崩れたヨガポーズは効果なし?ポーズを正す「土台」を見直そう
「体が硬い人ほど、アライメント(ヨガポーズにおける体の各部のポジション)を重視したヨガがいい」と語るのはヨガインストラクターの柳本和也先生。彼が考案した練習法アサナマンダラ流、硬さ克服の秘訣は「土台を意識」すること。その極意とは?
土台を意識すると硬い人でもアライメントが整う
ポーズの完成形に気を取られ、ベースが崩れているのにどんどん先へ進もうとするとポーズ本来の効果が得られず、また体の柔軟性も育まれません。伸ばしたい方向とは逆向きに、土台=アンカー(錨)を下ろす意識を持つと、ポーズの要となる土台が安定します。
ウールドゥヴァハスターサナでアンカーを確認!
足裏を感じてしっかり床を踏むことで下向きの力が加わり、伸びがより深まる。
POINT:体重が外に逃げると体幹が抜けるので、拇指球と内側のかかとで床を踏む意識を。
NG:アンカーを意識しないと肩まわりが詰まる
手を上げることに気を取られ、あごが上がり、肩まわりが詰まった状態に。下半身や体幹の力が抜けてしまっている。
「土台の意識」ができているか3つのヨガポーズで確認しよう
ウッターナーサナで確認
背骨を伸ばしたまま床を踏み続ける
膝を曲げて両手ですねをつかみ、背骨を前方に伸ばしてキープ。しっかりと両脚で床を踏むことで、脚の背面のハムストリングや腰が伸び、背骨を真っすぐ保ったまま体が前に倒れていく。
POINT:床を踏み続けることで、背骨が伸びた状態で前屈できる
これでもOK!
下半身の柔軟性が増したら、 背骨を伸ばしたまま両手を伸ばして前方についてキープ。 真っすぐな背骨が保てるところまで手を脚に近づけていく。
NG:体が硬いと腰や背中が丸まっている
とにかく体を前に倒すことを優先しすぎて、背骨が丸まっている。重心が後ろにかかってつま先が浮き、足で床を押せていない。
練習を続けていると
股関節が屈曲し、上半身、下半身共に伸びた状態でポーズを維持できるように。
トリコナーサナで実践
上体を真横に倒し股関節を真横から刺激する
後ろ脚をしっかり床に根づかせることで、股関節が自然と開いていく。上体は、体が真横に倒れる位置でキープすることを優先し、手はすねや膝など、つきやすいところにおく。
POINT:後ろ脚をアンカーにするから、前の股関節が開く
NG:体が硬いと骨盤が閉じて上体が落ちる
股関節が硬いと体が前に倒れ、アンカーになるはずの後ろ脚で踏ん張れない。骨盤が閉じてしまうため、上半身も伸びづらくなる。
パリヴルッタウパヴィシュタコーナーサナで実践
坐骨を意識し続けるとポーズが深部に効く
体を倒したいほうとは逆の坐骨が床に根づく意識を持ち続けながら、少しずつ体を倒していく。見た目にはそんなに深くポーズに入っていないように見えても、実際は体の奥からピンポイントで筋肉が伸ばされている。
POINT:反対側の坐骨と脚を床に根づかせるから、倒れる力が生まれる!
NG:体が硬いと反対の坐骨が浮き土台が崩れる
体を倒した側と逆の坐骨が浮くと、アンカーが効かないため体はどこまでも倒れるが、お尻まわりは伸びない。下の体側も縮んでしまう。
後ろから見ると
坐骨が浮いている。
練習を続けていると
両坐骨が床に安定したまま、上体が真横に倒れる。坐骨で押すとともに、両脚を押し続ける意識も大事!
教えてくれたのは…柳本和也先生
ヨガ講師、udaya yoga studio主宰。バリ島でヨガに出会い、アシュタンガヨガの権威ケン・ハラクマ先生に師事。アシュタンガヨガのほかオリジナルメソッド、アサナマンダラも指導。
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