【食品添加物】炭酸飲料に含まれている甘味料って?知られざるメリットや種類について管理栄養士が解説
炭酸飲料やお菓子などの加工食品には甘味料が使用されています。近年では、砂糖以外の甘味料が卓上の調味料としてスーパーなどで販売されていますが、甘味料はどのようなメリットや役割があるのかご存じではない方もいらっしゃるかもしれません。 そこで、今回は甘味料のメリットや役割、甘味料の種類などを紹介していきます。
甘味料って何?砂糖の代わりに甘味料が使用される理由
甘味料は食品に甘味をつけるために使用される食品添加物です。甘味のある食品といえば砂糖のイメージが強いですが、なぜ甘味料という食品添加物が存在するのでしょうか。
砂糖は食品に含まれている酵母の栄養源になりやすく、その酵母が繁殖することで食品の劣化につながる恐れがあるといわれています。そのため、食品の劣化を防ぎ品質を保持するために甘味料が使用されているのです。甘味料は保存性を高めるというメリットがあるということですね。
保存性を高めるだけじゃない!甘味料が持つメリット
甘味料は保存性を高めて劣化を防ぐだけではありません。近年では、肥満や虫歯などの予防を目的として砂糖の代わりに甘味料が使用されています。そこで、保存性を高める以外のメリットをご紹介します。
低カロリー
甘味料は砂糖と同じくらいの甘味もしくはそれ以上の甘味があるにも関わらず、砂糖よりも「低カロリー」であることが特徴です。つまり、砂糖を摂るよりも甘味料を摂る方がカロリーを抑えることができるのです。肥満は食べ過ぎによるカロリーの過剰摂取が主な原因となるため、甘味を好んで砂糖などでカロリーを摂りすぎている人にとって甘味料はダイエットのサポートになるかもしれません。
虫歯になりにくい
甘味料には「低う蝕性」という虫歯になりにくい性質があります。虫歯は菌によって歯に穴が開いてしまう病気のことです。口の中にある細菌は砂糖を餌にして活発になり歯の表面にあるエナメル質を溶かす酸をつくることで、歯に穴が開いてしまうのです。つまり、砂糖を摂り過ぎている場合は、虫歯のリスクが高まる恐れがあります。甘味料は虫歯の原因となる菌の餌になりにくく菌の増殖を防ぐはたらきがあるため、虫歯予防として役立つといわれています。
このように甘味料は保存性を高めるだけではなく、低カロリーで虫歯になりにくいというメリットも持っています。
代表的な甘味料の種類を紹介!
ここからは、実際に使用されている主な甘味料をご紹介します。甘味料は大きく分けると糖質系甘味料と非糖質系甘味料の2種類に分けられます。この2種類は、以下のようにさらにいくつかの種類に分けられています。
・糖質系甘味料・・・砂糖、でんぷん由来の糖、その他の糖、糖アルコール
・非糖質系甘味料・・・天然甘味料、合成甘味料
天然甘味料は植物の葉や果実などに含まれている甘味成分を抽出したものであり、人工甘味料は化学物質を合成してつくられるものです。今回はこの二つをメインに代表的な甘味料を紹介します。
・アスパルテーム:
人工甘味料の一つであり、甘さは砂糖の約200倍で爽やかな甘さがあります。主に、飲料や卓上の調味料などに使用されています。
・サッカリン:
人工甘味料の一つであり、砂糖の500倍の甘さで極めて強い甘味があります。主に、漬物やしょうゆ、缶詰などに使用されています。
・カンゾウ抽出物:
天然甘味料の一つであり、カンゾウという植物から抽出したものです。甘さは砂糖の約200倍で、塩味を和らげたり旨味を引き出したりすることにも役立ちます。主に、しょうゆやみそ、漬物などに使用されています。
・キシリトール:
糖アルコールの一種で、いちごやカリフラワーなどの果物や野菜にも含まれているものです。甘さ、カロリーともに砂糖と同じ程度あります。虫歯予防の効果があります。主に、チューイングガムやキャンディーなどに使用されています。
甘味料をはじめとする食品添加物は、厚生労働省が科学的データに基づき評価し、食品ごとに使用量や使用基準を定めています。厚生労働省の調査によると、食品添加物の摂取量は健康への影響がないとされる量よりも下回っていると報告されています。そのため、私たちの食生活では食品添加物を摂り過ぎている可能性は低く、健康への影響は少ないと考えられます。しかし、低カロリーであるからといって甘味料を摂り過ぎるとカロリーの過剰摂取となる恐れがあるため、他の食品と同じように摂り過ぎないように注意しましょう。
今回の記事で甘味料の役割や種類を知ったうえで、上手に活用していただければと思います。
参考文献:
東京都福祉保健局「用途別 主な食品添加物 甘味料」
独立行政法人 農畜産業振興機構「砂糖以外の甘味料について」
厚生労働省 「食品添加物 よくある質問(消費者向け)」
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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