65歳を過ぎると人口の5%がうつ病に?精神科医に学ぶ【うつと加齢】の意外な関係と対処法

 65歳を過ぎると人口の5%がうつ病に?精神科医に学ぶ【うつと加齢】の意外な関係と対処法
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人生100年時代、医療の進歩とともに寿命は年々延びています。その中で注目したいのはいかに健康寿命を延ばしていくかということではないでしょうか。今回は精神科医である和田秀樹先生の著書『70歳が老化の分かれ道』から学ぶ、長く元気でいられるための知恵をご紹介します。

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加齢とともにうつになりやすくなる

「幸せホルモン」と呼ばれる神経伝達物質、セロトニンは40代の頃から分泌量が減りだします。70代にもなるとさらに減少は進み、不安感が募ったり意欲が低下したりして、うつになるリスクが高まってきます。

うつにならず、生き生きと老後を過ごすためにはどうしたらいいのでしょうか。

精神科に診てもらうハードルを下げよう

うつの初期症状である「夜眠れない」「食欲がない」「やる気が湧かない」そんな症状が出てきたら、早めに精神科医に診てもらうことをおすすめします。

心の病は特別なことではなく、人口の3%、65歳を過ぎると人口の5%がうつ病だと言われています。これは風邪をひくのと同様で誰にでも起こり得るものです。よく「〇〇依存症」と呼ばれる症状は「その人の意思が弱いから」と捉えられがちですが、そうではありません。どれも心の不調から来るれっきとした心の病気なのです。だからこそ、うつも依存症も病気だと認識し、ひどくなる前に早めに受診することが大切です。早めに病院に行けば、自殺するほど重症になることもかなりの確率で避けられます。

うつの症状は予防できる

不眠、食欲の不振、意欲の減退は加齢とともに起きやすくなってきます。我慢せず、予防の意味も込めて気軽に精神科や心療内科にかかってみましょう。

もし自分の親が病院に行きたいと伝えてきたら、うつになりやすいことを理解し、止めることなく受診させてください。

自分の家族が家に引きこもりがち、不眠で悩んでいるなどの症状がある場合は、専門家の助言を求めても良いのかもしれませんね。また自分も同じような悩みがある方は加齢と共にうつになりやすいことを理解し、病院を受診してみるのも一つの手かもしれません。

『70歳が老化の分かれ道』(和田秀樹 著、詩想社)
『70歳が老化の分かれ道』(和田秀樹 著、詩想社)

著者/和田秀樹
1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって、高齢者医療の現場に携わっている。主な著書に『自分が高齢になるということ』(新講社)、『年代別医学的に正しい生き方』(講談社)、『六十代と七十代心と体の整え方』(バジリコ)、『「人生100年」老年格差』(詩想社)などがある。

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文/桑澤仁美

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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『70歳が老化の分かれ道』(和田秀樹 著、詩想社)