増える自殺…臨床心理士が考える「今、私たちにできること」
世界的に9月10日は【世界自殺予防デー】、日本では毎年9月10日〜16日を【自殺予防週間】と定められ、様々な活動が行われています。今や10代から30代の死因の第一位と言われている【自殺】。この機会に一度皆で考えてみませんか?
長い休みの後は注意?
9月1日がどんな日か、皆さんは知っていますか?この日は、18歳以下の自殺が年間最多になる日です。9月1日といえば、夏休みが終わり、学校が再開する日なので「学校に行くことがつらい」と感じている子供たちは心理的に追い込まれ、悲しいことに自殺という手段を選んでしまうのだそう。大人でも、長期休みの終盤や休み明けは気持ちが鬱々としてしまい、会社に行くのがしんどい…と感じることがありますよね。年齢・世代問わず、日本の自殺率は諸外国に比べて高いと言われています。これは「人に頼ることは恥ずかしいこと」「他人に迷惑をかけてはいけない」という日本に古くからある価値観や、精神科医療や心の不調に対する抵抗感の強さ・偏見から、相談することができず、状態が深刻化してしまうという背景があるからと言われています。
自殺に追い込まれる心理とは?
追い込まれて自殺という手段を選んでしまうのはよほどのこと。精神科医の片田珠美氏によると、そこまで追い詰められてしまうのにはいくつかの要因があると言われています。
(1) 孤独感:自分はひとりぼっちで誰にも助けてもらえない
(2) 所属感の減弱:自分は必要とされていない・自分の居場所がない
(3) 無価値観:自分には生きる価値がない・生きていてもしょうがない
(4) 窮状が永遠に続く恐怖:自分が置かれた環境に絶望し、それがずっと続くと思う・解決策がないと感じる
(5) 心理的視野狭窄:死ぬことが楽になる唯一の方法だと思いこむ
また、NPO法人ライフリンクによると、自殺の背景には喪失体験や苦痛な体験、精神疾患や身体疾患などを抱えている、ソーシャルサポートの欠如など様々な要因があり、一人あたり平均4つの要因を抱えているそうです。自殺は決して単純なものではありません。そういった現状の中で、私たちにできることは何なのでしょうか。
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