ストレスと肩こり、意外と関係が?メンタルヘルスの観点で考える、肩こりの原因と解消法|心理師が解説
肩こりに悩んでいませんか?肩こりは姿勢や生活習慣など様々な原因がありますが、ストレスと肩こりにも密接な関係があります。ストレスは心理的な要因でありながら、身体に大きな影響を及ぼします。今回はメンタルヘルスの観点から肩こりの原因や解消方法、有効なヨガポーズを解説します。
なぜストレスと肩こりが関係するの?
1. ストレスが筋肉を緊張させる
ストレスを感じると、体は「戦うか逃げるか(Fight or Flight)」と呼ばれるストレス反応を起こし、自律神経系が活発化します。この際、交感神経が優位になり、肩や首などの筋肉が無意識に緊張します。戦ったり、逃げたりする時は筋肉を使う必要があります。そのため自然な反応として筋肉の力が入ってしまうのです。しかし、この緊張が長時間続くと、血流が悪化し、筋肉の疲労が蓄積されるため肩こりが生じます。
2. 姿勢の悪化による影響
ストレスを感じると、身を守るために無意識のうちに猫背や前かがみの姿勢になりがちです。これにより、肩や首の筋肉に余計な負担がかかり、肩こりが悪化することがあります。
3. 血行不良と酸素不足
ストレスは血管を収縮させるため、肩や首の筋肉に十分な酸素や栄養が届かなくなります。この状態が続くと筋肉が硬直し、肩こりを引き起こします。
ストレスを軽減する方法
ストレスが原因で肩こりになっている場合、ストレスの原因を取り除くのが1番です。しかし、ストレスの中には解決できないものがたくさんあります。その場合は、根本解決ではありませんが、ストレス解消を積極的に行うことや肩こりが起きづらいように適宜筋肉を緩ませることが有効です。
リラックス法を取り入れる
瞑想、呼吸法、ヨガなどのリラクゼーション法でストレスを和らげる。
適度な運動
肩回しや軽いストレッチで筋肉の緊張を解消する。
良い姿勢を保つ
デスクワーク中は正しい姿勢を意識し、定期的に体を動かす。
温める
日頃から身体を冷やさないような工夫をし、入浴で血行を促進する。
休息を取る
質の良い睡眠や趣味の時間を確保して心身をリフレッシュする。
ヨガポーズで肩こり改善する
紹介するヨガのポーズは、肩周りの筋肉をほぐし、血流を促進するのに役立ちます。初心者でも取り組みやすい動きなので、無理せず行ってみてください。
1. 猫と牛のポーズ
1. 両手と両膝を床につけ、四つん這いの姿勢になります。
2. 息を吸いながら、背中を反らせて胸を開き、顔を天井に向けます
3. 息を吐きながら、背中を丸め、あごを胸に引き寄せ、目線をおへそに持っていきます
4. この動きを数回繰り返します。
2. チャイルドポーズ
1. 正座の姿勢から、上半身を前に倒して両手を前方に伸ばします。
2. 額を床につけ、肩や背中の力を抜きます。
3. 深呼吸しながら数分キープします。
3. 糸通しのポーズ
1. 四つん這いの姿勢をとります。
2. 右腕を左脇の下にくぐらせ、肩と側頭部を床につけます。
3. 左手はそのまま前方に伸ばすか、天井に伸ばすか、背中に回してさらにストレッチを深めます。
4. 20〜30秒キープしたら反対側も同様に行います。
4. 鷲のポーズ
1. 座った姿勢で両手を前に伸ばします。
2. 右肘を左肘の下に交差させ、両手を絡めます。
3. 息を吸いながら腕を持ち上げ、吐きながら腕を前方に倒します。
4. 20〜30秒キープしたら、反対側も行います。
ヨガをする際の注意点
*無理にポーズを深めず、自分が心地よい範囲で行いましょう。
*痛みがある場合はすぐに中止し、必要なら専門家に相談してください。
*毎日のルーティンに取り入れることで、肩こりの軽減とリラクゼーションにつながります。無理のない範囲で継続しましょう。
AUTHOR
石上友梨
大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。
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