科学的に検証!ヨガがアスリートにもたらす効果とは?

 科学的に検証!ヨガがアスリートにもたらす効果とは?
Yoga HAWAII Magazine
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バランス感覚の向上

バランスを保つには、体性感覚系と前庭神経を協調させる必要がある。ハタヨガアーサナの多くは目を閉じて行うため、体性感覚と前庭神経は互いの異なる情報を調和させようと共に働く。この情報の不一致により、脳と筋肉はどのような体勢でもバランスを保てるように鍛えられるのだ。

また運動制御(モーターコントロール)と体幹の安定性も、バランス感覚や四肢の協調的な運動機能には欠かせない。体幹を鍛えると運動のパフォーマンスが向上し、反応時間の増加やケガの防止にもなることはよく知られている。定期的にハタヨガを練習する人の多くは、体幹や姿勢のコントロール機能が向上する。男子大学生のアスリートたちが定期的に3か月間ヨガを練習した結果、バランス感覚と体幹コントロール機能が著しく改善されたという最新の研究報告もある。

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Photo by Yoga HAWAII Magazine

集中力や気分の改善

瞑想による心理的な効果については、西洋の科学的、医学的な研究者たちの間でも広く知られている。ヨガを瞑想の一つと捉える人も多い。ハタヨガでは最後に屍のポーズシャバーサナ)を行う。その10分の間、ヨギーたちは仰向けに横たわってインストラクションを受けながらマインドフルな瞑想を行う。研究者たちがシャバーサナ中のヨギーたちの脳波を測定したところ、アルファー波、ベータ波、シータ波それぞれに増加が見られた。これらの脳波が増加すると、認知力や短期・長期記憶が改善され、幸福感の持続や不安感の減少につながる。ある研究では、短く鋭い呼気を繰り返すカパラバティ呼吸法を5分間実践しただけで、アルファー波とベータ波が増えたという。この2つの脳波が増えると、集中力が増し、タスクからタスクへの切り替えも上手く行えるようになる。

ハタヨガには、痛みの認知を司る脳の領域である島皮質の灰白質密度を増やす効果もある。長期にわたって定期的にヨガの練習をしている人は暑さや痛みへの耐性が高くなる傾向にあるため、ハードなワークアウトが要求されるアスリートたちにとっても有益だろう。また、ストレス時に分泌されるホルモン、コルチゾールについても、ヨガ練習生たちの血中濃度は非常に低い。コルチゾールが抑制されると、クリアで冷静な決断力や精神的な安定感がもたらされる。競技でプレッシャーにさらされるアスリートにとっては、冷静さを保つ助けになるだろう。

ミーガン・エドガー
アルペンスキーヤー、マウンテンバイカー、バックパッカー、アウトリガーパドラーである。これらの運動のパフォーマンス向上のために、定期的にヨガの練習を続けている。マウイ在住の彼女はグループサイクリングのクラスで科学やダンスを教え、フリータイムは読書をしたり、星を眺めて過ごしている。

ヨガハワイマガジン/「Yoga and the Athelete

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by Megan Edgar
translation by Sachiko Matsunami



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