「猫背は生活習慣病」と断言する専門家が解説【猫背の真の原因】と今日からできる"根本治療"とは
猫背を解消するために筋トレしたり、矯正ベルトを使ってみたり。「でも一向に良くならない…」と感じている方は少なくないはず。『ねこ背は10秒で治せる!』の著者で、猫背矯正の専門家として知られる小林篤史先生に、猫背の根本原因と、猫背を解消するための初めの一歩について教えてもらいました。
「ふと気づくと、猫背になっている」のはなぜ
意識して姿勢を良くしようとしても、ふと気づくと猫背になっている…そんな経験はないでしょうか?その理由を、猫背矯正のスペシャリスト小林篤史先生は「猫背の方が楽だからです」と断言。
「悪い姿勢なのに楽だと感じるのは、悪い姿勢が体にすっかり馴染んでしまっていて、それが形状記憶されてしまっているからです。いったん形状記憶されると、その姿勢は簡単にリセットしにくくなります。世の中に出回っている数々の猫背解消方法は、一見良さそうに見えても現実には猫背の解消につながりません。なぜなら、本当の原因にアプローチしていないからです」(小林先生)
猫背の本当の原因は「骨盤の傾き」
骨盤は真っ直ぐ立っている状態が正常です。骨盤が前に傾いたり、後ろに傾いたりしないように周囲の筋肉群がバランスをとっています。具体的には、太ももの筋肉などの体の前面の筋肉と、太もも裏の筋肉など後ろ側の筋肉がバランスを取り合うことで、骨盤は真っ直ぐ立っているのです。ですが、長時間に及ぶデスクワークやクセによる姿勢の偏り、運動不足、加齢による筋力低下などが原因で、このバランスが崩れてしまう。それにより、骨盤が前に傾いたり後ろに傾いたりし、結果として骨盤が真っ直ぐ立たなくなるのです」(小林先生)
土台である骨盤が傾けば、その上にある背骨もあるべきS字カーブを保てなくなり、結果として猫背になってしまう、というわけです。
骨盤を真っ直ぐ立てることが猫背治しのスタート!
骨盤を真っ直ぐ立てるために、まず自分の骨盤が前傾しているのか後傾しているのかを知る必要があります。骨盤の傾き別の特徴から、自分がどちらに当てはまるかをチェックしてみてください。
骨盤前傾タイプの特徴
・お腹がぽっこり出ている
・腰が反っている
・鏡で見るとお尻が出っ張っている
・パンツの着脱時にお尻が引っかかる
・太ももの前側の筋肉が硬い、または盛り上がっている
・内股気味
骨盤後傾タイプの特徴
・腰が丸まっている
・鏡で見るとお尻が引っ込んでいる
・太ももの裏側の筋肉が硬い
・膝が曲がって伸びきっていない
・ガニ股気味
※多く当てはまったタイプがあなたの骨盤タイプ
※どちらのタイプかわからない人は、骨盤が真っ直ぐ立っている証拠です
骨盤前傾を治すストレッチ:太もも前面伸ばし
太ももの前や横の筋肉(大腿四頭筋など)や背骨から大腿骨のつけ根についているお腹の深部の筋肉(大腰筋など)をほぐすストレッチです。
やり方
1)椅子の背もたれや手すりにつかまりながら立ち、左足の甲を左手でもつ
2)両膝を寄せたまま左足を後ろに引き上げて10秒キープ。右足も同様に行う
→なるべく腰を反らさない
→両膝を寄せるように
骨盤後傾を治すストレッチ:太もも後面伸ばし
太ももの裏の筋肉をほぐすストレッチです。
1)椅子に浅く腰掛けて、左足を前に伸ばす。両手はどちらかの太ももの上に重ねる。
→背筋を伸ばし椅子に浅く腰掛ける
2)両手を左膝に移し、下方に軽く圧をかけて10秒キープする。反対側も同様に行う。
→背筋を伸ばしたまま上体を倒す
→肘は真っ直ぐ
ストレッチ効果を上げるために大事なこと
「該当するストレッチは1日1回以上行いましょう。それと大切なのが、決して無理をしないこと。ゆっくりやってもちゃんと伸びますので、過度に力を入れないようにしてください。ストレッチをして気持ちいい、いた気持ちいい程度で止めておきましょう」(小林先生)
姿勢の土台である骨盤にアプローチするストレッチ、ぜひ毎日の習慣に取り入れて無理なく猫背を解消していきましょう!
教えてくれたのは…小林篤史先生
1975年生まれ、神奈川県横浜市出身。猫背矯正マイスター(R)、柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師。高校時代にプロ野球選手を目指すも、腰痛などたび重なるケガや体調不良により挫折。その悔しさから日本大学文理学部体育学科に入学し、トレーニング理論、機能解剖学などを研究。2006年に宮前まちの整骨院を開院、2020年にスカッと整体を開院。独自に考案したねこ背を治す施術が「持続するねこ背矯正」として高い評価を得る。『ビジュアル版 ねこ背は10秒で治せる!』(マキノ出版)他、著書多数。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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