免疫維持・生活習慣病予防にも!医学博士が教える、毎日でも食べてほしい「栄養価が高い最強野菜」3選

 免疫維持・生活習慣病予防にも!医学博士が教える、毎日でも食べてほしい「栄養価が高い最強野菜」3選
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野菜は健康作りに欠かせない食材の一つですが、慢性的な野菜不足に陥っている人は少なくないはず。野菜を毎日食べたほうがいい、そう言われるのにはちゃんと理由があります。野菜を食べるべき根拠と無理なくたくさん摂れる食べ方とは。積極的に取り入れたい最強野菜3選と共に、医学博士の岩崎真宏さんがアドバイスします。

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様々な野菜を継続的に食べて複合効果に期待

――最初に、体に必要な栄養素の基本的な考え方を教えてください。

「基本的な考え方として、炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素を摂るのは体にとって非常に重要です。摂り方としては、主食・主菜・副菜が揃った食事をするのがポイント。主食は糖質を含むパン、米、芋類などを、たんぱく質と脂質を含む肉と魚はメインディッシュの主菜に取り入れて。脂質の摂り過ぎはよくないですが、人が活動するためのエネルギー源として不可欠な栄養素なので過度な制限は禁物です。たんぱく質や脂質をやりくりして体の部品を動かす材料となる、ビタミンやミネラルを含む野菜は副菜として取り入れるのが理想的。野菜だけでなくキノコ類、海藻、コンニャクなども食物繊維やフィトケミカルが豊富なので積極的に摂取することをおすすめします」

――野菜は毎日食べたほうがいいと言われていますが、それはなぜですか?

「たとえば水を1日2L飲むと決めて、その量を朝にまとめて飲んでもすぐに尿として排出されてしまいます。栄養成分も同じで1回にたくさん摂っても排出されたり、消費されたりしてしまうので、継続的または分散して摂るほうが体に良い効果が期待できます。これを野菜の長期効果と呼んでいます。栄養学の研究では少なくとも6週間、長ければ10週間以上かけて体の変化を観察するので、体を改善しようと思うなら野菜を少なくても6週間(42回)食べると変化を実感しやすいでしょう。長期的に野菜を食べると良い影響が蓄積されて変化を維持できるようになり、これを積立効果と呼びます。逆に不摂生な食生活をしている悪い影響も積み立てられるので、生活習慣を見直して良い影響の積み立てに切り替えることが大切です」

――好きな野菜や生でさっと食べられる野菜など、つい偏って選んでしまうことがあります。それでも健康効果は期待できますか?

「体を変えるには、様々な種類の野菜を分散して食べるのがポイントです。体全体を良くしたいときに一カ所のツボを押し続けるより、全身くまなくもみほぐすほうが効果的であるように、多彩な野菜を食べることで様々な栄養成分が相乗して複合効果が得られます。したがって、多くの野菜を毎日食べるのが健康作りにはとても重要になります」

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毎日でも食べてほしい「栄養価が高い最強野菜3選」

――野菜生活を無理なく続けるために、栄養価が高く、しかも買いやすくて食べやすい最強野菜3選を教えてください。

様々な野菜をバランスよく摂るために知っておきたい野菜選びの指標は、「色と部位」です。色は赤、緑、白(赤と緑以外と考え、紫や黄色などの野菜も含む)、部位は葉、実(トマトやピーマンなど)、根に分けられ、色と部位を組み合わせて三種類以上を食べるようにすると野菜の複合効果を得やすくなります。

玉ネギ

白色野菜に分類される玉ネギは、フラボノイドの一種であるケルセチンが非常に豊富。ケルセチンは、体脂肪を燃やしてエネルギーを生み出す、ミトコンドリアを増やす働きが報告されています。ダイエット効果が期待できるほか、脂肪を燃やすことで持続運動が可能になり疲れにくい体作りにつながります。オニオンサラダやソテー、細かく刻んでハンバーグやチャーハンに混ぜてもおいしく食べられ、ほかの素材の味をじゃましないので様々な料理に使えます。

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ニンジン

赤色野菜のニンジンは、赤色の色素成分であるカロテノイドを多く含んでいます。カロテノイドの一つであるβカロテンは、間接的に免疫の維持や生活習慣予防に役立つことがわかっています。ニンジンは甘みが強く子供から高齢者まで幅広い世代の味覚にマッチし、蒸せば甘さが増していきオーブンで焼いても美味。またスムージーにして飲んでもよし、ホットケーキやドーナツに混ぜてスイーツでも楽しめます。

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小松菜

濃い緑色の野菜はフラボノイドをはじめ多くの栄養成分を含み、小松菜はがん予防や免疫の維持に力を発揮します。おひたしやごまあえのほか、乳製品と相性がいいのでクリームで煮詰めてゴルゴンゾーラチーズと合わせても美味。蒸してポン酢をかけるシンプルな食べ方もおすすめです。

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最初の目標は「+50g」。たくさん食べるなら「加熱」が鍵

――最強野菜を積極的に食べたいですが、1日にどのくらいの量の野菜を食べるのが理想ですか?

「厚生労働省は、野菜を1日350g食べることを推奨しているので、これを目指すというのがポイントになります。でも、そんなにたくさん食べられないと思う人もいるはず。あくまでも理想なので、まずは今の生活スタイルを崩さず+50gを目指してみましょう。+50gはサラダ一皿分くらいなので無理なくできると思います。達成したら次は+100gを目指して。1日に野菜を100gプラスすると、細胞老化の指標であるテロメアが長くなり寿命が2年伸びると言われています。実は日本人の平均的な野菜摂取量は270gで、そこに100gプラスすると理想値の350gを超えるので意外と簡単に達成できるかもしれません」

――葉物野菜は生だとたくさん食べるのが難しい場合も。より多くの量を摂取できる食べ方を教えてください。

「野菜は水分をたくさん含んでいるので、生の状態だとかさばってたくさん食べられません。加熱して水分が蒸発するとボリュームが抑えられて摂取量を増やせます。加熱によって失われる栄養成分は一部にすぎず、火を通しすぎなければむしろ濃縮されて味が濃くなりおいしさが増します。おすすめの調理法は蒸し料理です。野菜を洗って火にかけると蒸気で蒸されて自然とおいしくなり、忙しくてキッチンに立つ時間がない人、料理は苦手という人でも簡単。15分程度で硬い根菜類も柔らかくなり、ポン酢やお気に入りのソースをかければ完成です。すりつぶせば離乳食や介護食にもなるのでおすすめです」

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教えてくれたのは…岩崎真宏さん

医学博士、管理栄養士。病院で管理栄養士として働き、食事を変えると治療薬の効果が上がることを実証。その後、医学的根拠のある栄養学を実践するために独立。運動指導者、医療スタッフ、保育士、介護士、アスリートなどを対象にヘルスケア人材の育成と雇用創出、コンテンツ開発を行う教育事業を開始し、病気になってからではなく、健康なうちから使いこなせる栄養学を発信している。2017年には一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会を設立し代表理事に就任。栄養学からみた野菜の健康価値と野菜不足の社会課題のギャップ、廃棄野菜などの農業課題を解決するため、ヘルスケアと農業の循環型事業に取り組むベジタブルテック株式会社を創業。近著『野菜は最強のインベストメントである』(フローラル出版)も話題。

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取材・文/北林あい

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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