【心配事で眠れないときに】思考の癖をリセットし「夜に止まらなくなる不安」の連鎖から抜け出す方法

 【心配事で眠れないときに】思考の癖をリセットし「夜に止まらなくなる不安」の連鎖から抜け出す方法
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ビジネスマンとして多忙を極めていた頃、無理が重なりうつ病と診断された経験を持つ、40代ヨガ講師・吉本憲太郎さんによる連載。ヨガに出合い、本来の自分を取り戻した経験から、心の痛みに寄り添える吉本さんの視点で、働く世代の心が軽くなる物の見方、考え方をアドバイス。実体験をもとに効果を感じた、体から心にアプローチする「お悩み解消ワーク」も紹介します。

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「心配事はゼロにならない」を前提に、できる対処法を考える

―夜一人でいると、将来の生活や仕事のことで漠然とした不安がわいてきて眠れないという人は少なくないと思います。

「毎日、考え事をする暇もないくらい充実感に満ち溢れ、眠れない日はないというのが理想ですが、実際は不安定な時代背景も手伝って心配事が止まらない人は多いと思います。実は、以前の僕もそうでした。この先会社で昇進できるだろうか、大切な家族と別れたときは子供に嫌われないかと不安になり、次から次に心配事が頭をよぎり眠れなかったことを覚えています。特に夜の考え事は、思考がネガティブな方向に走りがちですよね」

―心配事の種類は人それぞれですが、根本的には自分に期待するところから生まれるように思います。

「確かにそうかもしれません。自分と自分の未来に期待を抱くのは、人としての醍醐味だし当然のことですが、期待通りにいくだろうかと不安になると眠れなくなってしまう。人はそういうものだという前提に、その自分にどう対処するかを考えるほうが、心配事をゼロにする方法を考えるより現実的だと思います」

心配事
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頭の中の霧をクリアにする「3つのステップ」とは

―悶々として眠れない状態から抜け出すには、何をするのが効果的ですか?

「僕が実践しているのは、心配事にとことん向き合い、頭に浮かんだことをノートに書き出す作業です。漠然とした不安を文字にすると自分が何に悩んでいたかわかり、具体的に何をすれば解決できるか道筋が見えてきます。問題解決に向けて思考が巡り始めると、心配事から離れて気分が前向きに切り替わるもの。答えが出なかったとしても、解決の道筋を立てようとする新しい癖が身につくと、ポップアップ広告のように不安要素がわき起こる思考回路になりにくい。何とかなると割り切るのもいいけど、それだと解決しないので結局また心配事が浮かんできます。だから、逃げずに向き合う時間が必要だと思います」

―心配事を書き出すときは、どんなことに気をつければいいですか?やり方とポイントを教えてください。

「自己と向き合う作業は、自分の弱さや悲しみと対峙することになり一時的にストレスがかかります。夜に行うと気分がさらに落ち込むことがあるので、思考が前向きにシフトしやすい日中に行うほうがよく、通勤時の電車の中などでスマホを使って書き出してもOK。その際、①頭に浮かんだ心配事を包み隠さず書き出す。②次に相手に求めるニーズを書き出す。③そのニーズを伝えるための行動をとる。という順番で行ってみましょう。

心配事が浮かばなければ、何も浮かばないと書き出しますが、まったく浮かばないことはないはず。その場合、心配事に蓋をして浮かばないようにしているなど、一歩踏み込んで考えて気づいたことをその通り書き出してみます。次に、相手にこうしてほしいという願望がある場合、叶わない可能性への不安が自分を苦しめるので、何を相手に望んでいるのかニーズを明確にして。一方、相手ではなく自分の可能性に不安を覚える場合は、自分が何をしたいか、どう行動を変えるべきかを見ていくと解決に近づきます」

―心配事があり弱気になるとつい他者に頼りたくなりますが、答えは自分の中から見つけ出すものなんですね。

「そうですね。自分自身としっかりコミュニケーションをとり、よくわからないけど不安でしかたないで終わらせず、筋道を立てて考える新しい思考の癖を身につけてほしいです。そうした良い習慣の積み重ねがより良い未来を作っていくので、目を逸らさずに心配事と向き合ってみてください」

向き合う
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副交感神経を優位にする「背中の緊張をゆるめるワーク」

交感神経が優位な状態が続くと、背中の筋肉は緊張し硬くなります。快眠を目指すには硬くなりやすい肩甲骨まわりを中心にほぐし、副交感神経が優位に働くように自律神経を切り替えていきましょう。

背中の緊張をゆるめるワーク

目的と効果:肩甲骨の柔軟性を高めて背中の緊張を手放し、副交感神経を優位にする。

1.お尻の下にブロック、背骨に沿って丸めたヨガマットを置き、腰とお尻の段差をなくして仰向けになる。頭の下にもブロックをセットする。膝を曲げて膝下に足首をセットしたら、吸う息で両腕を持ち上げ、肩を床から浮かせる。

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ブロックはクッション、マットは硬めに丸めたバスタオルで代用可。

2.吐く息で肩を下げて、肘を少しゆるめる。腕の重さで肩甲骨を外側に開く。10秒キープ。

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3.左手の親指が上になるように手の指を組む。

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4.指を組んだまま腕を頭の先に下ろし、肘を軽く曲げて20秒キープ。3に戻り、今度は、右手の親指が上になるように手の指を組み換えて同様に。

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5.気持ちが落ち着くまでシャヴァーサナの状態でキープ。または、そのまま布団に入り就寝してもOK。

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〈プロフィール〉

吉本憲太郎さん
ヨガ指導者、「..with THE CLEAR YOGA」主宰。会社員を経て、自分が苦しんだ経験を含めヨガの魅力を伝えるべく、ヨガ指導者の道へ。熊本にオープンした自身のヨガスタジオでは、ビギナークラスからOMYOGA認定校として指導者養成講座(全米ヨガアライアンスRYT200)も開催。月に一度の屋外クラスでは、ドネーションを募り熊本の自然環境保護団体に寄付している。https://with-the-clear-yoga.jp/、Instagram:@kentarouyoshimoto

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取材・文/北林あい

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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