タンパク質やカロリーよりも気にしたいこと|心の乱れを整える、心に作用する食べ方とは

 タンパク質やカロリーよりも気にしたいこと|心の乱れを整える、心に作用する食べ方とは
Adobe Stock
永田舞美
永田舞美
2023-05-20

私たちが生きていく上で、食事は欠かせないものの一つです。みなさんは食事をするときに意識していることはありますか?タンパク質やカロリーなど栄養素が気になる人も多いかと思いますが、アーユルヴェーダでは、心へ深く作用する食べ物や食べ方があると言われています。今回は、心身の健康を保ち、心が軽やかになる食事についてお話ししていきます。

広告

大前提!「心が軽やかになる食べ方」とは

アーユルヴェーダでは、「何を食べるか」よりも「どう食べるか」を大切としています。
食事を意識した生活を始めると、「あれはダメ」「これがいけない」など制限をしてしまったり、「健康にいい」と言われると、そればかりを食べてしまってはいないでしょうか。栄養を摂ることは大切ですが、食事をした後に満足感や幸福感を得られ、身体も心も軽やかな軽快感を感じていることが重要だと、アーユルヴェーダでは言われています。

どのように食事をしている?

・食べる時間がバラバラ
・食事の時間がきたので食べている(お腹が空いてないのに食べる)
・短い時間で一気に食べる
・テレビやスマホを見ていることが多い
・考え事をしながら、イライラしながら、落ち込みながら食べる

これらに当てはまった人は、まず「食べ方」から意識していきましょう。食べ方は習慣の一つ。このような食べ方が続くと、身体や心のサインを感じ取る力が弱くなり、体内に毒素が溜まって心身のバランスを崩しやすくなると言われています。
「お腹が空いたら食べる」、「よく噛んで味わって食べる」、「食事に集中する」ことで、食べたものが消化され、栄養の吸収をサポートし、食べ過ぎることなく適量で満足感を得られるようになります。

心を作る3つの性質

アーユルヴェーダでは、心には3つの性質(トリグナ)があると言われており、食べ物が影響を与えると考えられています。その3つの性質は「サットヴァ」「ラジャス」「タマス」と言い、私たちは3種類全てを持っていて、これらにより日々の心は変化していきます。それぞれの性質と食べ物との関係性を理解していきましょう。

穏やかな湖のような心「サットヴァ」

澄み切った湖をイメージしてみてください。穏やかで波立っておらず、太陽の光が反射しキラキラしている状態です。そんな湖のような純粋でクリアな様子がサットヴァです。サットヴァで満たされていると、自らが優しさや愛情に包まれ、頭に思い描いたようなことが実現したり、直感が冴え、迷いなく物事に集中できたりすると言われています。

サットヴァを増やす食べ物・・・新鮮な野菜や果物、できたての食事

サットヴァの食べ物は消化に良い食べ物でもあり、食べると活力が溢れエネルギーが高まります。

イライラ、わがままな心「ラジャス」

自分の思い通りにしたいという欲が出てきて、行動が激しく攻撃的な状態であることです。ラジャスな心が増え過ぎると、イライラや嫉妬が心を支配し、ソワソワと落ち着きがなくなってしまうと言われています。一方で、適度にこの性質を持っていると、自分自身にやる気を与えてくれるので、支配されない程度にバランスを保っていきましょう。

ラジャスを増やす食べ物・・・辛くて酸味と塩味の効いた刺激的な食べ物、カフェイン、肉類、アルコール

どんより暗い心「タマス」

感覚が鈍くなり、暗く活力がない状態です。間違っていることが正しいと思い込んだり、やる気がなくなったりすると言われています。身体も心もだる重く、引きこもりたくなるような気持ちになるのも、タマスが増えすぎている状態なのです。

タマスを増やす食べ物・・・レトルト食品や冷凍食品などの加工食品、古い食べ物、菓子パンやスナック菓子

穏やかで湖のようなサットヴァな心でいつもいたいところですが、私たちはラジャスな心とタマスな心を、行ったり来たりしていることの方が多いのではないでしょうか。これだけ見ると、「ラジャス」や「タマス」が悪者のように思われがちですが、適度にラジャスがあることで「行動力」を生み出し、「タマス」があることで「休み(睡眠)」をもたらします。ただ、この二つは増えやすい性質なので、一生懸命減らすよりも、日々の生活の中で「サットヴァを増やす」ことを意識するとよい、とアーユルヴェーダでは言われています。

軽やかな心は自分で作れる

私たちは3つの性質を全て持っていますから、自分自身の心の状態と食生活を見つめてみて、アンバランスな状態へ導いているものがあったら少しずつ意識をしてみましょう。心は思ってる以上に繊細で、1日の中でもさまざまな状態へ変化しています。だからこそ、自分自身を見つめ、そのままの状態を受け止め、心軽やかな“心地よい私”を自分で作っていきましょう。

 

 

広告

AUTHOR

永田舞美

永田舞美

ヨガ・アーユルヴェーダ講師 金融営業職に没頭する中で、ヨガとアーユルヴェーダに出会う。10代から悩みが絶えず、自律神経の不調だらけの自分が好きになれずにいた時期が長かった。自分の本質を知り、身体と心の心地よさに 意識を向けて日々生活するようになってから、本来の自分でイキイキと過ごせていることを実感。 この経験から、現代の生活に生きるヨガとアーユルヴェーダを伝え、「本来の自分を取り戻し、心地よく過ごす」ことをテーマに2021年10月に独立。1年間で約200名にアーユルヴェーダを指導。ヨガフェスタ2021への出演や、ヨガモデルとしての実績もある。 ヨガ&アーユルヴェーダ朝活コミュニティの運営、アーユルヴェーダ講座、ライフスタイルカウンセリングの他、全国各地でリトリートイベントを企画主催。



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

タンパク質やカロリーよりも気にしたいこと|心の乱れを整える、心に作用する食べ方とは