio辞書

東洋医学には、女性の身体(ホルモン)やライフスタイルの変化、また四季に応じた養生方法というのがあります。

女性の身体やライフスタイルの変化に合わせる方法

女性のリズムは一定ではなく常に女性は変化するものです。女性の変化で代表的なものが、月経。生理後の身体が軽い状態であれば運動も積極的にできるし、肌状態だって良い。適度な食生活を送れば、健康的で精神状態も良いものです。それが、生理が近づいてくると、PMSに悩まされたり、生理前に暴飲暴食してしまう女性もいます。肌質も変わったり、食欲は安定しない、身体的にも精神的にも落ち着かない。生理中には、痛みで動けなかったり1日眠たいという女性もいます。

生理以外にも挙げられるのが、女性のライフステージの変化。成人、就職、結婚、妊娠、出産、子育て、更年期に近づけば女性ホルモンが激減し自律神経を崩しやすくなると言うし、まさに女性のライフスタイルは常に変化するもの。確かに、それらを知らんぷりして毎日同じルーティンで生活するのは無理があるような気がします。

四季に合わせる方法

もう一つ挙げられるのが、私たちの身の回りの変化で身体に大きく影響するのが季節の変化・四季です。1年中常夏の国に住んで8年になる私でも、四季の変化は感じます。むしろ日本にいた時よりも、季節を楽しむようになったかもしれません。

季節の変化は、ただ寒い・暑いだけではなく、日の長さ、季節の食べ物など様々な変化があります。

・四季によって睡眠時間を変えてみる

例えば、今の寒い冬の時期は一年の仲でも一番身体が弱まっている時期。数千年前に書かれた漢方の医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」には、冬は「早寝遅起き」が基本とされています。健康的な規則正しい生活と言えば、早寝早起きのイメージ。けれど、東洋医学の観点から見てみるとそれは違ってくるようです。

日の長さというのは、四季によって変化します。そして、四季の変化に合わせて必要な睡眠時間も変わるということなのです。これに合わせて私たちの体内ホルモンのバランスも変わってくるとのこと。

〈東洋医学式・規則正しい就寝時間〉

春の睡眠:早寝早起きが基本。冬の寒さで縮こまった身体に活力を与えるために、睡眠時間は長めに取る。22時前に就寝がベスト。

夏の睡眠:夜更かしOK!23時までの就寝を心がける。朝は早起きが良い。

秋の睡眠:早寝早起き。22時過ぎには就寝したい。日の出が夏よりも遅くなる秋は7時前後に起床が理想的。

冬の睡眠:早寝遅起き。冬は春以降に使うエネルギーを蓄える時期です。

・季節の食べ物を取り入れる

旬の食材というのも、また四季の変化の魅力の一つ。特に日本の食材は本当に美味しいと海外に住んで実感します。最近は、人間の都合で季節関係なしにハウス栽培された食材もたくさん出回っていますが、本当の意味での旬の食材を食生活に取り入れることも生活を整える上で必要なこと。

例えば、お歳暮で人気で、12月上旬には狩られてしまうポンカンの旬は1月。クリスマス商戦のためにハウス栽培されているいちごの本当の旬は春先。本当の意味での旬の食材の方が、熟していて味は美味しいし栄養価も高いんです。

また、寒い時期に旬の食材は身体を温める食材(陽)。逆に暑い時期に旬の食材は身体を冷やす食材(陰)...ということをご存知の方は多いかもしれません。

だから、私たちの住む南国では、トロピカルフルーツという鮮やかな色のフルーツが一年中手に入ります。今日はいつもより暑いなと感じたり、塩分(陽性)の強いお寿司を食べたら、スイカ(陰性)を買ってきて、娘と豪快に食べることもあります。

