季節性のアレルギーで調子が落ちてない?【アレルギー症状を鎮めるアーユルヴェーダ的5つの解決策】
ティーチャーで作家のインドゥ・アローラさんが、間違ったネティポット(鼻うがい)を使用している理由や季節性アレルギー症状を鎮める上での実践的なヒントについて語ってくれました。
毎年、春~初夏は寒くて退屈な季節からの待望の休息をもたらしてくれます。活気に満ちたつぼみと花は、冬を乗り切るためのご褒美ですが、さまざまな花粉が到来する前触れでもあります。つまり、これは、咳、鼻水または鼻づまり、目鼻口喉のかゆみなどの一連の症状を引き起こす可能性のある空中浮遊アレルゲンです。症状が年々深刻になっているとか、毎年症状が早まっていると感じたとしても、それは間違いではありません。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)によると、気候変動によって花粉濃度が高まり、アレルギーシーズンが伸びている可能性があります。
安堵感は桜のようにつかの間のものなのでしょうか? いいえ、そんなに一瞬のものではありません。
「対処しなければならないと考えるのではなく、外部で起こっていることを理解し、それが自分にどんな影響を与えるかを知り、上手く付き合っていく方法に関して知恵を与えてくれるのが、アーユルヴェーダ最大のギフトです」とアーユルヴェーダとヨガの指導者であり、「SOMA: 100 Heritage Recipes for Self-Care」の著者でもあるインドゥ・アローラさんは述べています。「体は私たちを守るために最善を尽くしているだけだということを覚えておくことが重要です。鼻づまり、発疹、便秘が起きたら、体はこの瞬間に不必要なものを外に押し出すように働いているのです」。
アーユルヴェーダは、あらゆる防御のサインを出すというよりむしろ、置かれた環境に適用する手助けとなるシンプルで確実なメソッドを提供します。アーユルヴェーダのアプローチには3つの主なアイデアが含まれているとアローラさんは言います。第一に、免疫力を向上させる必要があります。これは、アーユルヴェーダが「消化能力」と解釈しているものです。アグニ(消化の火)を継続的に養いたいものです。穏やかでホリスティックなクレンジング(浄化)もまた役立ちます−ここでは過酷なプログラムやパンチャカルマについて述べているのではなく、また、浄化のために単一の臓器や体の部位に焦点を当てることもないと彼女は言います。最後に、自分の症状に基づいて食べたり、実践を行なったりすると物事は大幅に好転します。
そしてお金もさほどかかりませんし、複雑ではありません。
「アーユルヴェーダは、アクセス可能なセルフケアのマニュアルのようなものです。心と体に負担をかけない方法で春に移行する方法を学ぶための実用的な方法はたくさん存在します。実際、花が咲き、植物が芽を出すのに必要な季節のエネルギーを利用することができます」と彼女は述べています。
アーユルヴェーダをアレルギーに活用する5つの方法
一日中温かい(熱くない)水を飲む
「こんなに簡単なことが?と思うかもしれませんが、お湯にはやさしいクレンジング効果があります。鼻孔、食物の通路、肺の粘膜のうっ血を洗い流し、消化器系の火と酵素をサポートします。 一定期間にわたって行えば、組織チャネルをより綺麗に保ち、免疫がサポートされます」とアローラさんは言います。
毎朝舌をみがく
カパ(粘液、痰)やアーマ(毒素)が見られる場合(白っぽいまたは黄色がかったものの蓄積、歯の跡、くすみまたは青白さとして舌に現れる)、銅のスクレーパーを手に取りましょう。ピッタを表す深いひびや赤い斑点が見られる場合は、スチールスクレーパーを使用してください。まず、高品質のスクレーパー(鋼と銅)を手元に置いておく必要があります。(アローラさんのウェブサイトで20ドルで購入することもできますし、もしくは自分で見つけてみましょう。)
次に、毎朝、歯を磨く前に、舌を伸ばして見てください。「日常的に識別する力を働かせましょう。ヨガとアーユルヴェーダは、意識のある生活を送ることを目的としています」とアローラさんは言います。
アーユルヴェーダとヨガの指導者であり、「SOMA: 100 Heritage Recipes for Self-Care」の著者でもあるインドゥ・アローラさんは、鋼もしくは銅の舌スクレーパーを使用するかどうかを決める際は、自分の識別力を働かせて欲しいと述べています。
ブラッシングする前に毎朝これを行ってください。「後ろから前へ、横から前へとそっとこすり、あまり圧力をかけないでください。傷つけたり、怪我したりは避けたいですよね」とアローラさんは言います。既にオイルうがいを習慣的に行っていますか?その場合は、うがい、舌磨き、そして歯磨きを行ってください。「喉と声がどれほど清潔で澄んでいるかに驚かれることでしょう」。
銅のネティポットを使用する
鼻づまりしやすい場合には、鼻洗浄が役立ちます。セラミックやプラスチック製品を選ぶのではなく、アローラさんは代わりに銅のネティポット(鼻洗浄器)を使用することをお勧めします。その理由は?銅製の容器に水を保管すると(彼女のショップでは30ドルで購入可能)、イオン化されるのです。アーユルヴェーダでは、銅がカパを鎮めます。ちなみにカパは春になると手に負えなくなる傾向があります。銅を通してイオン化された水は、細胞と鼻粘膜に行き渡ると彼女は述べています。
手順は簡単です。蒸留水または普通の飲料水をネティポットに一晩浸して、イオン化させます。 翌朝、温めて塩を加え、鼻うがいを行います。
