脱プラスチックの先進国イギリスの最新ゼロウェスト事情
そもそもプラスチックとは何か
石油から作られるプラスチック。プラスチックは年間3億トン生産されていると言われ、石油産出量8%も占めています。
プラスチックを生産する際、原料となるモノマー(単量体)をたくさん合わせて高分子のポリマー(重合体)にします。例えばポリエチレンでは、エチレンというモノマーを数万個合わせて、ポリマーにしたのがポリエチレンです。モノマーはほとんど常温で気体か液体ですが、これを数万個合わせると常温で固体となりプラスチックになるという仕組みです。その過程で思い通りの特性をプラスチックに与えるため、様々な化学物質(添加剤)を添加することにより強度があり軽いものなど色々な姿に変わり、丈夫なプラスチック製品になっていきます。この合成するときに、合わせるモノマーが石油や天然ガス、石炭から主に生成されています。
このようにプラスチック製品には添加物が多く汚れも落ちにくいため、そもそもリサイクルできるようには作られていません。
こうしたリサイクルしきれないプラスチックは海外に輸出されていましたが、輸出できなくなった今は日本国内に溜まり続けていると環境省も報告しています。そのため行き場を失くしたゴミは、燃やされたり、埋め立てられたり、最悪な場合自然界に流れ出されます。またポイ捨てやゴミ処理場へ運ばれる過程で環境中に出てしまった後に雨に流され海に流れつくというケースもあります。
この自然分解されない半永久的に残るという特徴があるプラスチックが、私たちが生きている地球の環境、そして人間がいただく魚などの生き物に影響を与えています。
私たちの生活の身近にある紫外線を浴びて脆くなった洗濯バサミやそこから出る白い粉は、プラスチックの劣化のわかりやすい例ではないでしょうか。
まず一人一人が自分の生活を見直し、無意識を意識的に変えていく必要があるのかもしれません。個人のちょっとした心掛けの積み重ねが未来に繋がっていくのではないでしょうか。
ライター/成瀬美紀
ヨガインストラクター。2010年にピラティス・ヨガを始める。その後、国内外でピラティスやヨガ・サップヨガなどのインストラクター資格を取得し、東京にてインストラクターとして活動。 現在はイギリスロンドンに在住。
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