漠然とした不安から抜け出すためにできる2つのこと|心の専門家が解説

 漠然とした不安から抜け出すためにできる2つのこと|心の専門家が解説
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石上友梨
石上友梨
2021-06-11
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2.身体感覚の変化に見通しを持つ

見通しを持つためには、自分自身で安心の状態、つまり自律神経が安定した状態に戻ってこれる感覚を育むことが大切です。これは頭で理解しているだけではなく、身体の感覚としても感じていることです。「これをやると安心できるんだ」と頭で理解しつつ、実際にやることで身体が安心を感じるという身体の感覚を結びつけましょう。

安心に戻る感覚を養うためには、まずは安心した状態を知ることから始めましょう。安心を知らないと、どこを目指していいか分からないからです。人は意識していなかったり、気づいていなかったりするだけで、必ず安心した感覚を味わっている瞬間があります。もしないと感じるのなら、体の筋肉を意識的に緩めたり、身体の前方を温めたりして、安心している時の体の感覚を味わってみましょう。

内受容感覚への気づきを深めることは、自分の安心した状態を知ることだけではなく、他のメリットが指摘されています。例えば、近年の研究において、抑うつ症状に内受容感覚の知覚の不正確性が影響を与えると示唆されています。また、内受容感覚の知覚と感情調節についての関連も指摘されています。自分自身を落ち着かせることができるようになり、エネルギーをチャージされると、人と繋がり、他者と暖かい感情を分かち合いという想いが生まれていきます。人といても安心を感じられるだけではなく、その安心感は相手にも伝わり、他者との関係がより深まっていくことにもつながるでしょう。

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石上友梨

石上友梨

大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。



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