悪い習慣を断ち切る!ヨガの伝統「タパス」で自分の意志を貫こう
悪い習慣を簡単に捨てられたら、誰もが完璧になれるだろう。なかなかやめられないことを手放すには? ヨガの実践を通じて、抜け出せない不安を強い意志に変えることができる。さあ試してみよう。
タパスとは何か
ヨガの伝統では、自分の意志を貫くカギはタパス、つまり自己律にある。熱するという意味のサンスクリット語「タプ(tap)」に由来するタパスとは、自制や浄化で悪い習慣を焼き払うことだ。自分の足元に、そして内面に火をつけるのだ。
ヨガで「自制の力」を鍛える
タパスは実際に体に熱を生み出す場合もある。たとえば、弱さを強さに変えるウトゥカターサナ(椅子のポーズ)の練習では燃えるような感覚があるだろう。心理的なレベルでは、タパスはより隠喩的な解釈となる。しみついた習慣を頑張って断ち切るときに生じる摩擦や抵抗がそれだ。「ある習慣的なパターンを新しいものに差し替えるときに生まれる不快感がタパスなんだ」とニコライ・バックマンは言う。デンバー在住のサンスクリット学者で、『The Path ofthe Yoga Sutras: A Practical Guide to the Core of Yoga』の著者だ。B・K・Sアイアンガーなどのヨガの偉大な指導者たちは、自制が成長や変革をもたらすという一見シンプルな概念がどれだけパワフルであるかを理解していた。ヨガのバイブルといわれるアイアンガー師の著書『Light on Yoga』にも書かれているように、「建設的努力のすべてがタパスの練習である」のだ。
ここでいい知らせがある。ヨガ哲学で説かれる行動指針、5つのニヤマのひとつであるタパスは、簡単に行えるのだ。たとえば、2017年からは毎朝瞑想を練習する、と決めたとしよう。初めの数週間から数ヵ月の間は、目を覚ました瞬間にスヌーズボタンを押してしまう日があるかもしれない。だが、頑張って起き上がり、瞑想用のクッションに座り、練習の効果を感じられるようになると、新旧の習慣の間で摩擦はあっても、次第にもっと寝ていたいという欲求はおさまり、より楽に早く健康的な習慣が根付くようになる。このように少しずつ根気強く努力すれば、マイナス思考のひとり言や、過食、しみついた不健康な反応など、好ましくない習慣を手放せる、と語るのは、カリフォルニア州サクラメント在住の臨床心理学者で、ヨガティーチャーのマーラ・マクマホンだ。「辛さと折り合えるようになることで、私たちは成長できるの。私がタパスという言葉を特に用いなくても、患者たちが日常の中でタパスを行うようになると、みんな成長して変わっていくわ。それに、実践すればするほど簡単になるの」
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