ピラティスの基本「軸の伸長」を体得しよう!理学療法士によるボールで「軸の伸長」エクササイズ
ボールを頭に乗せよう
まず、ボールを頭の上に乗せてターダーサナをおこないましょう。このボールを頭上に乗せて使うのは、おそらく私くらいではないでしょうか(笑)?
ここで「軸の伸長」を思い出してください。頭頂部でボールを天井方向に押し上げるイメージです。どうでしょうか?ボールが頭上からこの時点で落ちてくるようなら、ボールの空気をもう少し抜いてください。そうすると少し簡単になるので、この後紹介するエクササイズがやりやすくなります。
1.ターダーサナで上肢と下肢を動かす
ターダーサナの状態でボールを頭上に乗せたまま、腕や脚を動かします。
腕や脚を動かす時に、体幹の力が抜けてしまうことがあります。また腕や脚を動かすことで身体重心が変化するので、体幹が動揺してぐらつきすいです。でも「軸の伸長」がキチンと保てていたら、そのままボールを頭上にキープできるはずです。試してください。
①両手を合掌から円を描くよう動かす
②カーフレイズ
③もも上げ
2.アンジャネーヤーサナ
今度はアンジャネーヤーサナで試してみましょう。ボールを頭上に乗せて膝立ち位になります。そこから右脚を前に踏み出します。余裕があれば、両手を上に伸ばします。左側もおこない、最後に膝立ち位に戻ります。
①膝立ち
②右脚を前に踏み込みポーズ
③左脚を前に踏み込みポーズ
④左脚を戻して膝立ちに戻る
他にもいろいろなヨガのポーズで試すことができます。私のピラティスクラスでは、毎回頭にボールを乗せるエクササイズを取り入れていました。その日のコンディションによって上手くできる日とできない日があったりして、ボールを頻繁に落としてしまう日には思わず笑いが起こります。クラス前にどのボールを選ぶか皆さんとても慎重になっていました(笑)。ボールとの相性もあるかもしれませんし、ボールの空気の入り加減でも難易度が変わってくるからです。
まとめ
ピラティスの基本原則である「軸の伸長」、理解できましたでしょうか?頭の上にボールを乗せることで、「軸の伸長」を保たざるを得ない状況をあえて作っています。背骨を重力に抗うように長く保ち、背骨ひとつひとつの隙間を広げるようなイメージです。
「軸の伸長」とは、決して全力で頑張って行うものではなく、潜在している自分の中の必要最小限の力で実現可能なことです。そのうち必ず感覚がつかめてくるはずです。
この「軸の伸長」が、今後自分自身の背骨を長持ちさせることにも繋がっていくでしょう。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
AUTHOR
堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。
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