今いる場所に違和感や苦痛を感じているなら…自分らしく快適に生きるヒント【疲労回復とヨガ#19】


『自分らしく生きる』という言葉をよく耳にします。ヨガをしていると自分らしく生きられるようになる、とも聞きます。それは一体なぜなのでしょうか?また、自分らしく生きるとは具体的にどんな生き方なのでしょう?今回の【疲労回復とヨガ】では、生きづらさや疲労感を感じずに自分らしくいきることについて考えていきましょう。
自分らしくないってどんな状態?
『自分らしく生きる』という言葉は、生きづらさを感じている人にとっては魅力的に聞こえる言葉ではないでしょうか。今いる環境に違和感を感じていたり、無理をして周りに合わせている感覚があったり・・・そんな状態は知らず知らずに疲れを溜めてしまうもの。今の自分ではない『本当の自分探し』をすることも、今の自分を否定していることになってしまうので、同じく辛く疲れてしまうものです。
では、自分らしく生きるとは具体的にどういうことなのでしょうか?それを知るために、その逆の『自分らしく生きられていない』ということについて考えてみましょう。自分らしく生きられていない状態とは、自分ではない誰か=他人の真似をしたり自分を偽って生きてしまう、もしくは、誰か求められた姿を自分として生きるてしまっている、ということ。もし思い当たることがあったり生きづらさを感じているようであれば、ぜひ下記を参考にしてみて下さい。
誰かと比較をしていませんか?
例えば、憧れの存在がいたとします。職場の先輩やヨガクラスで出会うスタイルの良い人、芸能人・・・自分より素敵だな、と思う人はどこにも存在するものです。憧れること自体は悪いことではないのですが、その存在と自分を比較してしまうと『自分が劣っている』と感じてしまうことが多いですよね。この他人と比較することは、自分らしさを見失うことに繋がりやすく、またそれぞれが持っている個性の輝きを隠してしまいます。他人と比較することは、自分の人生を豊かにしたり個性を輝かせることには残念ながら繋がりません。
人と比べない自分らしさ
ヨガの考え方では、その自分の持っている質(個性)を知ることを大切にします。その答えは誰かとの比較で見つけられるものではなく、自分を観察し理解を深めていくことでのみ見つけられるものです。他人と比較をせず、自分を知り深めていく過程が、自分らしさを知るカギになるのです。そして、その個性には優劣はありません。
ヨガのクラスでは必ずといっていいほど、『人と比べないように』と先生は生徒に伝えます。身体にも個性があり、身体が柔らかい人もいれば硬い人もいます。関節の可動域にも筋肉の付き方にも個性があります。ヨガポーズには確かにお手本が存在しますが、そのお手本を参考にしながら、自分の身体を出来る限り心地よい状態に整えていきます。先生の真似をするのではなく、それを参考にしながら自分の身体の特徴に合わせてポーズをとるのです。
人と比較をせずに自分の特徴や個性を知る。そうすることにより自分の持つ個性を磨くことができ、自分の中にある素晴らしさに気が付くことが出来ます。オンリーワンの自分を磨いていく作業です。その姿勢はヨガクラスの中でだけでなく、日常生活でも役立つ考え方です。
役割=人の期待にこたえることではない
私たちはそれぞれ『役割』を持っています。社会の中での役割、お母さんや子供であるといった家庭での役割、友達のグループの中で求められている役割もあるかも知れません。その役割を果たしていくことは、とても大切なことです。でもその役割を他人から求められるまま役割を演じるように生きてしまうと、一番大切な自分が置き去りになってしまうことがあります。
幼少期に親の期待にこたえようとした経験はありませんか?恋人や大切な人との関係性を保つために、期待された通りに振る舞おうとしたことはありませんか?そうして役割を人の期待通りに演じる癖がついてしまっているとき、私たちは奥深いところで疲弊している場合が多いのです。
ヨガの考え方では、役割は私たちを成長させるためにあるものだと教えます。その役割を与えられ、時に役割を演じることで、自分の能力をいかし成長させることが出来るのです。そのためには、いつも自分に軸を置くことが大切です。誰かにその役割を与えられてその役割を期待通りに演じる・・・という姿勢ではなく、役割の中で能動的に学び成長するという意思を持つのです。
自分らしく生きられないという苦しさの原因は、誰かに期待されたり求められている姿をそのまま生きようとしてしまい、自分の意志や内側にある違和感を無視してしまうから。苦しさも違和感も言い換えれば、内側から湧いてくるサイン。自分をいかしきれていないよ、という自分からの有難いメッセージなのです。
自分が今置かれている環境や与えられている役割は、自分をいかし自分の道を歩むためのものです。時には他人の期待に沿うことができなくても、自分の違和感を無視せずに生きられる方法を探っていきましょう。役割を手放すことをせずとも、その役割の中で『自分がどうしたいか?』『どう生きたいか?』を深めながら実現いていくことも出来るはずです。
内側の声を聞いたり自分の本当の欲求を知るために、瞑想やヨガニードラなどで内観を深める練習をすることもオススメです。自分の進むべき道は、自分の内側と向き合うことで見えてくることも多いものです。
外側から受ける期待や役割と、自分の意志や内側の声とのバランスを上手に保ちながら生きていく。そんな生き方は疲労感を感じることが少ないですし、自分の持っている個性を輝かせていくことが出来ます。『自分らしく生きる答えは内側にある』というヨガの考え方は、あなたがあなたらしく生きていく手助けをしてくれるでしょう。
ライター/井上敦子
20代前半、心身のバランスを崩していた時期にヨガに出会い、不眠症をヨガで克服した経験を持つ。30代半ばに勤めていた大手企業を退社し、ヨガ講師に転身。現在は、『眠りのヨガ』と呼ばれるヨガニードラを、古典的な手法に加え最先端の欧米の手法も深く学びながらクラスを展開している。15年間の会社員生活の経験から、現代人の抱えやすいストレスをリリースするクラスを得意とし、導者養成講座・コラム執筆・アプリ監修・海外リトリート主催など幅広く活動中。Instagram:@yoga_atsuko.inoue
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