脱プラスチックの先進国イギリスの最新ゼロウェスト事情

 脱プラスチックの先進国イギリスの最新ゼロウェスト事情
Photo by Milada Vigerova on Unsplash
成瀬美紀
成瀬美紀
2020-06-20

今世界中で深刻な問題となっているプラスチックごみ。日本もついに2020年7月1日より国内全ての店のプラスチック製のレジ袋有料化が義務付けられましたね。イギリスでは2015年にレジ袋が有料化となり、イギリスでのプラスチックごみに対する意識改革が一足先に行われていました。そこで今回はプラスチック問題についてイギリスよりお届けします。

広告

2015年にプラスチックのレジ袋が有料化となったイギリス。当初はレジ袋1枚5ペンス(約7円)でしたが、現在は1枚10ペンス(約14円)と値上げされました。有料化となりレジ袋の使用は半年間で85%も減少し、1回で捨てられていたレジ袋は1年間で60億枚も削減することに成功しています。

レジ袋の有料化と共に、2018年にはマイクロビーズ(マイクロプラスチック)の使用が禁止されました。マイクロビーズ(マイクロプラスチック)とは、5mm以下の微細なプラスチックのこと。歯磨き粉や洗顔・ボディソープなどのスクラブとして使われており、私たちの身の回りの製品にも多く使用されています。その小さなマイクロビーズが水とともに海に流され、環境や海にいる生き物たちに大きな被害を与えています。流されたマイクロビーズは細かくなる一方で分解されないため、魚などの生き物が飲み込んでしまいます。東京湾で釣ったカチクチイワシの80%の消化管からマイクロビーズ片が検出されたと言われています。また世界の塩ブランドのサンプルからは、90%のマイクロビーズが見つかったと言われています。

1分間で海に流れ込むプラスチック量はトラック一台分

1年間では1270万トンもの一度しか使用されない使い捨てプラスチックが海に流れ込むそうです

プラスチックを食べてしまう海鳥は90%以上・ウミガメは52%以上と言われ、海にあるプラスチックゴミの中で80%が使い捨てのプラスチック製品です。

Photo by Antoine GIRET on Unsplash
Photo by Antoine GIRET on Unsplash

イギリスのスーパーマーケットの状況

筆者の住む北ロンドンにあるチェーンのスーパーマーケットでは、わずか10週間でショップにある1500種類以上のプラスチックパッケージを取り除きプラスチックを一切使わないプラスチックフリーのゾーンを作りました。食品では野菜やパン・穀物類やナッツ・お肉や魚・チーズやミルク、生活用品からは洗剤や石鹸などからプラスチックが取り除かれました。

その他ロンドンでは、プラスチックフリーやゴミを出さないことを目標にするゼロウェイストショップなどが続々と展開されています。

このようにプラスチックを生活から取り除いていくには、多くの時間は必要がないことを証明しています。2019年、EUでは(イギリスEU離脱前)2030年までに全てのプラスチック包装をリサイクルし、使い捨てプラスチックを削減すると発表しています。大手グローバル企業も2025年までにパッケージ・リサイクル100%を宣言するなど、世界中でプラスチックフリーへの転換のときを迎えています。

mikinaruse
cut plastic out ゾーンの野菜売り場

 

mikinaruse
パンコーナー

 

mikinaruse
水やミルクも瓶に入れて購入できる

 

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

広告



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

Photo by Antoine GIRET on Unsplash
mikinaruse
mikinaruse
mikinaruse
Photo by Marc Newberry on Unsplash