3分で効果を感じる!前屈がグッと深まる「アクセル筋」と体の使い方【体が硬い人のための練習法】

 3分で効果を感じる!前屈がグッと深まる「アクセル筋」と体の使い方【体が硬い人のための練習法】
本田雄介
本田雄介
2024-04-13

柔軟性が不足している人ほど、体の動きに対して「ブレーキ」をかけてしまいがちです。ストレッチなどで筋肉を伸ばして柔軟性をアップさせるのが基本ですが、前屈をより深めていくには、筋肉という「アクセル」も必要なんです。ポイントとなるコツをご紹介します。

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柔軟性以外も必要な理由

私たちの日常動作は、柔軟性だけで成り立っているわけではありませんよね。歩いたり階段を上るときには、筋力を発揮して体を支え、足を持ち上げたり蹴りだしたりしています。柔軟性が不足していると、これらの筋肉に制限をかけてしまう=ブレーキになります。

逆に、筋力が発揮できていなければ、立つことすらできません。何かの動きをするためには、大なり小なり筋力を発揮すること=アクセルをかけることが必要です。これは、ヨガのポーズや前屈姿勢でも同じです。柔軟性があればもちろん体は倒しやすいですが、もっと前屈を深めるには、前に体を倒すための筋を働かせよう、ということです。

前屈のためのアクセル筋

前屈とは、ざっくり言うと、体を前に倒していく動作。ここでは、一般的な立位前屈を前提に考えていきます。この動作を行う時に、特に初心者は、股関節ではなく上半身で倒れていくというエラーが起きやすいです。股関節=脚の付け根から倒れていくからこそ、上半身ももっと倒れやすくなり、最終的には二つ折りのような姿勢になれるのです。

脚の付け根にあって前屈の時に必要な代表的な筋肉は、「大腿四頭筋」と「腸腰筋」です。こまかい説明は省きますが、これらの筋肉がうまく使われることで、前屈は確実に進化をします。今回は特に、腸腰筋にフォーカスしていきます。日常の動作の中でなかなか使われることが少ないため、この筋肉を目覚めさせることが前屈を深める有効な方法となります。

アクセル筋を感じよう

 

スタートポジション

座り
どちらのパターンでもオッケーです。基準は背中を真っすぐにできること。
/photo by Yusuke

クッションなどをお尻の下に敷いて座り、背中をしっかりまっすぐ保ったまま、脚を前に伸ばします。もしくは、椅子に浅く腰掛けた状態からスタートしましょう。膝を伸ばし、かかとで床をとらえている状態です。どちらの方法でもよいですが、椅子に座った方が負荷は低いので、無理なくできる方法で行ってください。

①大腿四頭筋を感じよう!

背中を丸めず、片脚をゆっくり持ち上げます。上げられる高さでよいですし、腰が丸まってくるようなら、膝は軽く曲げてチャレンジしましょう。

どうしても高く上げようとして姿勢が崩れたり、力を入れることを頑張ってしまう人も多いですが、背中を伸ばしたまま上げられるところまで、というのが大事です。
最大限上げられたところで、3~5秒キープしてみます。おそらく、前腿のあたりが痛くなってくる感覚があるはずです。それが大腿四頭筋です。
この筋肉も前屈時に大切にはなりますが、今回使ってほしいのは、次の腸腰筋です。違いを感じてください。

しとうきん
脚を上に向かって持ち上げる。キープすると前腿が痛くなる感じ。
/photo by Yusuke

②腸腰筋を感じよう!

先ほどと同じように脚を上げますが、上げる意識を変えてみてください。
お尻が後ろにズレるくらい脚を引き、はめ込むような意識で脚を上げます。先ほどよりもふわっと上がる感覚があるかもしれません。太腿ではなく、もっと脚の付けの方にキュッ!っと力を感じたら、それが腸腰筋です。

ここでも、膝は曲げてしまっても大丈夫! 膝を曲げることで負荷も減り、無理なく感覚をつかみやすくなりますよ。
腸腰筋はインナーマッスルとも呼ばれてなかなか普段意識しにくい部分です。脚を上げるという同じ動作なのに、上げている感覚が違うはず。この感覚を覚えておいてください!

ちょうよう
上にではなく、お尻ごと後ろに引いて、脚をはめこんでいく意識で。脚の付け根がギュッなる感じ。
/photo by Yusuke

前屈に取り入れてみよう!

先ほどの腸腰筋への意識を、前屈姿勢で行っていきます。脚の付け根から倒れやすくするために、苦手な人ほど、必ず膝を曲げた状態から行ってください。膝を曲げ、太ももにお腹を預けるように体を倒していきます。写真くらい曲げてしまってもよいので、脚の付け根からの前屈を優先してください。

さあ、ここからが少し難しい!先ほどは座った状態で脚を上げていきましたが、今度は脚を上げません。
倒れられるところまで倒れたら、さっきの感覚を思い出しましょう!お尻を引き、付け根に脚をはめ込もうとしたあの感覚!両脚でその感覚を再現してみましょう。
最初は少し腰を反らしながらお尻を突き出すようなイメージで行うとわかりやすいかもしれません。腸腰筋を使うことで、さらに前屈角度が深まります。

かんせい
左はただ普通に体を倒したところ。さらに腸腰筋を意識することで「引き込み」ができれば、もう一段階前屈がステップアップ!
/photo by Yusuke

ヨガのポーズなどに限らず、柔軟性と筋力発揮はどちらも必要なもの。今回は腸腰筋を目覚めさせるような方法をお伝えしましたが、この練習ばかりやっていると、筋肉が緊張しすぎた状態になったり、腰痛につながることも。何ごとも、バランスが大事なので注意してください。

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AUTHOR

本田雄介

本田雄介

体ガチガチのアラフォーヨガ初心者から、ヨガインストラクターを目指す。インドでRYT200〜500修了。早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業。外資系アパレル企業勤務時、ワークライフバランス・グロースマインドセット等の学びに触れ、働き方や生き方を見つめ直すきっかけに。ヨガの持つ心身への幅広い効果も知り、現場発信に携わりたいと思い立つ。YMCメディカルトレーナーズスクール所属。Instagram:@honhon180



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