今見直したい「よく噛む」「じっくり味わう」の意味|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

 今見直したい「よく噛む」「じっくり味わう」の意味|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
Megumi Sekine
関根愛 
関根愛
2021-02-25
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小さい頃から繰り返し「よく噛みなさいね」と言われてきた人も多いと思います。わたしは口うるさい小言くらいにしか捉えていませんでしたが、今思えば、よく噛むという行為はわたしたちが暮らしの中で行うことのできる動作の中でももっとも簡単なマインドフルネスの方法です。しっかりと腰を落ち着けて座り、お腹に重力を感じ、頭上が天井と地面の双方に引っ張られるような正しい姿勢で、上下左右ひとつひとつの歯の感触を感じながら、食べものが咀嚼されていく過程をじっくり味わってみてください。ひとくちの中に実にさまざまな味の変化を感じられます。丁寧に噛むということをただ無心に続けていると、体全体が口になったような全体感を感じることもあります。少なくとも三十回。できれば五十回、七十回とひたすら噛み続けます。

よく噛んで食べることの効果は広く伝えられています。よく噛むと唾液からアミラーゼという酵素が分泌され、胃液や胆液とよく混ざり合うことで消化をぐんと助けてくれます。唾液の分泌が少ないと食べ物に含まれる栄養素が腸で十分に吸収できずに排泄されてしまうため、どれだけ良いものを摂ろうと心がけていても意味がなくなってしまいます。最近はよく腸はわたしたちの命を支えている脳よりも大切な臓器であると声高にいわれていますね。腸の歴史は脳よりずっと古く、わたしたちの元となった生命体に始めからあったのは脳ではなく腸だったのです。健全な腸内環境を保ち、わたしたちの命を維持していくうえで欠かせないのが、よく噛むことです。

このように、よく噛むことには心身を健やかに導く実際的な効果とマインドフルネスとしての力を共に秘めています。小さいころ大人から口を酸っぱくして言われてきた「よく噛む」という習慣を、わたしたちは今一度ここで見直したいですね。座禅やヨガなどのセルフケアをする時間がまとまってとれないという人でも、まったく食べない日が続くことはまずないはず。この春は「食べる」という何気ないわたしたちの習慣を、絶好のマインドフルネスの機会として生まれ変わらせてみませんか?

ライター/関根愛
「アートが社会とどう関われるか」と「じぶんらしく生きるための食養生」が活動のテーマ。座右の銘は「山動く」。俳優歴10年、アトピーなどさまざまな不調をきっかけに自然食を始めて3年。マクロビオティックマイスター。

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