「ヨガに興味がない10代」にヨガをどう伝えるか|高校生に授業でヨガを教える私がしていること


学校の授業のその先に
学校の授業に携わらせていただいて1年半、改めて思うのは学校生活って短い。私自身はヨガを初めて経験したその日から、かれこれ10年以上が経過していますが、最初から毎日ヨガをするほどのめり込んだ訳でもなく、少しずつ少しずつ続けていく中で、アーサナ(ポーズ)が急に深まったり、できるようになったりした時に、「ヨガが好き」になりました。

高校生活の100時間をもらっているけど、期間としては1年間。この1年間にめちゃくちゃ詰め込むこともできるとは思うのですが、もっともっと長いスパンで見て、人生が100年あったとしたら高校3年生はまだ100分の18。残りの82年のどこかで、今触れ合っているヨガがきっかけとなり「健康って大事だな」「自分の体って自分で守るものなんだ」とか「ストレスから心を守ることって教えてもらったな」とか、思い出す機会が増えることの方が彼らにとって大切な「学び」「生きる智慧」になるはずです。
こちら側が、授業時間で伝えられること、出来ることだけにフォーカスするのではなく、学校生活から離れたその先に活かせる学びのきっかけを伝えたい。学びの「余白」を残して学生に渡すことも大切にしたいポイントです。
向き不向きより前向きに
今、受講している「ヨガ」の授業が、自分達に役に立つのかというその視点は、今すぐに伝わるものではないかもしれません。それでも、ヨガ哲学の話をしたり、部活の練習や試合でヨガの呼吸がどう活かせるか、集中するってどういうことか、出来るかぎり具体的に話をすることで、今年ヨガ歴2年となる豊川高校の3年生からは「この授業ってやらされるんじゃなくって自分のためにやった方がいい授業なんだ」という言葉が出てきた時は感動でした。
ポーズが出来る出来ないや、体が硬いか柔らかいかどうかも、本来ヨガでは関係ないもの。ただスポーツが得意な子たちが、体育の授業の一環、選択科目として受けてくれているので、他のスポーツは出来るのにヨガだけは出来ないということに対して、やる気を無くさないように、学生とは「向き不向きより前向きに」この言葉を授業の合言葉に、「主体的であること」を共通認識にしています。
豊橋西高校の学生からは、音楽をかけてやったらどうか、(リラックスヨガに近いけど)HipHopをかけたい!とか、マットを敷く席は決めずに自由にしたい!など、出してくれた意見は可能な限り採用して授業をするようにしています。
「授業中ずっとシャバーサナ(ヨガの最後にするリラックスポーズ)がいい!!」という意見は、毎回却下するというお決まりのやりとりも学生と楽しみながら、学生と一緒にヨガの授業を作り上げています。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く