知らないと損する?!「妊娠初期」を快適に過ごす3つのヒント

 知らないと損する?!「妊娠初期」を快適に過ごす3つのヒント
AdobeStock

目まぐるしい変化の中にある妊娠期だからこそ心地よくヨガを取り入れて心身の安定に役立てて欲しい。ぜひ注意点に気をつけて心地よく貴重な妊娠期をスタートしましょう。

広告

妊娠初期はヨガレッスンに参加できない?

まず妊娠初期(15週6日まで)は赤ちゃんの変化が、目まぐるしい時期にあたります。耳・目・口ができ心臓や肝臓、胃腸など主要な臓器になる元が急速に完成し、だんだんと人間らしい姿になり手足をさかんに動かし光にも反応し始めます。その時期は医師や助産師から運動許可がおりていたとしても呼吸法や軽いストレッチに留めるべきとされます。日本臨床スポーツ医学会産婦人科部会の「妊婦スポーツの安全管理基準」では、『妊娠後に新たなスポーツを開始する場合は、原則として妊娠12週以降にすること。』とされています。それもありマタニティヨガは安定期と呼ばれる16週以降の方を対象とすることがほとんどでしょう。

妊娠初期を快適に過ごす3つのヒント

マタニティヨガに参加がまだ出来なくても、ご自身でできることは沢山あります。なかでも、”出産=呼吸力”と言えるほど、出産時はお母さんの呼吸力が大切となります。赤ちゃん含め二人分の呼吸を心がけてあげてほしいところです。ただでさえ痛みにより息を止めてしまいやすい場面だからこそ意識的な深い呼吸が必要となります。そのため、ご懐妊が分かったらばすぐ始められる安産への準備として、深い呼吸を心がけるということ。それにはまず普段のご自身がどのような呼吸をしているのかに気づくことから。

ヒント1:眠りにつく前ベットで深呼吸しよう

深いリラックスを促す呼吸は腹式呼吸といい呼吸をする際にお腹が膨らんだり凹んだりを繰り返します。その腹式呼吸は仰向けになるとより行いやすいため、ぜひ眠りにつく直前だけでも行う習慣がつくとよいでしょう。やり方は簡単。

①まずベットの上で仰向けになります。(その際腰に違和感があるようであれば膝を立てて行います。)

②片手を下腹部、もう一方の手を胸に添えて、まずはご自身の呼吸を観察してみます。お腹ではなく胸の方で呼吸をしていることに気づくかもしれません。呼吸の速さやペースにも気づいてみましょう。

③両手を下腹部へと移動し、まずは吐く息でおへそを背中にくっつけるイメージで吐き出します。この際少しだけお腹に力を入れるイメージです。

息を吐く
息を吐く

④吐ききったら、吸う息ではお腹の力をただただリラックスして内側から自然と膨らむお腹に任せます。(この際自分で膨らまそうと力まないことが大切です。)

息を吸う
息を吸う

⑤吐く息を意識的に、吸う息を自然に任せて、何度か繰り返します。

神経的にも副交感神経が高まりリラックスしてくるでしょう。そのまま気づいたら眠りについているで構いません。

ヒント2:骨盤の動きをスムーズにしよう

そしてその呼吸とも出産とも深く関係するのが骨盤です。深い呼吸をする際に動いている、横隔膜(腹腔と胸腔を仕切るドーム状の筋肉)と骨盤の底で臓器たちを下から支えている骨盤底筋群は連動して働きます。骨盤の動きが良いということは出産時(自然分娩時)、赤ちゃんのスムーズな通り道を確保してあげられることにも繋がります。そしてどのような産み方になるとしても、10ヶ月間赤ちゃんを無事に育て守るためにも骨盤の動きのスムーズさは欠かせません。

骨盤の動きをスムーズにするために日常から出来て効果的面なのが歩くことです。1日最低1時間は歩くことを習慣とできると良いでしょう。

ウォーキング
1日最低1時間歩くのがベスト/Adobostock

ただこの時期、家から出ることを躊躇してしまう方は、家の中で、前へ後ろへお尻歩きをしましょう。歩くことと同じく骨盤が良く動き柔軟性を保つにはとても良い運動となります。その際は胸の前で腕をクロスし、肩が床から水平のまま骨盤だけを動かすようにしましょう。

肩はぶらさずに
肩はぶらさずに

ヒント3:背中を丸める運動をしよう

妊娠中に働くホルモンの影響や、赤ちゃんの成長に伴い反り腰にだんだんとなるお母さんが多くいらっしゃいます。そして、出産時の陣痛の痛みにより、腰を思わず反らせてしまうことがあります。しかし、分娩誘導線といい赤ちゃんが外に出やすいお母さんの背中の形は少し丸まった姿勢です。そのため妊娠が進むにつれて腰が反りやすくなることは仕方がないにせよ、日常の中で背中を丸める運動を取り入れるとよいでしょう。やり方は簡単。

①よつばいになります。肩の真下に手首。膝の真上にお尻。フラットな背中にまずはなるように意識します。

よつばいになる
四つ這いになる

②ゆっくりと背中を丸めていきます。その際最後にもうひとつ、おへそを背中にグーッと引き込むイメージ。まるで赤ちゃんを自分の方へハグしてあげるような。(補助として、内ももにブロックやクッションを挟んでそれを潰すように力を入れると良い)

息を吐いて背中を丸める
息を吐いて背中を丸める

③そしてゆっくりとお尻の力を抜きながらお腹を床の方へ緩めて胸を斜め前に開いていく。その際腰を反ろうとするのではなく、背中側で肩甲骨を寄せながらお尻の方へ下げるようにします。

息を吸って胸を開く
息を吸って胸を開く

④ここで動きに呼吸を乗せます。吐きながら背中を丸め、吸いながら胸を前へ開きます。

⑤最低5呼吸ほど繰り返しましょう。

実感が湧くのは少しずつお腹が大きくなり始めてかもしれませんが、すでにお腹に宿った赤ちゃんに丁寧に思いを馳せながら、心地よい時間を過ごしてくださいね。

ライター/乃万由芙子
2011年インドへの旅をきっかけにヨガ哲学に興味を抱く。ヨガの持つ考え方が自分の価値観を根本から考え直す機会となり、この考え方がより心地よく生きるための糸口になると確信する。ポーズだけでなく日常がより生きやすくなるための、講座や指導を日頃より行っている。webサイト:yuukonoma.com、Instagram:@yuukonoma

医師監修/一倉絵莉子
産婦人科医/六本木ヒルズクリニック。日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会会員。日本大学医学部卒業。川口市立医療センター、北里大学メディカルセンター産婦人科等に勤務。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

広告



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

息を吐く
息を吸う
ウォーキング
肩はぶらさずに
よつばいになる
息を吐いて背中を丸める
息を吸って胸を開く