カッとなって後悔する前に「強い怒りをコントロールする8つの方法」
なぜ怒りのコントロールは大変なのか
なぜ、怒りのコントロールは大変なのでしょうか? 他の感情とはうまく付き合えても怒りばかりは難しいと悩んでいる方もいると思います。怒りは扁桃体が関係しています! 「扁桃体」とはストレスや不安や恐怖など強い感情と関連する脳の部分です。
外部からストレスを受けると扁桃体が活性化します。通常は、前頭前皮質が扁桃体を抑制するのですが、前頭前皮質がうまく働かないと扁桃体が活性化されたままになります。例えば、体調不良、寝不足、お酒、薬物によっても、この前頭前皮質のブレーキは効きにくくなります。
怒りが強すぎるときの8つの対処法
怒りを分析したり、怒りについて考えたりと、認知的な対処法はたくさんあります。しかし、怒りが強すぎる場合はなかなか客観的になれないし、考えている余裕がありません。まずは、強すぎる怒りをある程度のレベルまで鎮めましょう。
1.腹式呼吸法
腹式呼吸で副交感神経を優位にすることで強すぎる怒りを鎮めることができます。吸う息より吐く息を長く、意識して行います。なるべく鼻呼吸で、しっかりとお腹を動かすことがポイントです。
2.筋弛緩法
身体にぎゅーっと力を入れてから、だらんと脱力するリラクゼーション法です。力を入れる時は、握りこぶしを作り、腕を曲げ、肩も持ち上げ、顔のパーツもぎゅーっと中心に集めます。精一杯力を入れたら、だらんと全身の力を抜き脱力します。
3.数を数える
怒りを感じた時に何かの数を数える方法もおすすめです。例えば、「青いもの」を探し、数を数える。相手の洋服のボタンの数を数えるなど、何を数えるかはあらかじめ決めておきましょう。
4.イメージ法
自分の気持ちが和らぐイメージを持っておきます。例えば、ふわふわもふもふのクッションをハグするイメージや、宇宙から自分を見下ろすイメージなどです。
5.魔法の言葉
魔法の言葉を用意しておき、怒りを感じた時に眺めたり、思い浮かべます。例えば、「短気は損気」「怒りは人間関係を破壊する」など、スッと落ち着けるような、ハッとさせられるような魔法の言葉を用意します。
6.タイムアウト
その場を離れてしまう方法です。場面が変わることで気持ちも切り替わりやすくなります。あらかじめタイムアウトする場所を用意しておきましょう。例えば、怒りを感じたら「トイレに行く」「書庫にいく」など、自分が落ち着けるような場所を選びます。
7.香り
嗅覚は記憶との結びつくが強く、香りを嗅ぐことで過去の記憶やそれに伴った感情が蘇ってきます。自分にとって落ち着く香りや、怒りを和らげてくれるような過去の記憶と関連した香りなどカバンに忍ばせておくこともおすすめです。
8.身体にアプローチ
身体にアプローチする方法もおすすめです。イライラした帰り道は、カラオケに行って大声で歌ったり、走りに行ったり、ジムで筋トレをしても良いでしょう。もちろんヨガもおすすめです。「獅子のポーズ」は怒りに効くと、ネパール留学中にヨガの先生から教えてもらいました。
怒りのコントロールは難しいものです。今回ご紹介した方法を試してみて、ぜひ自分に合ったお気に入りの対処法を見つけてください。
ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。
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