なぜ「自傷行為」はいけないのか|臨床心理士の見解とは
なぜ自分を傷つけてしまうのか、臨床心理士でもある筆者がその理由をお伝えします。
あまりにも辛くて感情に圧倒されそうな時、私たちはなんとかそれをコントロールしようとします。誰かに頼りたくても頼れないとき、自分一人で対処しないといけないとき、私たち一人でできることは限られています。そうすると、即効力がありそうに見える対処法を取ってしまいます。それは自分にとっては生きるためであり、辛い世界でなんとかやっていくための方法になります。しかし、そういった強烈な対処法は必ずデメリットがあります。その場を乗り越えることはできても、長期的に見ると自分を傷つけ、破壊するものだったりします。生きるためにやっているのに、長い目で見ると生きることから遠ざかってしまうのです。今回は、そんな自分を傷つけてしまうような対処法についてお話します。
自分を傷つけてしまうような対処法について、自分は必要だからやっていたとしても、周囲の人は心配したり怒ったり、やめるように説得するかもしれません。周囲の人はその対処法によってあなたが傷つくことを知っているから心配するのです。また、不適切な対処法をしているあなたを見ることが辛いからやめるようにいう人もいるかもしれません。
自分を傷つけてしまうような対処法とは
その場の強い不快な感情やストレスを紛らわしてくれるけど、自分を傷つけてしまう…それはどんな対処法でしょうか?例えばリストカットなどの自分を傷つける行為や、気持ちを押し込め、身体から切り離して感じなくすること、アルコールなどの物質に頼りすぎてしまうことなどです。もしかしたら、気持ちがホッとし、スッキリするかもしれません。何も感じないことは楽な感じがするかもしれません。気持ちが紛らわされ、ぐるぐる考えなくて済むかもしれません。しかし、それはすべて「一時的」な対処法になります。その場の気持ちは紛らわせても、問題の解決にはつながらないので、つらい気持ちは再びやってきます。そして、癖になり習慣化しやすくなります。
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