経済国家シンガポールの風水学に学ぶラッキースポットの見つけ方

 経済国家シンガポールの風水学に学ぶラッキースポットの見つけ方
Moca Kurio
栗尾モカ
栗尾モカ
2020-11-24
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ーーところで、藤堂さんにお話を伺うまで、シンガポールがここまで風水を積極的に取り入れている国だということを知りませんでした。

シンガポールは多民族国家として知られています。ですが、実際には人口の74%が中華系、マレー系が14%、インド系が9%という構成です。そして、その数字を反映するように経済や政策に影響を強くもたらせるのも中華系の人々。彼らが主導権を持って造られた街ですから、いたるところに風水が施してあるというわけです。ですが、表向きには多民族国家と言っているため、香港や上海が風水都市として知られているのに比べ、シンガポールは風水都市としてほとんど認識されておりません。

ーー改めて、シンガポールが都市計画に風水を取り入れる理由とは何なのでしょうか?

風水の語源としては、悪い風を防ぎ、良い風を招き、水の恵みと財を得る、ということ。つまり、水と風を操作することを起源としております。特に「水は気」と読み替えても良いほど、風水では大切にされています。それらは陰陽、五行、ラン頭、理気、更に地方による風習が複雑に絡まり、今に至ります。陰陽とは相反する二つの混沌から宇宙が始まったと言われており、陰と陽が更に分割されて、八つの属性に分かれました。それを八卦と言います。日本でも八は末広がりで吉数ですが、中華文化圏においても八は音が「発」の音とも同じ事もあり「万物が生まれる」と言う意味になり最も尊い数字です。五行とは陰陽とは異なる属性の考え方で、木、火、土、金、水の五要素が互いに影響を与えると言う考えです。相性の良い属性同士を組み合わせると相乗効果があると考えられています。ラン頭とは地形や建物の形を元に吉凶を診断する方法です。最後に理気とは見えない力を元に吉凶を占う方法で生年月日を用いた方法などがあります。

ーー具体的にシンガポールのどの場所で風水による設計を見ることが出来ますか?

先にご紹介させて頂いたラン頭を用いた典型的な風水的都市景観からご紹介しますね。

マーライオンとマリーナベイ・サンズ(モシュ・サファディ設計)で有名なマリーナ地区が典型的な良い気の集まる場所です。ラン頭では「龍(りゅう)・穴(けつ)・砂(さ)・水(すい)」と言う四要素から吉凶を判断します。

気の集まる場所
一般人の間ではあまり知られていない風水が取り入れられた都市計画

まずは龍。龍は財産の象徴。

ーー風水学では、良いエネルギーが流れる線状のエリアを「龍脈」と呼ぶそうですね。日本では、皇居や富士山、有名な神社仏閣は龍脈上にあると言われています。

そうですね。シンガポールでは、古来は川が龍の象徴でしたが、最近では道路も龍とみなす場合もあります。マリーナ地区においてはシンガポール川が「龍」にあたります。因みに龍が通る流れは「龍脈」と言います。龍は蛇行した起伏のある土地を好むと言われていて、平坦な土地には不作を齎し、起伏に富んだ土地には実りを齎すと言われます。実際にシンガポール川沿いを歩いてみると高低差のある開発が続いており、人工的に起伏のある土地を構築していることがわかります。建物の高さ制限やボリュームは都市開発省(URA)が強い権限を持っているので、意図的に建物のボリュームを操作させたのでしょうか。ちなみに、シンガポール川はカラン川と河口で合流して水門に到達するのですが、上空写真で確認をすると龍の頭のように見えるのは風水的な意図であるように思えますね。

二つ目は穴。龍脈から流れて来た気が集まる場所

龍脈であるシンガポール川から運ばれて来る強い気は、マリーナベイ地区の巨大な人口貯水湖に流れ込みます。ここには強い気が集中するため、世界の金融中心地の一つであるCBD、文化活動の中心地エスプラナード、国家の象徴であるマーライオン、商業活動の中心であるマリーナベイサンズが集まっており、正にシンガポール成功の象徴とも言えます。

これらは全て国家繁栄を達成させるという強い意志で人工的に構築されました。このような場所があれば強い気が集まる場所と考えて良いでしょう。気の流れを活用するためには、気の流れである龍脈と気の集まる場所である龍穴を見つける必要があります。

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藤堂氏
気の集まる場所
マリーナベイサンズ
280メートル
インターレース
DUO
噴水
卍