「毎日行う必要はありません。 週2回で十分です。 使いすぎると、鼻粘膜から天然オイルを取り除き、鼻孔の乾燥を促進する可能性があります」。
プラスチックやセラミックのネティポットを使用するのではなく、銅を選びましょう。銅は水をイオン化し、余分なカパを取り除きます。
ドーシャタイプに従って食事をとり、実践を行う
これに関しては、アローラさんが奨励する識別力を活用しましょう。「一呼吸置いて、自分はどのような症状を抱えているか見つめる必要があります。それらはカパ、ピッタ、またはヴァータですか?この季節の変化はどのような影響を与えていますか?」
カパの症状:うっ血、咳、重さ、くすみ、食欲不振、目のべたつき
「乳製品、白い小麦粉、サトウキビなど、カパを悪化させるような種類の食品や、くすんだ、重い、凍ったものは避けてください」とアローラさんは言います。「代わりに、えぐみや苦味のある新鮮な野菜やリーフ野菜に注目し、お茶、スープ、サラダに黒コショウと生姜を使いましょう」。
ピッタの症状:発疹、じんましん、目の発赤、刺激、くしゃみ
「赤唐辛子、ニンニク、タマネギ、赤ピーマン、アルコールなどの辛くて体を温める食品は避けてください」とアローラさんは言います。「コリアンダー、フェンネル、アロエベラなど、体を冷やして落ち着かせるハーブを取り入れましょう。実際、春の初めに大さじ1杯のアロエベラを毎日約2週間摂取すれば、ピッタを抑えることができます」。
彼女はまた、ピッタの肌は強いクレンジングや化学物質に反応するので、スキンケアルーティーンを見直すことを提案します。「クレンジング、石鹸、シャンプー、保湿剤の成分を見て、オーガニックや天然素材で、防腐剤を多く含まないアイテムを選びましょう」。
実際、アローラさんは彼女自身にハーブパウダーを手作りしました。クレンジングやスクラブやマスクに活用できるものでクレイ、ひよこ豆粉、サンダルウッドを含みます。「それは祖母直伝で、私は自分のグルと一緒にそれを再び考案しました」と彼女は言います。 製品のヨギスグロー(50ドル)は、マスクまたはスクラブとして毎週使用した場合、3か月間、毎日のクレンジングとしては6週間使用できます。「ローズウォーター、ミルク、アロエベラ、また水と混ぜることができます。肌に炎症がある場合(※)は、2週間使用し、肌に変化が起こるかどうか注意深く観察しましょう」。
※アメリカ版ヨガジャーナルの記事となり、日本人の肌質とは異なるため、赤みやヒリヒリなど肌に合わないと感じる場合は、使用を中断して様子を見ることをおすすめします。
ヴァータ:頭痛、乾燥肌、ガス、便秘、息切れ
「生、凍っている、冷たい、炭酸ガス入りの食材を避ければ、調子は良いはずです」とアローラさんは言います。さらに、乾燥と戦うために、体の開口部(鼻孔、耳、へそ)にごま油一滴馴染ませるのもおすすめです(油を挿入する必要はありません)。ドライアイの場合は、丸いコットンパッドをいくつか手に取ってください。澄ましバターのギーに2つを浸し、潤滑剤として目の上に置きましょう。
新しい儀式とアジャストメント(調整)を行う度に意識を注ぐ
「見過ごすべきでないことの一つは、どんな変化であっても、それが反省的な意識をもたらしていないかどうかです」とアローラさんは述べます。「その変化をしっかり目撃しましょう。そうすれば、あなたはその一部になり、それに抵抗したり、嫌悪したりすることはありません。あなたがそれを瞑想、ウィットネス(目撃)、または反省的な探究などと呼ぶかどうかに関わらず、意識を深めましょう」。
「これはヨガのギフトです。1分、10分、30分など、どれだけ長い時間取り組むかは関係ありません。それをあなたの人生の一部にしましょう」。
インデゥ・アローラさんについて
インドゥ・アローラさんは、アーユルヴェーダとヨガのセラピストであり、自分自身、一生生徒だと考えている。彼女は1999年以来、ヨガ哲学、ヨガセラピー、アーユルヴェーダについてシェアしてきた。クリヤーヨガ、ヒマラヤヨガ、カシミール・シヴァ派、シヴァナンダヨガのルーツにインスピレーションと指導を受けた。伝統的なグルによるパラマパラの元でヨガとアーユルヴェーダの両方を学んだ。彼女の指導方法は、生徒が内なるグルを目覚めさせるためのエンパワーメントとインスピレーションを与えることを基本としている。彼女の基本的な哲学は、「自分以上に素晴らしい癒しの力は存在しない!」である。彼女は「Mudra: The Sacred Secret, Yoga – Ancient Heritage, Tomorrow’s Vision(The little Red Book on Yogaとしても知られる)」と「SOMA – 100 Heritage Recipes for Self-Care」の著者である。
教えてくれたのは・・・ディアンナ・ミカロポロスさん
ディアンナ・ミカロポロスさんはノースウェスタン大学(イリノイ州)でジャーナリズムを専攻。卒業後は編集アシスタントやフリーランスを経験し、現在はヨガジャーナルのシニア・プロダクション&コンテントマーケティング・マネージャーとして活躍。
ヨガジャーナルアメリカ版/「Spring Allergies Got You Down? These Ayurvedic Solutions Can Help」
AUTHOR
ヨガジャーナルアメリカ版
全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。
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