不調の原因は「細胞燃焼力」の低下?細胞燃焼力を高める成分「コエンザイムQ10」を食事で摂る方法

 不調の原因は「細胞燃焼力」の低下?細胞燃焼力を高める成分「コエンザイムQ10」を食事で摂る方法
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疲労、肩こり、むくみ、頭痛、お肌の不調…これらを予防し、体の防御力を整えるためには「細胞燃焼力」をアップさせることが重要。そのカギを握る成分「コエンザイムQ10」に、注目が集まっているようです。

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マイナートラブルの原因は「細胞燃焼力」の低下?

「最近、疲れが取れない」「手足がむくんでる」…そんな悩みを抱えていませんか? もしかしたら、「細胞燃焼力」が弱まっているのかもしれません。細胞燃焼力とは、食事で摂った栄養素を細胞が燃焼させてエネルギーに変換すること。この細胞燃焼力を高める成分として、医学・薬学・生化学研究者の間で注目されているのが「コエンザイムQ10」です。

コエンザイムQ10といえば、化粧品の成分として認識している方も多いのではないでしょうか。実は私たちの細胞の中に存在し、細胞燃焼力に欠かせない成分なのです。人間が摂取した栄養素はダイレクトに燃焼するのではありません。いくつもの段階を経て、細胞が使うことができるエネルギー源に変わっていきます。コエンザイムQ10は、これらがスムーズに進むよう潤滑油の役割を果たしているのです。

加齢と共に減少…コエンザイムQ10不足が引き起こす不調とは

血液中のコエンザイムQ10は、40%が食事から補われ、60%が体内で作られます。しかし、体内のコエンザイムはQ10加齢とともに減少していきます。例えば心臓の場合、20歳と40歳を比較すると約7割、80歳では4割程度に低下してしまうのです。

コエンザイムQ10が不足すると、どうなるのでしょうか? 引き起こされる不調を、以下に詳しくまとめました。

・疲れやすくなる
・肩がこる
・倦怠感がでてくる
・ボケやすくなる
・肌の調子が悪くなる
・風邪をひきやすくなる
・血行が悪くなる
・頭が痛くなる
・疲れがとれず
・目覚めが悪くなる
・手足の冷え・むくみ

加齢とともに減っていくコエンザイムQ10を意識して摂ることは、細胞燃焼力の維持にとても重要なのです。

コエンザイムQ10が豊富な食材とは

コエンザイムQ10は、鶏、牛、豚肉に多く存在します。モモよりもカタに多く、ハツやレバーといったホルモン、特に鶏ハツは含有量が群を抜いています。魚は、イワシ、アジ、サバ、ニシンなど小型の青魚に多く含まれています。缶詰では、ツナ缶に多く含まれています。ツナを浸している大豆油にもコエンザイムQ10が含まれているので、一緒に料理に使いましょう。

肉魚以外でコエンザイムQ10を摂るなら、ナッツやアボカド、アブラナ科の野菜(葉の部分)がオススメです。アボカドは脂肪分が多く、そのままでコエンザイムQ10が体に吸収されやすい状態で存在しています。

食材100gあたりのコエンザイムQ10量を、食材の種類ごとにまとめました。

肉類

鶏ハツ:19.20mg
牛レバー:5.05mg
豚レバー:5.40mg
豚カタ:4.50mg
牛カタ:4.01mg
牛モモ:3.03mg
鶏モモ:2.50mg
鶏ムネ:1.71mg
豚モモ:1.38mg

魚介類

ハマチ:3.34mg
ツナ缶:1.49mg
イワシ:1.19mg
サバ:1.06mg

ナッツ類

ピーナッツ:2.67mg
ピスタチオ:2.01mg
くるみ:1.90mg
いりゴマ:1.76mg
ヘーゼルナッツ:1.67mg

フルーツ・野菜類

アボカド:0.94mg
菜花:0.74mg
ブロッコリー:0.70mg
あぶら菜:0.66mg
カリフラワー:0.66mg
白菜:0.45mg

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食材100gあたりのコエンザイムQ10量

効率的に摂取するポイントは「缶詰・大豆油」

コエンザイムQ10には還元型と酸化型があり、還元型コエンザイムQ10を摂った方が吸収されやすく、抗酸化物質としてすぐに作用することがわかっています。酸化型の場合は、吸収される際に小腸で還元型に変換される工程があるからです。

還元型は酸素があるところでは酸化型になりやすいため、缶詰などの真空調理されたものは高い還元率が維持されます。また、コエンザイムQ10は、油と調理をすると吸収率が高まります。大豆油などコエンザイムQ10が多いオイルを使うといいでしょう。

※還元率…体内の全コエンザイムQ10に対する還元型コエンザイムQ10の割合。高齢で体が弱っている方や慢性的に疲労が溜まっている方は還元率が低下しています。

おすすめの取り入れ方は「味噌汁」

さらに、2020年、和洋女子大学「鈴木研究室」が発表した研究では、コエンザイムQ10を味噌汁に入れて食べると吸収率が高まることがわかりました。抗酸化性が高い味噌が、食材中の還元型コエンザイムQ10を保護することで、吸収を高めていると考えられています。

味噌汁におすすめの具材
鳥や豚肉のつくね、イワシやアジのつみれ、そして菜花や白菜などのコエンザイムQ10を多く含む具材がおすすめ。

味噌汁以外のおすすめメニュー
ツナ缶と菜花や白菜でつくる副菜などは、調理も簡単でコエンザイムQ10を手軽に摂取できるメニューです。ブロッコリーやカリフラワーとツナ缶を使った温野菜サラダも、手軽にコエンザイムQ10を摂取できます。

細胞燃焼力を高めて、元気に冬を乗り越えよう

スキンケア成分としてお馴染みのコエンザイムQ10に、意外な働きがあることが分かりましたね。細胞燃焼力を高めて細胞を元気な状態に保つことで、内臓の働きが活性化し、疲労が回復し、血流が巡っていきます。コエンザイムQ10を豊富に含む食材を積極的に摂取し、手軽に効率よく脂肪燃焼力を高めることで、健康的に冬を乗り越えましょう。

監修/鈴木敏和先生
博士(薬学)、和洋女子大学家政学部健康栄養学科・大学院総合生活研究科教授千葉大学薬学研究科博士後期課程終了後、国立予防衛生研究所、横浜市立大学、千葉大学などの研究室を経て現職に至る。

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Text by Satomi Mizuno

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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