【アメリカで人気の最新ヨガ】古い型を打ち破り、自分自身を覚醒する「ヨガ練習法」
ヨガジャーナルアメリカ版の人気記事を厳選紹介!ヨガ講師でイン・ボディ・メント・プロジェクトを立ち上げたジョルダン・スマイリーが、遊び心にあふれたシークエンスを紹介する。自分の古い型を打ち破って、体の知恵に耳を傾けるのに役立つシークエンスだ。
遊び心にあふれたヨガのポーズで自分自身を覚醒しよう
ヨガの練習は自分自身の秩序を壊すようにつくられている。心と精神と体のエネルギーの流れに明らかな変化を起こすことによって、秩序を壊すのである。エネルギーの流れがいったん途切れると、自分自身のことや人間関係、周囲の人々が見えてきてそれらを変えることができるようになる。私は有色人種であり、トランスジェンダー(出生時に診断された性別と自認する性が一致しない)の体で生きている。私が自分自身を覚醒させるヨガに興味があり、個人と集団に変化を起こすためにどうやってこのヨガを役立てようかと考えているのも、そのような個性によるところが大きい。
私たちが社会全体として目覚めてきた結果、欧米ではヨガを行うことが一種の特権的行為となっていることが誰の目にも明らかになった。欧米のヨガには、白人性、異性愛規範(異性愛が唯一の規範であると考える)、身体的健全性、階層などの社会的枠組みが色濃く表れている。ただ、大勢の誠実な指導者たちのおかげで、今ではあらゆる人を受け入れようとする動きがヨガの世界でも見られるようになった。やらなければいけないことは山積しているが、ヨガを利用できているのは誰かということが論じられるようになっているし、自分がヨガの世界の典型的存在だと感じている人たちがヨガの練習をクラス以外の場所で応用している理由やその方法も検討され始めている。公平さを求めるならば、まず個人と集団レベルで不公平な条件付けを打ち破らなければならない。私はこの過程を身体化と呼んでいる。身体化は自分の体とどうつながるか(またはどうつながらないか)というところから始まると私は考えている。
私はヨガのクラスで、受講者の皆さんが自分の型を打ち破って勢いを変えるような形で自分のエネルギーを認識し表現できるように指導している。人は使える時間の47%を、今していないことを考えながら費やしていることが研究によって示されている。自分を守ってくれた考え方や楽しい経験を繰り返すのに役立った考え方が、円滑な思考の道筋になる。ただ、繰り返される思考に縛られているときには、自分の体と心が何に慣れているのかわからず、与えられている特権にも気づかず、トラウマを癒すこともできない。一方、今の体の感覚に意識を集中させているときには、自分や他人のことを感じる新しい道筋が開かれてくる。このように旧来の型を打ち破る瞬間から変化が始まるのである。
自分の頭から抜け出して体に入っていくために、そして、さらに深い変化を引き起こすために、今回紹介するシークエンスを試してほしい。アライメントを意識するのではなく、体の知恵と本能的な遊び心に身をゆだねてみよう。クリヤ(行動)を利用すれば、ダンスをしているように直感的に次のポーズに移っていけるようになる。まず私が提案したとおりにポーズをホールドしてシークエンスを試してみよう。次に1呼吸1動作で動いてみよう。クールダウンとして背骨をねじるポーズかハッピーベイビーのポーズをして、最後はシャヴァーサナ(亡骸のポーズ)でシークエンスを締めくくろう。難しく考えず、この経験を楽しんでほしい。
1. エーカパーダアドームカシュヴァーナーサナ(片足の下向きの犬のポーズ)
ダウンドッグから右脚を引き上げ、おへそを引く。3回呼吸する間ホールドする。
2. ワイルドシング(カマトカラーサナ)
はっきりした意志をもって左手と左足で地面を押す。体を返し、右足を左太腿の先に下ろす。右手は前方に伸ばす。
3. パリヴルッタアンジャネーヤーサナ(ねじったローランジ)
右脚が前の両手をついたランジから、右腕をマットの後方に向かって時計回りに回し、床に下ろす。3回繰り返す。
4. ハイランジ
上体を起こし、ハイランジになる。胸郭を引き上げ、肩を下げ、3回呼吸する間ホールドする。
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