ただ、大切なのは「中庸」ということ。美味しく身体に良いからって、食べ過ぎてしまえば、身体(内蔵)には負担がかかってしまうし逆効果になってしまうし、塩分の高いお寿司(陽)の食べ物をたくさん食べてしまえば喉がカラカラになってしまうことも。最適なバランスを保ちながら食生活を見直していくことも大切です。

季節に合わせた運動方法

運動もまた、四季の変化に応じて上手に合わせていくのが東洋医学式養生方法です。

〈東洋医学式・四季の運動〉

春の運動:春は内から外へエネルギーを発散される季節。積極的に外に出て、体を動かすようにします。

夏の運動:夏は、運動に一番適した季節。夏もしっかり運動して、体内の熱を外に出すことを心がけます。運動して汗で体内の熱を発散することで、体温が上がりすぎることなく過ごすことができると言われています。ジョギングや筋トレ、またヨガなどもアシュタンガヨガなどハードなヨガがオススメ。

秋の運動:秋に過度な運動をすることで冷えにつながり、風邪をひきやすくなります。ストレッチや陰ヨガなど緩やかな運動を取り入れるようにしましょう。

冬の運動:冬に無理すると春に向けたエネルギーが蓄積されません。また、無理な運動が冷えに繋がることも。日照時間も短くなる冬は、思考がマイナスになりがちな季節でもあります(「冬うつ」なんて言葉も最近あるらしいです)。日中に太陽が出ている間に、リラックスしながら瞑想などするのもいいかもしれません。

バランスが大切

もちろん、朝何時に起きて白湯を飲んで朝ヨガして…という規則正しい生活をすることができるのであれば、それに越したことはありません。それに、私が現在実践している四季の養生が必ずしも、私をはじめみなさんに合うかどうかはまだ未知。こういう考え方もあるんだと、試したかったら実践すればいいし、興味がなければスルーすればいいと思っています。

規則正しい生活を送ることで前提となるのは「そうしなければいけない」という強迫観念を取り除いて、本当にそのライフスタイルが心地よいかどうかということに気づくこと。

もちろん、健康や幸せというのは自分次第でいくらでも良い方向にも悪い方向にいくこともできます。けれど、無理してまでそのライフスタイルを貫き通すことで健康や幸せは手入るとは思いません。

「今日は生理前で身体が重いけど、運動しなきゃ」

「子どもが泣いているけど、身体のために白湯を準備して飲まないと」

「まだ日も昇ってなくて真っ暗で寒いけど、起きないと」

「たまには友達と甘いものを食べて楽しく過ごしたいけど、カラダに悪いし・・・」

無理して、自分のカラダやココロの声に反した行動をしても、マイナスに働くことが多いような気がします。少なくとも、数々の健康法やライフスタイルを取り入れてきた私はそうでした。

日本人は頑張り屋さん。また、情報量が多い現代だからこそ「これが良い!」と言われるとそれが良いんだから努力しないといけないと思ってしまいがちです。けれど、他人にとって良いことが自分にとって一番いいとは限りません。

みんな違ってそれでいい。シンガポール人や外国人の中でたくましく生きる娘を思ってそう思うようになりました。

自分のカラダやココロ、そして一緒に暮らしている家族とのうまいバランスを保ちながら、自分が心地よい生活を過ごすことが、”規則正しい生活” なのだと私は思います。

ライター/桑子麻衣子
シンガポール在住8年のライター/Webクリエイター/ヨガインストラクター(全米ヨガアライアンスRYT200保持)。3歳の娘Emmaと夫と3人暮らし。妊娠、出産、育児を経験しヨガを深めたいとインスタクターの資格を取得。Webメディアを中心に記事を執筆しながら、人にも地球にも優しいサステイナブル(持続可能)な暮らしの実践を目指すウェブメディア「House of Emma」を運営。ヨガの教えに基づいた「誰でもどこでもできる」をキーワードに、それぞれの暮らしに寄り添ったエコフレンドリーなファッション、ビューティー、ライフスタイル、ヘルスケア、旅行の提案をしている。

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