【陰ヨガで疲れ取り&脊柱矯正】梅雨の重だるさを解消!「除湿」「健脾」の経絡を刺激するヨガ
24節季で「小満(しょうまん)」という日は5月下旬から6月初旬。本格的な梅雨の前時期です。中国や日本では、古来から1年の暦を24節季、72候というように区切り、短文で表し暮らしに役立てました。自然の現れとして「秋にまいた麦に穂がつく」頃、その出来具合に「少し満足」し、ひと安心するといった時期です。また、野原には「紅花の花」が咲きほこり、6月になると、「かまきりが卵からかえって」透明な赤ちゃんが土の中から顔をみせる頃。夏至が近づいています。 5月の爽快な気候、明るい太陽の日差しで心身は快調だったのに、梅雨の湿気の影響で心身の不調を感じ始めていませんか?
梅雨時期のキーワード「除湿」と「健脾(けんぴ)」とは
ヨガで身体リセットといえば、【背骨と骨盤】。中医学や漢方で生命エネルギーや気血水の調整といえば、必ず【脾胃】から。この梅雨時期のキーワードは「除湿」と「健脾(けんぴ)」。一挙両得の陰ヨガポーズを今日はご紹介いたします。かわいらしい名前の「キャット・テイル・ポーズ」(猫ちゃんが自分の尻尾を引っ張って遊んじゃうポーズ)。
ここで、夏至の前に、しっかりと身体調整をして夏を迎えましょう。背骨の可動する方向は6方向。屈曲・伸展・左右側屈・左右ねじり。この中の、脊柱の「伸展」と「ねじり」、少しの「側屈」がポーズを通して行えます。
背骨・骨盤の全関節の固くなったコリを、ねじる動作により、取り除きましょう。うまくねじれると、仙腸関節まわりや、腸腰筋群もほぐせます。
その動作によって、フロントライン・バックライン・左右サイドラインの筋膜を、気持ちよく伸ばし、気エネルギーを通していきましょう。
東洋医学的には、脾胃の経絡が、大腿四頭筋群、腹直筋群、にあるとされます。深くじっくりと伸ばすことにより、深層にある筋腱経絡がひらきます。(経絡にも種類があり、多岐にわたります。)
静かに「目的のある沈黙」を行うことで、心身の気エネルギーを養うことができますが、もし、無音では落ち着かない場合は、リラックスできる場所で音楽を聴きながら行うこともできます。
ゆったりと力を抜き、リラックスしながら、ご自身の背骨の感覚、骨盤周りの疲労感を感じてみましょう。内臓、特に消化器系の脾胃のあたりに、心の耳を傾け、深呼吸を続けます。猫ちゃんになったつもりで、このキャット・テイル・ポーズを行ってみてください。脾胃の気エネルギーが養われ、満ちてくるのが分かります。特にポーズ後の小休止の時間に味ってみてください。
<陰ヨガ・キャット・テイル・ポーズのやり方>
・ポーズ時間 1~5分
・タイマーをご用意ください
① 片側を床の方に向けて、横向きに寝そべります。片手を側頭部にあて、頭部を支えます
② 上側の片脚を腹の前側に伸ばします
③ 下側の脚の膝をまげて、かかとが臀部に近づきます
④ 上側の手で、下側の足の(臀部に近くなった)つま先を掴む
⑤ 頭に支えていた手を外し、肩と手を前方にのばしてリラックスさせます。(頭部においた手は離さなくてもよいです。どちらか安定する方を選択してください)
⑥ ターゲットの背骨がねじれ、少し後方に上体が反り伸ばされ、大腿の前側の大腿四頭筋が伸びていることを確認してください。腰部に嫌な感じがないようにチェックしてください。(あれば回避するように反りすぎない、伸ばしすぎない場所まで戻ります)。深呼吸を繰り返し、さらに脱力して、心身共に落ち着いてくる様子を観察します。
⑦ 1~5分ポーズを保ちます。(タイマーをご使用されるとよいでしょう)
<<アップでみると>>
足を前方へ伸ばす
手で足を掴む(前方・後方の足もつかむバリエーション)
壁を使ったバリエーション
陰ヨガは、じっくりと時間をかけて1呼吸ずつ丁寧に行うヨガです。ゴールはあなたの身体とお友達になって、身体の心地よさを探求してみること。目を閉じて五感を使って「自分だけの心地よさ」を味わってみてくださいね。やりすぎる感覚より、少し足りない程度が最適です。ポーズをほどいたら、シャバサナ(リラックスポーズ)で1分ほど、「感覚の響き」を楽しみましょう。
※現在、通院中、医療機関の専門医にかかっている場合は、ご担当の専門家の許可を得て、安全にヨガを行ってください。
AUTHOR
西川尚美
西川尚美 サンディエゴでヨガに出会う。現在オンラインクラスでブレスワーク、陰ヨガ、瞑想、指導者養成講座を開講している。インサイトヨガのサラパワーズ氏、陰ヨガ創始者ポール・グリリー氏に師事。マインドフルネス陰ヨガ指導者養成講座 開講中。YYTT500、全米アライアンス RYT500認定講師 、介護予防運動指導員 著書「朝ヨガ夜ヨガ」宝島社 DVD「陰ヨガ for beauty & healing」
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