「強い自分も弱い自分も、受け入れる」アーティストRina Lilaの表現活動とセルフラブ

 「強い自分も弱い自分も、受け入れる」アーティストRina Lilaの表現活動とセルフラブ
写真提供: Rina Lila
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——それまでに、美術大学を卒業されたり、絵の勉強をしていたわけではなかったということですか?

Rinaさん: はい。絵の勉強をしてきたわけではないですね。昔から海外や言語に興味があって、「インターナショナルな仕事をしたい」という思いだけがぼんやりとあったので、大学では観光学科で学んでいました。そこでの時間を今振り返ってみると、英語の勉強がきっかけにもなって一人旅もしたので、全部つながっているなと思っています。

—— 本当ですね。もし一人旅に出てなかったら、今のRinaさんは別のRinaさんだったのかと思うと不思議です。

Rinaさん:そうですね。ただ興味本位ではじめて、最初はどうやって絵が描けるのか分からなくて、YouTubeなどを見て練習しました。特に人の顔とかをリアルに描くのが難しかったです。けれどそれはすごく時間がかかるので私には向いていないと思い、イラストを描きはじめました。ピンタレストで見つけたイラストなどを真似して描いていて、最初はほとんど色も使っていませんでした。

——そうなんですか!今のRinaさんの絵は淡い色を使って巧みに描かれているのが、とても印象的なのでイメージできないです。

Rinaさん: 絵を描きはじめてから1年ほどは、自分流にイラストを続けていました。けれど、ある時「絵の具などを使って色を出してみたい」と思って。それで画材屋さんに行って、自分の好きな色のアクリル絵の具と筆を買いました。絵の具って、大人になって触ることが少ないじゃないですか。それで何だか湧き出てくる感覚があって、その時に思い出したのが、私が小学校1年生だったときの記憶です。私はクレヨンでイルカの絵を描いていたのですが、グレーのクレヨンでイルカを描いていた私に、先生が「黄色や紫とか、他の色を足して描いてみたらどう?」って提案してくれたんです。色が混ざる感覚がとても好きだったという記憶を思い出して、「私、色を混ぜたり色を塗ることが好きやったんや」と気づいたんです。学校の授業の中だと、評価や成績ににつながると思うと、上手く描かなくてはいけないっていうプレッシャーもありますよね。そういったことから、自分が色を混ぜたり塗ったりするのが好きだったという感覚が閉ざされてしまったのだと思うんですけど、それが、アクリル絵の具と触れた時にパンっと開いて、そこから「ただ楽しい」という思いだけで毎日のように描くようになりました。

——そこから少しずつ、今のRinaさんの表現手法に進化していったんですか?

Rinaさん: 絵の具を使いはじめた頃はまだ模索中というか、どういう絵が描きたいのか色々試してみては「違うな」と思ったりして、また違うものを描いて…というのを繰り返していました。試行錯誤を続けていくうちに、置いていても嫌にならない絵が描けるようになりましたね。「自分がしたい表現」というのが出てくるようになったのは、絵の具を使いはじめてから3ヶ月から半年ぐらい経ってからのことです。

 

——自分をありのままに表現するきっかけになったことは何かありますか?

Rinaさん: イラストを描いていた頃も絵の具を使い始めた頃も、どこかで見た「素敵!」と思った作品の要素を取り入れたり、真似するような作品を描いていました。けれど、実際描くとその人のようには絶対に描けないし、全然違うものになって落ち込むこともありました。それで、「この絵、好きじゃないな。これは失敗だな」と思った作品ができた時に、思い切って上から何かを描いてみようと思い立ちました。余った絵の具を使って、抽象的に描きはじめました。その時に爽快感というか気持ちの良い感覚があって、「私がしたいのはこれ!」って思えて。そうやって感情的に描くやり方ってそもそもあるのかな?と思ってGoogleで調べて、「抽象画」というものを知りました。私はそれぐらい、アートの知識がなかったんですけど…誰かの作品を見て真似するのではなくて、自分が今何を感じて何を表現したいのか、自分の感情にフォーカスして描くようになりました。

——アグンライ美術館で感情が湧き出た時のように、その時も感情が気づかせてくれたんですね。今は、作品を通してどんなことを伝えたいとか、こんなことをテーマにして、創作活動をしているということはありますか?

Rinaさん: その時によって違うんですけど... 今は、自分の感情や自分に対して素直になることを大切にして、作品を描くようにしています。例えば、ネガティブな感情だったり、自分の弱い部分だったり、折れちゃいそうな部分なんかも絵には現れるんです。これまでの私は、強い部分にフォーカスしていて、それはそれでその時の私が表現したかったものなので良かったんですが、今は、強い部分と弱い部分の半分半分のバランスで絵に表現するようになってきています。色々な側面があるのが人間なので、そんなことを表現したいなと思っています。表面的ではなく、人間の、より深い部分を表現したいなっていうフェーズに、今はいます。

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桑子麻衣子

桑子麻衣子

1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。



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