手首を痛めずにヨガをする方法って?|ヨガ解剖学

 手首を痛めずにヨガをする方法って?|ヨガ解剖学
Rick Cummings

手首を痛めている、または痛めたことのあるヨギは多いだろう。ヨガジャーナル本誌の人気連載「ヨガ解剖学」から、今回は「手首の働き」をフィーチャーした本記事を紹介。体の仕組みを理解し、安心してプラクティスを行うための4つのステップをチェックしてみよう。

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ダウンワードフェイシングドッグやチャトランガへ入ったり、出たりする動きをともなうヨガのプラクティスをしている人は、手首に痛みがあったり、痛くなりそうだったりするという問題を抱えていることがあるだろう。わたしは、プラクティスを上達させたいと真剣に考えている指導者や生徒のためのワークショップをさまざまな国で教えているが、そのうちの25%ほどの生徒がヴィンヤサの最中に手首が痛むことを認めている。さらに、手首の解剖学を探求してみると、その脆弱な構造は、不適切な体重の移動や動きを繰り返すことで、簡単に傷めてしまうこともすぐにわかる。
手首には、たくさんの動く部分があり、それは橈骨と尺骨という2本の前腕の骨が、橈骨それぞれの手にある8本の手根骨のうちの3本とつながる場所から始まっている。それ以外の手根骨は、手根骨同士や指とつながっている。多数の骨が数々の靭帯によってつながれ、その上下には、手首や指を動かす筋肉と腱がある。
手首はこのように複雑な構造をしているため、体重の負荷がかかるポーズの際に、骨や靭帯、筋肉のミスアライメントが起きやすく、手首の痛みや、2つのよくある特有の症状の引き金となる。そのうちの1つ目は、手首の小指側の手根骨が尺骨とつながる部分が圧迫される、尺骨突き上げ症候群と呼ばれるものだ。これは、生まれつき尺骨が変形していたり(割合的には少ない)、ダウンワードフェイシングドッグのような体重の負荷のかかるポーズで、手首が繰り返し小指側に向くことによって起きる症状だ。
2つ目の症状は腱炎で、これは誤ったアライメントや、チャトランガダンダーサナのような手首の関節が完全に伸展するポーズの際、体重を移動することでしばしば起こる、腱の炎症に特徴づけられる症状だ。靭帯がゆるんでいたり、可動性が高かったりするヨギの間では、炎症、痛み、最終的には関節炎の原因ともなる、慢性的な手首のケガもよく見られる。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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Text by RAY LONG,MD
Illustration&photo (hand) by Michele Graham
Model by Olivia Hsu
Styling by Emily Choi
Hair&Make-up by Beth Walker
Translation by Yuko Altwasser
yoga Journal vol.44掲載



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