【最新研究が示唆】「キシリトール」が心臓発作と脳卒中のリスク上昇に関連している?!

 【最新研究が示唆】「キシリトール」が心臓発作と脳卒中のリスク上昇に関連している?!
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山口華恵
山口華恵
2024-07-03

近年、健康志向の高まりに伴い、砂糖の代替品として注目されているキシリトール。しかし、その安全性について再び疑問が投げかけられている。最新の研究によると、キシリトールが心臓発作や脳卒中、さらには心血管系関連の死亡リスクを増加させる可能性があるという。

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そもそも「キシリトール」とは?

キシリトールは、果物や野菜に少量含まれる糖アルコールで、人体でも自然に生成される。砂糖に似た特徴を持ちながらも、カロリーは約40%少ない。ガムやキャンディ、歯磨き粉、焼き菓子など、とりわけ「無糖」や「低カロリー」を謳った製品に多く使用されている。また、ケトジェニックダイエット用の食品にも頻繁に利用されている。

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心臓発作、脳卒中、心血管関連の死亡リスクが約2倍

米オハイオ州にあるクリーブランドクリニックの研究チームが行った最新の研究では、キシリトール摂取と心血管リスクとの関連が明らかにされた。この研究は、3000人以上の参加者の血液中の自然発生するキシリトールのレベルを測定し、その後3年間にわたって追跡調査を行ったものだ。結果として、血中キシリトールレベルが上位25%に位置する人々は、心臓発作、脳卒中、または心血管関連の死亡リスクが約2倍に増加することが明らかになった。

さらに、研究チームはキシリトールの摂取が血小板を活性化させることを発見した。血小板は血液の凝固を制御する成分であり、その活性化は血栓形成を促進する。血栓は心臓発作や脳卒中の主要な原因だ。研究では、マウスにキシリトールを与えたり、ヒトの血液や血漿にキシリトールを加えたり、健康なボランティア10人にキシリトールを含む飲料を摂取させたりした。その結果、すべてのケースで血小板の活性化が確認された。

研究チームのリーダーであるスタンリー・ヘイゼン博士は、「キシリトールが血小板と短時間接触するだけで、血小板が活性化し、血栓を形成しやすくなる」と述べている。この現象は、キシリトールを摂取してから数時間以内に発生し、心血管疾患のリスクが著しく増加する可能性を示している。

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代替甘味料の利用が一部の人々にとって有益であることも

一方、ミネソタ大学の食品科学・栄養学の教授であるジョアン・スラビン博士は、「この研究は興味深いものであり、懸念を引き起こすが、通常の範囲の少量摂取であれば消費者は恐る必要はない」と述べている。心血管リスクが高い人々は注意が必要かもしれないが、適度な量であれば、大きなリスクを伴わないとも考えられる。また、キシリトールなどの代替甘味料の使用については、消費者がリスクと利益を天秤にかけて判断する必要がある。例えば、肥満や高カロリー摂取は心臓病や脳卒中のリスクを増加させるため、代替甘味料の利用が一部の人々にとって有益であることも事実である。最終的には、消費者自身が自分の健康状態やライフスタイルに合わせて判断することが重要だ。

出典:
Common sugar substitute linked to increased risk of heart attack and stroke

Artificial Sweetener Xylitol Linked to Increased Risk of Heart Attack and Stroke

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山口華恵

山口華恵

翻訳者・ライター。大学卒業後、製薬会社やPR代理店勤務を経て10年間海外(ベルギー・ドイツ・アメリカ)で暮らす。現在は翻訳(仏英日)、ライフスタイルや海外セレブリティに関する記事を執筆するなど、フリーランスとして活動。趣味はヨガとインテリア。



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