理学療法士が推奨!下半身の筋力を上げるたった1つのゴールデンエクサとは
たった1つのエクササイズとは?
下半身の筋力を向上させるたった1つのゴールデンエクササイズ、ズバリ、それは「スクワット」です!
ヨガのアーサナでいうと、ウトゥカターサナ(椅子のポーズ)と、ウールドゥヴァハスターサナ(手を上にあげるポーズ)の繰り返しといったところでしょうか。「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれているスクワット。大腿四頭筋の強化に最も優れているともいわれています。安定した体幹とともに、股関節と膝関節の屈曲伸展を協調的に行わないとできない、総合的なエクササイズです。スクワットは、先述した3つの主要な筋肉はもちろんのこと、大腿四頭筋を使う時に同時に働くハムストリングスや、下腿三頭筋、体幹を安定させるための脊柱起立筋群や腹筋群・・・と、全身の筋肉を使います。だからツライ。ツライから嫌われるエクササイズです。でも、全身の筋肉をまとめて全部使えることこそ、スクワットの魅力であり、「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれる理由です。そういう意味では、スクワットに代わる種目はないと言ってもいいでしょう。
スクワットにも実に様々なバリエーションがあります。今回はその中でもスプリット・スクワットを紹介したいと思います。
スプリット・スクワットをやってみよう
ヨガのアーサナでいうと、「ハイランジ」のバリエーションといったところでしょうか。
方法は、足を前後に広めに開き、後ろ脚の膝を床に近付けるイメージで両膝を曲げながら腰を沈めます。背中は床から垂直のまま、息を吐きながら3秒かけて沈み、吸いながら3秒かけて元の姿勢に戻ります。左右10回ずつを3セット行いましょう。
両手の位置は、写真のように腰に添える、胸の前でクロスする、頭の後ろで組む、天井に伸ばす、の順に難易度が上がるので、選んでおこなってください。通常のスクワットよりも、スプリット・スクワットのほうが、歩行や走行、階段昇降などの日常動作に近い股関節の使い方をしますし、スポーツなどの応用動作にもつながりやすいです。また、通常のスクワットよりも深くしゃがめるので、深くしゃがむほど太腿の膝上の部分(遠位)だけでなく、内転筋や太腿の鼠径部の辺り(近位)にも効きます。そして、左右の下肢が同時に異なった動作をするため、体幹を安定させるためのコントロールがより必要になります。
他にも、筋肉には様々な収縮様式がありますが、しゃがんでいく動作の時に、前脚の大腿四頭筋と大殿筋は遠心性収縮、腸腰筋は求心性収縮が起こります。一方で後ろ脚は、大腿四頭筋と大殿筋は求心性収縮、腸腰筋は遠心性収縮が起こります。このように、前脚と後ろ脚とで、同じ筋肉でも異なった筋肉の活動を起こすことが可能です。しゃがんだところで静止してキープすれば、等尺性収縮ですよね。
そしてもう一つ、これは私の見解ですが、日本人の座りっぱなしの時間の長さが問題視されていることについては、以前コラム「オフィスで簡単ヨガ」でお伝えしました。座位姿勢は股関節をずっと縮めた状態(屈曲位)なので、股関節を反対方向に伸ばす(伸展)動きが必要です。これは歩行でも必要な動きです。ですので、股関節を屈曲位で鍛える通常のスクワットでなく、後ろ脚の股関節を伸展位で鍛えることのできるスプリット・スクワットを今回選びました。
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