【人体から食品パッケージ由来の3,600種類以上の化学物質が検出!】研究により明らかに


食品パッケージ、キッチン用品、食品加工機器など、食品と接触することが承認されている3,600種類以上の化学物質が人体から検出されていることが新たな研究結果で明らかになり、有害物質への暴露リスクがほとんど規制されていないことが浮き彫りになった。
3600種類以上の食品パッケージ由来の化学物質が人体から検出
この研究では、食品との接触が許可されている約14,000種類の化学物質を明らかにし、それぞれの化学物質の人体への蓄積のエビデンスをデータベースや学術文献で調査した。人間は他にも多くの状況で化学物質にさらされているため、この研究は食品パッケージが唯一の要因であると示唆するものではない。
結果、人間の尿、血液、母乳から3,600種類以上の食品と接触が承認されている化学物質が検出された。その中には非常に有毒であることが知られている化合物である、PFAS、ビスフェノール、金属、フタル酸エステル類、揮発性有機化合物なども含まれている。その多くは、がん、ホルモン異常、その他の深刻な健康上の問題と関わるものである。
食品と接触する数千種類の化学物質が一度も検査を受けていない
多くの化学物質が憂慮すべきものであることが知られている一方で、数千もの化学物質において毒性テストが一度も実施されていない。人間は食品を通じてこれらの化学物質にさらされることがわかっているが、食品と接触するすべての化学物質への人間の暴露の全容は不明である、と著者らは記している。米国では、米国食品医薬品局(FDA)により、多くの化学物質がごく限られた審査のみで承認されている。現状の規則では、食品と接触する化学物質の使用について、FDAの審査はほとんど必要ない。そして、米国の法律では、食品と接触する化学物質は承認された後は、FDAによる新たな科学的知見の検証を求めていない。
化学物質への暴露を減らす方法
プラスチックやPFASなど健康に影響を与える化学物質に関する研究を行う、ニューヨーク大学ランゴン医療センター助教授リンダ・G・カーン博士は、食品に接触する化学物質への暴露を減らす方法をいくつか挙げている。
- 加工度の低い食品を購入する。
- 野菜、果物、肉はシュリンク包装(熱を加えることで収縮するプラスチックフィルムを使った包装)のものは避ける。
- 使い捨て容器に入れた食品を電子レンジで加熱しない。加熱すると、パッケージ製品から食品に化学物質が溶け出しやすくなる。

また、ガラス容器入りの食品を購入することで、自らを守ることもできる。一般的にガラス容器には化学物質があまり含まれていない。この分野の研究者の中には、ガラス容器をレストランに持参し、持ち帰りの際はそれを使用する人もいるという。また、買い物後はプラスチック容器から食品を取り出し、自宅でガラス容器に移し替えることで、化学物質がパッケージから移行する時間を短縮できる、とこの研究の筆頭著者ビルギット・ゲウケ博士(非営利食品包装安全財団フード・パッケージング・フォーラムの上級科学責任者)は話す。しかし、ゲウゲ博士は「化学物質を完全に避けることはできない。」と言い、解決策はより厳しい規制であると述べている。

出典
https://www.theguardian.com/us-news/2024/sep/27/pfas-toxins-chemicals-human-body
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