巻き肩&猫背を解消!ガチガチの上半身をラクにするポーズ4選

 デスクワーク女子に多い巻き肩や猫背を解消する方法
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こういったアンバランスのパターンは、新しく発見されたものではない。これは、1970年代後半にチェコの医師で、理学療法士であるウラジミール・ジャンダ医学博士が最初に見つけ出し、2000年代始めに、セントルイスのワシントン大学医学部で理学療法の教授を勤めるシャーリー・シャーマン博士によってより明確に定義されたものだ。とはいえ、米国内のスポーツ医学のコミュニティでこの考えが広く注目を集めるようになったのは、ここ数年のことに過ぎない。関心を寄せるのは、大部分が理学療法士や、エクササイズの専門家だ。アンバランスに関わりうる筋肉の組み合わせは大変複雑だが、その主な原因は単純で「長時間、悪い姿勢のまま座っていること」にあり、これはアメリカ社会の至るところで見られるものだ。
すべては、身をかがめて首を前に突き出し、肩を丸め、お腹とお尻をゆるめた姿勢で座ってコンピューターの画面を見つめるところから始まる。つまり、上半身が前かがみになり、下半身が落ち込んでいる姿勢だ。朝から晩までこのパターンの姿勢でいると、特に肩や背中の慢性的なケガの根本的原因となりやすい、筋肉のアンバランスが生まれてしまう。
「こういった筋肉のアンバランスを理解できるようになると、ヨガのポーズの本質が分かってくる」とロング博士は言う。「正しいアラインメントでポーズをとると、硬く、使い過ぎの傾向にある筋肉のストレッチと、弱く十分に使われない傾向にある筋肉の強化を同時に行うことができるんだ」。だがヨガは、無意識にプラクティスをしていると、アンバランスをさらに助長するものでもある。胸をストレッチするカウンターポーズや、コアを強化するエクササイズなしにチャトランガダンダーサナ(四肢で支える杖のポーズ)を頻繁に行ったりすると、肩関節が圧迫されるように。
上位交差症候群(前かがみの姿勢)について、またヨガがどのようにアンバランスの進行を止め、ケガを予防するのかを理解して、筋力の正しいバランスを保つようにしよう。

上半身の筋力のアンバランスについて理解しよう

肩は丸まり、首は前に突き出し、目はコンピューターの画面に釘付けになっている、オフィスの机にいるときの自分の姿を思い描いてみよう。表向きは穏やかに集中しているように見えるその姿は、実際に体の中で起きていることを正しく伝えてはいない。肩を丸め、上腕骨を内旋する筋肉(肩甲下筋、大円筋、三角筋前部)、腕と肩を前に押し出す胸の筋肉(大胸筋、小胸筋)、頭を前方に固定する首の後ろと横の筋肉(肩甲挙筋、斜角筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋上部)といった筋肉は、すべて使い過ぎで硬くなっている。同時に、上腕骨を外旋する筋肉(棘下筋、小円筋、三角筋後部)、肩甲骨を安定させ、背中の下の方に下げる筋肉(前鋸筋、菱形筋、僧帽筋中部・下部)、頸部深層屈曲筋(頭長筋、頸長筋)は十分に使われておらず、弱くなっている。

これに似たりよったりの姿勢で週5日、9時から5時まで過ごしていたら、体に問題が起こる。将来の首の痛み(画面を覗き込もうと頭を前方に突き出すと、首の関節に圧力がかかる)について、あるいは、肩の筋肉や腱が締め付けられ、滑液包と呼ばれる液体の入った小さな嚢胞が炎症を起こし、痛みを発するインピンジメント症候群のような回旋筋腱板の問題について考えてみるといい。慢性的に刺激されることによって、最終的に回旋筋腱板が断裂を起こすことすらあるのだ。

4つの療法ポーズを行って、上位交差症候群によって十分に使われず、弱まる傾向にある筋肉を強化しながら、使い過ぎて硬くなる傾向にある筋肉を伸ばすようにしよう。

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Story by Hillari Dowdle
Photos by Rick Cummings
Poses by Raylong,Md
Model by Raj Seymour
Translated by Yuko Altwasser
yogaJournal日本版Vol.41掲載



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