【中医学の教え「冬病夏治」】夏に冷えを排出して冬の病気を予防「足首をほぐす陰ヨガポーズ」

 【中医学の教え「冬病夏治」】夏に冷えを排出して冬の病気を予防「足首をほぐす陰ヨガポーズ」
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陰ヨガはヨガと中医学を融合したヨガ。中医学には”冬病夏治”という考え方があります。暑い夏の季節は自然界の陽気が1番旺盛になります。この夏の時期に、身体の冷えを残さずしっかりと出し、寒い冬の季節にかかりやすい不調や病を防ぎます。人間も自然と同じ。自然界と同じように夏に体内に巡るイキイキとした陽気を蓄えて、冬の寒さに負けない身体へ。五臓を労り、季節の変化に寄り添いながら一年を通じて健やかに過ごしましょう。

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ヨガと中医学を融合した「陰ヨガ」の特徴とは?

陰ヨガは力を抜いて重力に身を預けた状態で3〜5分ポーズを保持する静的なヨガです。強い刺激ではなく心地よさを感じるところで、呼吸や、身体の感覚を感じながらじっくりと時間をかける事で筋膜や関節、腱、靭帯といった結合組織の固着が解消され、深部からしなやかさと潤いが引き出されます。そして陰ヨガの最大の特徴は、ヨガと中医学を融合したヨガである、ということです。

中医学はバランスの医学とも言われていて、心身の陰と陽のバランスが崩れることで身体に様々な不調が起きると考えられています。自然界の中で自然と共存している私達の身体は、例えば、ジメジメした梅雨の季節は身体にも湿気がこもって胃腸系の不調が起きやすくなったりと、常に変化し続けている気象(季節)の変化の影響を受けています。そして季節や体質に合わせて陰陽バランスを調整する、具体的な調節方法を表したものが中医学の土台にある陰陽五行です。

陰陽五行
陰陽五行

中医学の”冬の病を夏に治す”とはどんな考え?

中医学では“冬病夏治”という独自の概念があります。暦の上で夏は5月〜7月。陰陽五行学説では「火」の特性を持ち、五臓では心にあたります。全身に血液を巡らせる働きがあり、新陳代謝が高まります。冬に比べて夏に身長がぐんと伸びたりと、成長や発育も活発になる季節と言われています。夏は一年の中で一番陽気が盛んな季節。私達人間の人体にも自然界と同じようにイキイキとした陽気が巡っていきます。

夏の適度な発汗は寒い季節に身体の中に溜まった水や冷えを外に排出してくれます。なので夏の特徴を利用して更に発汗を促して徹底的にデトックスすることで、秋冬、陰の季節に起こりやすい咳や鼻水、皮膚炎、呼吸器系の不調や関節痛、冷え性などを予防、改善する文字通り”冬の病を夏に治す”、これを冬病夏治といいます。

毎年、寒い季節に不調が起きやすい人は春夏の過ごし方を変えると見直してみると良い変化があるかもしれません。温かい飲み物や食べ物をとる、クーラーの効いた室内で過ごした後は屋外に出て日光浴をする、運動や入浴で発汗する機会をつくる等、身体を温めて新陳代謝を良くすることを意識してみてください。

ただし、人それぞれ環境や体質は違います。「汗は心の液」という言葉にもあるように、汗をかき過ぎると、心液が過剰に消耗されて身体がカラカラ、うるおい不足に。動悸、イライラ感、不眠などの心のエネルギー不足による不調が現れやすくなります。

心液ははちみつレモンや梅砂糖、ブルーベリーのような酸味と甘味を合わせた甘酸っぱい食べもので補うことができます。酸味には収斂作用があるので汗の出過ぎを抑える働きがあり、甘味を組み合わせることで身体にうるおいを与えてくれます。陰ヨガは身体の緊張を解いて身体を預けて過ごすことで副交感神経が優位になるので、交感神経が高まりやすい夏の疲労回復にとってもおすすめです。いつでも身体の声を素直に聴いて、疲れたを感じた時には充分な休息をとるようにしましょう。

はちみつレモン
はちみつレモンなど酸味×甘みのあるものがおすすめ/写真AC

水がたまりやすく冷えやすい足首、足先、足の裏をじんわりとほぐす陰ヨガポーズ

今回ご紹介するのはとってもシンプルな正座とトゥスクワットの連続ポーズ。暑い陽のエネルギーは太陽、天から。冷え、陰のエネルギーは根っこ、大地から。水がたまりやすく冷えやすい足首、足先、足の裏をじんわりとほぐすことで下半身の血流改善。ポーズの時間は最初は1〜2分、慣れてきたら3分と少しずつ時間を増やしてみてください。無理をせずに、じっくりと丁寧に呼吸しながらご自身の身体の状態に合わせて進めてみてくださいね。

正座&トゥスクワットのポーズのやり方

①かかとをまんなかに寄せてかかとの上に坐骨がのるように正座になります。足首の可動域に合わせてお尻の下にブロックをおいたり、太ももとふくらはぎの間にクッションをおいたりして、足首足の甲に適度な刺激を感じるところで2〜3分ポーズを保持します。

②手を前についてお尻を持ち上げてトゥスクワット。足の親指の付け根から小指の付け根まで均等に体重をのせて身体を起こしてもう一度かかとの上に坐骨をのせて座ります、刺激が強過ぎる場合は手を前について上半身の重さを調節してください。1〜2分ほどポーズを保持します。

③ゆっくりとポーズから抜けてリバウンドタイム。足指までじわじわ〜と血が巡る感覚や、ポーズから抜けた後の身体の反応、余韻を感じましょう。

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高西由貴子

高西由貴子

内臓ケアサロンMaitriesセラピスト 陰ヨガを通じて出会った中医学の学びを続けながら、都内を中心にサロンオーナー、ヨガインストラクター、セルフケア講座のセミナー講師と多岐に渡って活動。2020年、より一人一人の心と身体をサポートしたいという想いを元にボディケアサロンMaitriesをオープン。心と身体両面から、女性の美と健康のサポートをしている。



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