何事にも動じない人になりたいなら|マインドフルネスを培う方法

 マインドフルネスは退屈?集中できない人のためのアーサナプラクティス
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3.ヴィダーラーサナ( 猫のポーズ)

ヴィーダーラーサナ(猫のポーズ)
(Photo by JEFF NELSON)

手を肩の真下、膝を骨盤の下に置いた四つん這いの姿勢になる。息を吐くときに背中を丸め、尾骨を脚の間にたくし込む。頭を下ろし、後方の太腿の方を見る。息を吸うときに骨盤を前に傾けて腹部を床の方へ開き、背骨を胴体の中に引き込んで少し後屈する。頭頂部と尾骨を天井の方へ持ち上げる。そのとき、首の後ろが圧迫されてしまうので、あごから上に伸びないように。この動きを数呼吸、流れるように行おう。
動きと呼吸を合わせながら、呼吸のタイミングでペースをつくる。数回繰り返した後、あれこれ考え始めるマインドの自然な性質に気づこう。これは繰り返しに対する自然な反応だ。マインドは、何かがうまくいけば、それ以上を知ることも、注意を払う必要もないと決めてかかるもののようだ。この「知っているマインド」がしばしば、自他との深いつながりを阻む最大の障害となる。知っていると思うとき、わたしたちは見たり、聴いたりすることをやめてしまう。「知らないマインド」を持ち続けるようにすると、理解と深いつながりの中で成長していくことができる。何度でも呼吸に戻ってこよう。それが体とマインドを結びつける縫い糸なのだ。

4.アドームカシュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ)

ダウンドッグ
(Photo by JEFF NELSON)

ヴィダーラーサナから、つま先を床について骨盤を引き上げ、足をまっすぐに伸ばしてダウンドッグに入る。かかとを片足ずつ床につけながら、遊び心をもってこのポーズを探求しよう。呼吸に合わせて動き、反復する間にマインドの集中が散漫になっていないかに気をつけよう。両方の脚をまっすぐに伸ばしたら、感覚や心の状態、経験が変化し続ける様子に意識を向けながら、ポーズを8~15呼吸ほど保つ。先生はよくポーズを「保つ」ことについて話すが、そのための決まった対象はないことに気づくように。毎瞬間、毎呼吸ポーズはひとりでに生まれ変わる。このポーズの最初の呼吸は、6回目の呼吸と同じものではない。これはこのアーサナだけでなくすべてのアーサナに、ひいてはすべての人生経験における真実だということ、そして、ポーズを終えたときの自分は、ポーズを始めたときと同じ「人間」でないことがわかってくる。

5.ターダーサナ( 山のポーズ)

山のポーズ(ターダーサナ)
(Photo by JEFF NELSON)

山のポーズは、重要なアーサナアーサナの間に入るちょっとしたものだと考えられがちだが、実のところは、すべての立位のポーズの基盤となるものだ。腕を体側に下ろして立とう。体重を両足に均等にかけてかかとの少し前に集めながら、足の4つの角で床を押す。骨盤を前と後ろ、右と左の縁が同じ高さのボウルのようにイメージしてみよう。背骨を上へ伸ばし、肋骨下部を突き出さないようにしながら、ゆっくりと胸部を引き上げて胸を開く。肩甲骨を引き入れて背中上部をサポートしながら、肩をリラックスする。あごは床と平行に、耳は肩の真上にくるようにする。この状態でただ立ちながら、何が起きるかを観察する。体のわずかな揺れや呼吸の動きなど、現れてくるすべての感覚に気づくように。倦怠感、苛立ち、不安などが生じただろうか? ただそこに留まることができるだろうか? もう十分続けたと感じた後、さらに6~8回呼吸し、何が起こるかを観察しよう。

6.ヴィーラバッドラーサナⅡ( 戦士のポーズⅡ)

戦士のポーズ
(Photo by JEFF NELSON)

腕を前後に床と平行にして伸ばし、両足とも指先の真下にくるように開く。左足を15度、右足を90度ほど回転する。体を前に倒さずに右足を90度に曲げ、膝が足首の真上にくるようにする。腕は床と平行に保ち、視線は右手の方へ。呼吸をしながら、その質、深さ、速度の変化に意識を向け続けよう。前の太腿や肩に感覚が生まれてきたとき、マインドがどう反応するのかに気づくように。その感覚を伴ってくる緊張に嫌悪を感じただろうか? この緊張を解放しながら呼吸を続けると、自分の経験の性質はどうなるのかを観察する。起きている事象から生まれたストーリーに気づき、そのどれにもとらわれずに、ただ耳を傾けることを選択する。感覚を闘いの対象となる実の存在にせずに、意識の中で包み込むようにしてみよう。可能ならば、その習慣的な個性のない性質に気づくように。両側とも行った後、山のポーズに戻り、生じてくるすべての事象に心を開きながら、体全体をスキャンする。

7.アルダマッツェーンドラーサナ( 半分の魚の王のポーズ)

半分の魚の王のポーズ
(Photo by JEFF NELSON)

足をクロスして座り、右足をスライドして左太腿の下に入れ、右のかかとが左側の骨盤の外側にくるようにする。左足を右太腿の上でクロスし、左足の足裏を床にしっかりとつける。右腕を使って、膝のすぐ下のところから左足を抱え、左手で後ろの床を押す。背骨を上へ伸ばす。右手で右半身が左へ回旋するのを助けながら、体を左側へねじる。右腕を左脚の外側へ置き、てこの力を加えて脚を押してもいい。そのときには、背骨の根元から上方向へ自然にねじれていくようにしよう。胴体のねじる動きが終わったら頭を左へ向け、首をリラックスする。呼吸をしながら今の瞬間に集中する。呼吸に導かれながら、息を吐くときに力が抜け、ねじりが少し弱まる様子を探求しよう。反対側でも繰り返す。

8.パスチモッターナーサナ( 西側を強く伸ばすポーズ)

パスチモッターナーサナ( 西側を強く伸ばすポーズ)
(Photo by JEFF NELSON)

脚を体の前に伸ばして座る。太腿の裏側、ふくらはぎ、かかとで床を押す。かかとを押し出し、つま先を自分の頭の方へ屈曲する。手を骨盤の横に置いて床を押し、胸を引き上げる。腰が丸まって尾骨に体重がかかる場合は、ブランケットの上に座ってサポートする。足かすねをつかみ、鼠蹊部は柔らかく、太腿は少し内旋する。腰を丸めないようにしながら、胴体を脚のほうへ長く伸ばす。「固執するマインド」を解放し、今いるところで留まる。体の中の呼吸の動きを感じる。ポーズに身をまかせ、常に変化し続ける現象への執着や嫌悪を解放する。心地よい気持ちを長引かせたり、つくり出したりする試み自体が緊張のひとつの形だということに気づくように。準備ができたら、プラクティスの経験を体とマインド全体に行き渡らせながら、亡骸のポーズで数分間休む。その後、瞑想をしてみてはどうだろう。アーサナのプラクティス後に行う瞑想は、滋養分や満足感をもたらしてくれる。ぜひこのときに行ってみてほしい。

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Story by Nora Isaacs
Translated by Yuko Altwasser
yoga Journal日本版Vol.42掲載



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